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「…おまん」「なんだ」「いい加減、あいつを、解放しちゃってくれんか」自分で自分に驚くほどに、哀れみを帯びた声が出た。掌を濡らしていた汗が、冗談のように引いていく。「…なに?」「あいつは、もう、わかっちょる。自分がどういう『人間』か」「浅はかな。我ら『隠し刀』は…」「そがなもん、

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ただの呼び名じゃろうが!」冷えた刀であるものか。愛することも、案ずることも、肌を触れ合わせる歓びも、きちんと知っていた、あの男が。龍馬の名を呼び、口吸いをして、幸福だと笑った、彼が。「…物知らずが」「ほうじゃな。知らん。あいつは『隠し刀』としての自分を、滅多に語らんき」

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