宮城谷昌光の侠骨記を読んだ。めちゃくちゃ面白い。中国は春秋時代の物語だが、先に読んでいた春秋名臣伝を白黒映画とすると、いきなり総天然色になったよう。名臣伝は何度読んでも難解な、粗々の骨組みたいな本だが侠骨記には骨に肉がついていて食べやすい。
メニューを開く春秋名臣伝、大好きなんですよ。だけど難しい。厳密に言うとあれは小説じゃないのだろう。この謎は小説でのみ語る事ができるだろう、というような事が書いてあるし。そこでざっとした事績だけを知った名臣たちが侠骨記では生き生きと動き出す。愉快でないわけがない。
