#ついのべ 泥の中から見上げた月は明るかった。その時はなんとも思わなかった。しかし戦から帰り、英雄として貴族の屋敷に招かれ贅沢な衣装や料理の並ぶ中にいると、時折叫び出しそうになる。散っていった戦友たちの顔も名前も知らずに笑う奴ら。窓の外の月を見て正気を保つ。俺はまだ泥の中にいる。

#ついのべ どうやら好きだった学園アニメの世界に転生してしまったようだ。ドキドキしながら入学したが、何かがおかしい。AとBは確かに親友だが距離が近すぎるし、Cはなんだか性格が違うし、あまり接点がないハズのDとEがべったりだ。なのに既視感がある。まさかここ…二次創作の方の世界か!?

#ついのべ お金の価値が暴落した。代わりに『徳』マネーが生まれた。良いことをすると、擬似マネーが『お徳』カードにチャージされ、店で使えるのだ。始まりは美男美女のいる店で、お金を使わずに接待を受けられるため大変に流行った。積んだ徳を払うため死後の世界では地獄行きだとの噂もあるが。

#ついのべ 昨年から体調が悪い。なぜか眠れぬ夜が続き、頻繁に胸が苦しくなる。これはもしや呪いでは？とふと思い至った。ちょうど騒音で隣人と揉めた時期からだ。誰がお前なんぞに呪われてやるものか！跳ね返すつもりで気合いを入れるとなんだか体が楽になった。一方その頃姑が倒れたと連絡が入った。

#創作BL #ついのべ　なのか…？？？

#ついのべ 過干渉な実家を出るべく寮制の王立魔法学院に入学した。しかし両親は「警護は1-2人では足りないな」「生活の世話と、折角なので情報収集もさせたいですね」と私に従者を6人もつけた。女子3人に男子3人。私がここから自由になるには…こいつら全員カップルにして私どころじゃなくしてやる！

#ついのべ 学校にある『あかずの扉』を面白半分にこじ開けたら、そこは迷宮屋敷に繋がっていた。獣人の部屋、巨大厨房、吹き抜けの温室、小人の市場…回廊があるかと思えば部屋から部屋への扉でまた移動。まてよ、俺どうやってここまで来たっけ？　とても元の部屋へ戻れる気がしないのだが…。

#ついのべ 「この山に幽霊屋敷があるって聞いてきたんだが」 「ええ、この道の先に」 「昨夜中に入って泊まってみたが、誰もいなかったし何も出なかった」 「ではもう一度、昼間に行くといいですよ」 「…何もなかった。人どころか屋敷さえ！」 「あれは屋敷の幽霊なんです。昔、燃え落ちたはずの」

#ついのべ 「わしは氏神。お前の母親は、病床についた時からずっと息子のお前を心配して、祈りを捧げておってな。お前が幸せであるようにとあまりに頼むから、直に参った」 「母さん…！」 「あとの請願は全部姑と旦那への呪いじゃったが、さてどうしたものか、一応お前に相談を」 「母さん…！！」

#ついのべ 異世界に魂だけ召喚され、人形に宿った。彼らの話では恐ろしい流行り病で人々がばたばたと倒れているそうだ。なら看護師の私の出番だな。しかし人形には口がない。文字も不明。だが頑張って手洗いやマスクを伝えた。絵とジェスチャーで。病の流行が終わると、これがゲームとして流行った。

#ついのべ #米騒動FA #勇者ヒスイ 《その男、勇者につき》 「あ、あの、ありがとうございました……っ」 村長だという老人が二人の冒険者に向かって深々と頭を下げた。 「ったく、あんな雑魚に手こずるなんてこの辺にはロクな冒険者がいねえのな」 そんな尊大な言葉を返したのは大剣を背負った

#ついのべ 彼は独身だと言っていたが、本当は結婚していた。「でも信じて欲しい。本当に愛してるのは君の方だから」その言葉を支えに、独断で奥さんに会いに行く。「私、あの人の恋人です」経緯を話すと、奥さんは天を仰いだ。「やめときな、あんな奴」不実な相手に縋りつくなと。大人の口調だった。

#ついのべ 俺は元の世界で彫り師をしてた。幸い、こちらの世界にも入れ墨文化があったから生計は立った。しかし困った事に、俺が彫った絵は持ち主の危機に反応して体から飛び出し、守護しようとするらしい。こないだは鳳凰と虎が大暴れしたと。夫婦喧嘩で出す被害じゃないと大家が嘆いていたそうな。

#ついのべ 悪魔の館、と怖れられる廃屋に忍び込んだ。外見とは裏腹に、豪奢な内装と美男美女の召使い達が住んでいた。主人が長らく不在なので滞在して欲しいという。美味い食事と酒、そして俺の寵を求める召使い達。なんだ天国じゃないか。どうりで先月ここに来たはずの友人も帰ってこないわけだ。