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沖合いの上空は、富士見の願いが天に通じたかのように、熱帯低気圧の黒雲に覆われ始めていた。 ヒューヒューと音を立てて吹きつけて来る海風が、ニライカナイ滝の広場を取り囲んでいる、ガジュマルの木々を強く揺らしていた。 「風が強くなってきたようじゃな」 ギシギシと軋む

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安来太郎@NK3HSU0tJNeLyUt

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高床式住居の窓から、渦巻く突風に横殴りにされているハイビスカスの花園を見下ろしながら、オカマ仙人が口を開いた。 「嵐でも、来るのではないかの」 ロンロン婆がポツリと答える。10畳ほどの部屋の、板張りの床の片隅に敷かれたゴザの上では、キヨとムギの姉妹が、仲良く寝息を立てていた。 つづく

安来太郎@NK3HSU0tJNeLyUt

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