後輩 「……手を、繋いでもいいですか？」 後輩 「仲直りしたって……一目で分かるように」 #FGO_OH6r

襲名者 「……そろそろ戻りましょうか。 　一応、あなたを連れ戻しに来てますから」 後輩 「わかりました。 　……あの、一つ提案しても良いでしょうか」 襲名者 「なんですか、後輩？」 後輩 「それは……その……」 #FGO_OH6r

襲名者 「ううん、構いませんよ。 　知られたくない過去ってあまり無いですし」 襲名者 「……私、後輩に嫌われる方が 　よっぽど堪えるみたいですから」 後輩 「き、嫌うだなんてそんなっ！ 　妖精國が滅ぶとしてもありえません！」 襲名者 「なら安心です」 #FGO_OH6r

襲名者 「……話しちゃった。 　もう、後輩には隠しごと出来ませんよね」 後輩 「はい……でもちょっと嬉しいです」 後輩 「先輩のことを知れて、 　先輩とよ距離が縮まった気がして」 後輩 「……あ、でもやっぱり迷惑ですよね 　先輩にだってプライバシー？ってのがありますし」 #FGO_OH6r

襲名者 「……放っておけなかったんです。 　だからお節介を焼いてしまって」 襲名者 「だから彼は、まだ私を 　友達と認めてくれていませんが」 襲名者 「……友達になりたいと思ってるんです」 襲名者 「そして、今度はよい王様になって欲しいとも」 #FGO_OH6r

後輩 「『私がこの名を背負うと、決めた時、決まったんです』」 後輩 「もしかして、そう言ってませんでした？」 襲名者 「……どうしてそれを？」 後輩 「今朝夢で見たんです。 　まさかとはおもってましたが」 後輩 「……やっぱり、アレ先輩だったんだ」 #FGO_OH6r pic.twitter.com/XGil8QOazY

後輩 「……そして、レオンハルトカイザーを 　襲名者したんですね」 襲名者 「歴史再現では 　異端の罪で処刑されることになる人物で」 襲名者 「近しい名前から、 　ここが終わる運命だと思ったそうです」 後輩 「そして、先輩に出会ったんですね」 #FGO_OH6r

失地王 『再び、ブリテンの地へお戻りください』 失地王 『……その時はきっと、 　聖剣はあなたに微笑みかけてくれる筈です』 #FGO_OH6r

失地王 『生きていれば何が起こるか分からぬものです』 失地王 『もしも、あなたが心からの友を得る時あれば……』　 #FGO_OH6r

獅子心 『……聖剣か。あれが我に微笑みかけるものか』 獅子心 『我は、手に入るべき友さえも掴めぬ愚者だ。 　何も為せず、朽ちるのが定めというもの』 失地王 『……さて、それはどうでしょう』 #FGO_OH6r

獅子心 『まあ、ここは去るだろう。その後は知らん』 獅子心 『王になる野心など、既に潰えたからな』 失地王 『何を仰いますか。 　元からあなたが決めることでは無かった筈です』 失地王　　 『……そう。あなたの道筋は 　聖剣によって指し示されているのだから』 #FGO_OH6r

失地王 『これからどうしますか』 獅子心 『引退する。 　貴様に引き継ぐまでは仕事を果たす』 獅子心 『そして、その後は……』 失地王 『死のうなどとは思わないでください。 　意図しない自殺こそ、国の恥さらしです』 獅子心 『貴様に言われても説得力がないぞ』 #FGO_OH6r

失地王 『いえ、それもまた仕方のないことです』 失地王 『あなたは優秀だった。 　私なんかよりもずっと』 失地王 『私より武に優れ、私より政治に強く、 　私よりも大きな身体を持ち、私よりも長生きで』 失地王 『だから私も、あなたならばと期待を寄せた』 #FGO_OH6r

獅子心 『……ジョン』 失地王 『何でしょうか、リチャード』 獅子心 『貴様の言うとおり、我は王として失格なようだ』 失地王 『ええ。ようやく気付きましたか』 獅子心 『……すまなんだ。 　我は貴様のことを見下していたというのに』 #FGO_OH6r

獅子心 『……我を、友だと思っていたからか？』 #FGO_OH6r

獅子心 『馬鹿な……奴が死ぬのはもう少し先の筈だ！』 獅子心 『踏み倒しか？まさか。 　引き継ぎを考えれば利点などあるものか！』 獅子心 『そもそも、解釈で済ませればいいものを』 獅子心 『まさか、本当に病を患っていた？ 　あれから時はまだ立っていないというのに……』 #FGO_OH6r

獅子心 『……サラディンが、死んだだと？』 #FGO_OH6r

獅子心 『……十字軍の報告か。 　多くの国が関っているからな』 獅子心 『面倒だが目を通さねばならぬ。 　不備があれば』 獅子心 『……何だ、これは』 #FGO_OH6r

獅子心 『……まさか、我と語らった時には、 　既に病に侵されていたというのか？』 獅子心 『それを気取られないように振る舞って』 獅子心 『しかし何故だ……！ 　何故そのようなことを、貴様は！』 #FGO_OH6r

獅子心 『フン、戯言を抜かしおって。 　仏蘭西との連携がうまく取れて居らん癖に』 獅子心 『まあいい。仏蘭西には 　いずれ我も赴く事になる』 獅子心 『その時に帳尻をうまく合わせてやろう』 #FGO_OH6r

失地王 『我々は今を生きているのです！』 失地王 『長命であれ、短命であれ、 　生きているのは今なのです……！』 失地王 『それを蔑ろにするあなたに、 　王を名乗る資格があるものか！』 失地王 『偽物にしているのは……あなただけだ……！』　 #FGO_OH6r

失地王 『いいや、王でさえない』 失地王 『あなたが求めるのは 　永い眼でみた全体の利益と成果のみ』 失地王 『記録をなぞるだけの人形、そこに心などない！』 獅子心 『それの何が悪い！ 　我々は先々の礎となる為の偽物なのだ！』 失地王 『偽物であるものか……！』 #FGO_OH6r

失地王 『……そうですね。 　今の兄上の姿を見ればよく分かる』 獅子心 『……何？』 失地王 『あなたのようにはなりたくないのですよ』 失地王 『生きた屍のような醜態を…… 　あなたは獅子心王と親しまれる王なのに！』 #FGO_OH6r

失地王 『お帰りなさい、リチャード。 　いえ、兄上とでもお呼びしましょうか』 獅子心 『世辞などいい。 　それよりジョン、次の準備だ』 獅子心 『当然、貴様も準備を進めておけ。 　失地王と呼ばれる羽目になるのだ』 獅子心 『下準備を進めれば、苦しみは減るだろう』 #FGO_OH6r

サラディン 『……そうだね。 　確かに我々の関係は歴史再現にあるものだ』 サラディン 『では、十字軍の講和を結べば 　ひとまずはお別れか』 獅子心 『ああ。あとは適当な通神のやり取り位だ』 サラディン 『分かった。では綺麗さっぱり 　後腐れなく片付けるとしようか！』 #FGO_OH6r

獅子心 『所詮は歴史再現上での付き合い。 　つまりは偽物だ。一体何の価値がある』 獅子心 『……あるものか。 　我が扱う聖剣と同じ、ただの紛い物』 獅子心 『ごっこ遊び。ままごとと同じだ』 #FGO_OH6r

サラディン 『リチャード。 　もう少し楽しい顔をしておくれ』 サラディン 『我々は友であるはずだ』 サラディン 『なのにそんな顔をされると 　まるで私がつまらない男のようじゃないか』 獅子心 『……フン、何が友だ』　 #FGO_OH6r

襲名者 「彼が手にするものは、 　すべて王賜剣になる逸話」 襲名者 「それが彼にこう思わせてしまったのです」 襲名者 「すべては偽りだと。 　歴史再現は間違っているのではないかと」 #FGO_OH6r

襲名者 「リチャードⅠ世の襲名は 　そう難しくはありませんでした」 襲名者 「大陸での竜属の協力を得て 　歴史再現の準備を進めて、万端でした」 後輩 「その後は……駄目だったんですか？」 襲名者 「仕事は充分。ただ心の方が問題が出来たんです」 #FGO_OH6r

襲名者 「再び目覚めたのはそれから400年程先のこと」 後輩 「……リチャードさんがその王様なんですか？」 襲名者 「はい。彼は大のアーサー王好きで 　手にするものをなんても王賜剣にしてたんです」 襲名者 「……そう。まるで彼の瓜ふたつのように」 #FGO_OH6r

襲名者 「こうしてレオンハルトは 　ガウェインの襲名者になりました」 襲名者 「聖杯探索での役割を果たした彼は 　聖杯の加護と共に眠りにつきました」 襲名者 「聖剣を司る王となるその時まで」 #FGO_OH6r

ワンサード 『────それもまた、 　王賜剣に選ばれたと言うことだ』 #FGO_OH6r

ワンサード 『一説によるよガウェインは 　王賜剣の使い手と言われている』 ワンサード 『辻褄合わせ故、此度は手にする機会はないが 　果たして、先の時代はどうだろうな？』 獅子心 『我に……ブリテンの王になれと……？』 ワンサード 『その器があるならばな』　 #FGO_OH6r

ワンサード 『傷だ。先程の戦いで負ったものだろう』 ワンサード 『確か円卓騎士にもいたな？ 　ランスロットに頭をかち割られた騎士が』 獅子心 『！？』 ベディヴィア 『まさか、ガウェインをこの者に！？』 ワンサード 『丁度いいだろう？我々も優れた人材は欲しい』 #FGO_OH6r

ワンサード 『世話をかけるなランスロウ』 ランスロウ 『これが自分の形である。 　しかして、この不届者は如何様に』 ワンサード 『うむ。それには少し考えがある。 　その者の頭をよく見るが良い』　 #FGO_OH6r

ワンサード 『いいだろう、と言いたいところだが。 　貴様にその機会を与えることは出来ん』 獅子心 『何……？』 ワンサード 『既に王賜剣はペリノア王との相対にて折られている』 ワンサード 『運が無かったな……これも天命だと思え』 獅子心 『き、貴様ァーーー！』 #FGO_OH6r

獅子心 『知っているぞ、アーサー･ワンサード！ 　貴様は平民であったが王賜剣を抜いて資格を得たと！』 獅子心 『ならば我に王賜剣に挑む機会を！ 　もしも剣が我を見初めたその時には』 獅子心 『我もまたアーサー王の一人の資格あり！』 #FGO_OH6r

獅子心 『アーサー王を分担するのであれば 　我ら竜属がその一役を担ってもよかろう！』 ワンサード 『異なことを。我々が 　竜属の支配域を確立することを認めるとでも？』 獅子心 『その判断をするのはお前達ではない……！』 #FGO_OH6r

襲名者 「しかし人間達の知恵が勝り、竜属は敗北」 襲名者 「何体かは捕虜として捕らえ、 　後に釈放されましたが」 襲名者 「レオンハルトはそれを拒みました。 　そしてアーサー王の一人と接触しました」 #FGO_OH6r

襲名者 「アーサー王の襲名の儀が執り行われようとした時 　竜属はブリテン侵攻を開始しました」 襲名者 「ブリテンの聖譜が収められていた 　ロンディニウムを抑えることで」 襲名者 「ブリテンの同行、 　アーサー王の襲名権を抑えようとしたのです」 #FGO_OH6r