おはようございます。 #古今のぼりて その983。今日の歌は喜撰法師。 わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり 百人一首に採用。「世をうぢ山」に「世を憂」と「宇治山」を掛け、人がそのように言うところに住んでますよと詠みます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その982。今日の歌はこちら。 わが庵は 三輪の山もと 恋しくは とぶらひ来ませ 杉立てる門 配置を考えると三輪山に隠遁する人の歌と思われますが、三輪明神の神歌としても伝わっているようです。詳細文字数。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その981。今日の歌はこちら。 いざここに わが世は経なむ 菅原や 伏見の里の 荒れまくも惜し ここからしばらく都を離れて住む歌。こちらは荒れるのが惜しいからと菅原の伏見に住むことを決心します。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その980。今日の歌は紀貫之。 思ひやる 越の白山 知らねども 一夜も夢に 越えぬ夜ぞなき 詞書より越の人に宛てた歌。「越」の名に掛けて実際に行ったことはないが夢ではよく「越える」と詠みます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その979。今日の歌は宗岳大頼。 君をのみ 思ひこしぢの 白山は いつかは雪の 消ゆる時ある 昨日の返歌。大頼が越から来たことに掛け、越の国なる白山は春になろうが雪は消えませんよと軽妙に返します。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その978。今日の歌も躬恒。 君が思ひ 雪と積もらば たのまれず 春よりのちは あらじと思へば 詞書より宗岳大頼が雪を引き合いに己が思いが厚く積もっていると言った折。それだと春になったら解けちゃうでしょと冷静なツッコミ。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その977。今日の歌も躬恒。 身をすてて 行きやしにけむ 思ふより ほかなるものは 心なりけり 詞書よりご無沙汰な人との一幕。心が身を離れて会いに行ったのでは、などととぼけている様子。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その976。今日の歌は凡河内躬恒。 水の面に おふる五月の 浮草の 憂きことあれや 根をたえて来ぬ 詞書より久しく見えない友に宛てた歌。五月雨を浴びて繁茂する「うき」草に掛けて憂きことでもあったかと問います。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その975。今日の歌はこちら。 今さらに とふべき人も 思ほえず 八重葎して 門させりてへ 詞書がないことでなんやかんやありますが文字数。訪ね人もいないだろうし葎が絡んで門が閉まっているとでも伝えておけ、と若干のヤケ。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その974。今日の歌はこちら。 難波潟 うらむべきまも おもほえず いづこをみつの あまとかはなる 昨日の返歌。技巧には技巧で返すといった趣で掛詞を絡ませつつ身に覚えがないことを主張します。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その973。今日の歌はこちら。 われを君 なにはの浦に ありしかば うきめをみつの あまとなりにき 140文字では拾いきれないほどの超絶掛詞ラッシュ。左注と合わせて夫の足が遠のいたため三津寺で尼になった女が夫に宛てた文字数。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その973。今日の歌はこちら。 野とならば うづらと鳴きて 年は経む かりにだにやは 君が来ざらむ 昨日の返歌。前歌で言う「野」にては鶉となり狩りに来るあなたを待ちます、と鮮やかなカウンター。掛詞が2つありますが文字数。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その971。今日の歌も業平。 年を経て 住みこし里を 出でていなば いとど深草 野とやなりなむ 伊勢物語123段に登場。「深草」は地名と野の形容の両義。こちらより返歌の方が有名なので詳しい話はそちらで。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その970。今日の歌も業平。 忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや 雪踏みわけて 君を見むとは 伊勢物語83段に登場。詞書より出家した惟喬親王に正月に会いに行った折の歌であり、雑に超訳すると「この世は無常」となります。たぶん。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その969。今日の歌は在原業平。 今ぞ知る 苦しきものと 人待たむ 里をば離れず とふべかりけり 伊勢物語48段にも登場。馬の餞で待たされてようやく待つつらさが分かりましたという次第。すなわち昔男が反省する回。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その968。今日の歌は伊勢。 ひさかたの 中に生ひたる 里なれば 光をのみぞ たのむべらなる 詞書より桂にいた折に中宮温子のお見舞いに返した歌。月に桂が生えている伝説を踏まえ、中宮温子の威光にすがりたい気持ちを詠みます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その967。今日の歌は清原深養父。 光なき 谷には春も よそなれば 咲きてとく散る もの思ひもなし 詞書より時めきの浮き沈みを嘆く人を見ての歌。もとから浮き沈みが無ければ変化を嘆くこともないという次第。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その966。今日の歌は宮道潔興。 筑波嶺の 木のもとごとに 立ちぞよる 春のみ山の かげをこひつつ 古今集1095番を踏まえるのですがそちらの詳細は文字数。春の山の陰を景色として春宮の庇護を求めます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その965。今日の歌も平貞文。 ありはてぬ 命待つ間の ほどばかり うきことしげく 思はずもがな おそらく前歌と同時期。短い人生、思い悩まずありたいもの……と、わざわざ詠んでいるということはそういうことにございましょう。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その964。今日の歌は平貞文。 うき世には 門させりとも 見えなくに などかわが身の 出でがてにする 手元にないためエアプ語りになりますが……『平中物語』にも登場し、そちらを踏まえると出家できぬ身の嘆きと解釈されます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その963。今日の歌は小野春風。 あまひこの おとつれしとそ 今は思ふ われか人かと 身をたとる世に 詞書より左近将監を解任された折の見舞いへの返事。主に初二句で解釈が分岐しておりますが並記するにはこの余白は狭すぎます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その962。今日の歌は在原行平。 わくらばに とふ人あらば 須磨の浦に 藻塩垂れつつ わぶと答へよ 詞書によれば事件に関連して須磨に籠っていた折とのことですが、事件の内容は未詳とのこと。意外なとこに未解決。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その961。今日の歌は小野篁。 思ひきや 鄙の別れに おとろへて 海人の縄たき いざりせむとは 詞書より隠岐に流された時の歌。境遇を嘆くにも人はいかにも情けはあるべしと。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その960。今日の歌はこちら。 わが身から うき世の中と 名づけつつ 人のためさへ かなしかるらむ 詞書がないので状況が謎ですが、まあともかく自分のせいで憂き世と感じるばかりでなく人のためにそう思うこともありますよと。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その959。今日の歌はこちら。 木にもあらず 草にもあらぬ 竹のよの 端にわが身は なりぬべらなり 一説に高津内親王の作。初二句は戴凱之の『竹ノ譜』に依るらしいですが無念の守備範囲外。まあ要は我が身は中途半端ですよと。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その958。今日の歌はこちら。 世に経れば 言の葉しげき 呉竹の うきふしごとに 鶯ぞなく 竹の縁語をハチャメチャに重ねつつ、「言の葉しげき」「うきふし」といった両義性を駆使して世を嘆きます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その957。今日の歌も躬恒。 いまさらに なに生ひ出づらむ 竹の子の うきふししげき よとは知らずや ここから竹を三連打。最初の1首は幼子を見ての歌で、「ふし」「よ」と竹の部位を掛詞にして未来を憂います。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その956。今日の歌は凡河内躬恒。 世をすてて 山に入る人 山にても なほ憂き時は いづち行くらむ 詞書より山の法師に宛てた歌。隠遁生活のさらに果てまで想像しつつ厭世モードな歌群はこれにておしまい。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その955。今日の歌は物部良名。 世の憂きめ 見えぬ山路へ 入らむには 思ふ人こそ ほだしなりけれ 同じ文字が出てこない歌との言葉遊び的詞書。その割に源氏物語で出家に絡んだ引用が目立っており、立ち位置が謎にございます。 皆様の今日に幸多からんことを。

おはようございます。 #古今のぼりて その954。今日の歌はこちら。 世の中の 憂けくに飽きぬ 奥山の 木の葉にふれる ゆきや消なまし 「ゆき」は「雪」と「行き」の掛詞。雪深い奥山で消えたいなどと、もはや厭世とかそういう次元でない感じの仕上がりにございます。 皆様の今日に幸多からんことを。