遠からん人は音にも聞け。近からん者は目にも見よ。伊豆国の住人伊東三郎祐親が孫、曽我十郎祐成、同じく五郎時致とて兄弟の者ども、君の館の前にて、親の敵、一家の工藤左衛門尉祐経を討ち取り罷り出づる！ 巻九・十番斬り #曽我物語

「母上、父上はいづこにおいでですか。母上、母上！ 「…父上は、仏さまとなって極楽というところにおいでなのよ。 「ではすぐに極楽とやらいうところに参りましょう！ さぁ行くぞ、箱王！ 一万５歳。亡き父の卒塔婆造立供養の日に。 #曽我物語

「秩父山おろす嵐のはげしさに枝散りはてて葉はいかにせん 五郎時致、生年二十、親は一世と申せども、必ず浄土にて参り会ふべし」（巻七・勘当許す事） #曽我物語

「今日出でてめぐり会はずは小車のこの輪のうちになしと知れ君 祐成、生年廿二、後の世の形見」（巻七・勘当許す事） #曽我物語

御近隣にお住まいの一般の方々へご案内いたします。 建久4年（1193）5月15日より、右大将賴朝様が富士野の御旅館にご滞在なされてます。間もなく大規模な巻狩が開催される予定ですので、不用意に狩場をうろつかないようご注意ください。流れ矢にあたります。繰り返します… #曽我物語

弟時致の幼名「箱王」は、父河津殿が崇敬する箱根権現から一字もらい受けたものであるからして、「ダンボー」的なものは想像しないでいただきたい。 #曽我物語

治承四年（1180）。一万と箱王と呼ばれていた僕らはまだ９つと７つ。九月の名月の夜に空を行く雁を眺めて二人で父の敵を討つことを心に決めたのさ。 #曽我物語

ここに五郎時致は、曽我にて父のために法華経を読み、念誦しけるが、しきりに胸騒ぎしけり。「心得ぬ今の胸騒ぎや。いかさま祐成の大磯へ越し給ひぬるが、東国の武士ども富士野へ打ち出づる折節なり。流れの遊君ゆゑ、事し出だし給ふにや」と心許なく思ひければ… 巻六・五郎大磯へ行きし事 #曽我物語

祐経「ほう。お前が私のことを父の仇だとか言ってる箱王か。私はお前の父の死に関わっていない。そもそもお前ら風情がこの俺様を襲えるとは思えないがな。」 （巻四・箱王、祐経に会ひし事（より超訳）） #曽我物語

「いざやこの事漏れぬ先に、小次郎が細首打ち落とし、九万八千の軍神（いくさがみ）の血祭りにせん！」（巻四・小次郎語らひ得ざる事）…時致のこのセリフにある「九万八千」「軍神」「血祭り」、３語の組み合わせとしてはかなり古い例なんだって。パワーワード過ぎる。流行語大賞ものだ…。 #曽我物語

同じ『#曽我物語』でも、漢文で書かれた真名本と、仮名で書かれた仮名本、そして、真名本を読み下して省略した真名本訓読本という三種類があるらしいぞ。

「兄じゃ！　これ見て。「無垢行縢」だって。 「なになに？　「赤沢山の露ときへし河津三郎が行騰にやと、夢心におもひぬ」…。なんと父上の行縢が妖怪になったか！ 「父上の… さぁ、「むくむかばき」で今すぐ検索！ #曽我物語

「誰です？ 押しかけてきて小袖をよこせと言う者は。十郎にはさっきあげました。京の小次郎や二宮の姉はそんなことは言わないし、禅師法師は越後にいるはず。その昔、箱王という悪者がいましたが、それは勘当してどこへ行ったのだか…。 「その箱王でございます！（泣 巻七・小袖乞いの事 #曽我物語

一番武蔵国大楽平右馬助、二番横山党愛甲三郎、三番駿河国岡部三郎、四番遠江国原小次郎、五番御所黒弥五、六番伊勢国加藤弥太郎、七番駿河国船越八郎、八番信濃国海野小太郎幸氏、九番伊豆国宇田小四郎、十番日向国臼杵八郎…。こいつら、我等兄弟で討ち止めた十人よ。 巻九・十番斬りの事 #曽我物語

敵討ちが野望だと？　笑わせるな。敵討ちは必ず成し遂げるものでもはや予定だ。あえて我々兄弟の野望を言うならば…「トレンド入り」だ！ #曽我物語

#曽我物語 はもちろん曽我兄弟の物語なのだけれど、物語冒頭では源氏の始祖となる惟喬惟仁の位争いを延々と語ってなかなか兄弟が出てきません。けれども、こうして源氏の「超」正統性を語っておくことが、兄弟の物語全体にある種の「呪い」のように関わってくるのでお付き合いくださいお願いします。

五）兄じゃぁぁ！　ついに、ついに母上に許していただきましたぞ。ご勘当を、解いていただきましたぞ～。あ゛ぁ～。お゛ぉ～。ごぉぉ～。 十）時致殿、泣き方が少しヘンじゃぞよ。 #曽我物語

いつか大人になったら父の仇を討ちなさいと幼い兄弟に命じた母は、再婚して新しい家庭ができると仇討ちをやめさせようと…。わからないでもないけれど、兄弟ちょっとかわいそう。 #曽我物語

「殊にはじめの言葉には似ず。思へば恐ろしさに、辞退し給ふか。…獣（けだもの）だにも、分に従ふ心はあるぞとよ。面（おもて）ばかりは人に似て、魂は畜生にてあるものかな！」助太刀を拒んだ与一を罵倒する時致。怒っちゃダメよ。キレちゃダメ。 巻五・三浦与一をたのみし事 #曽我物語

じつは我々、大河ドラマにも出ています。あの伝説の大河『#草燃える』第27～29回。29回のタイトルはズバリ「曽我兄弟」！　1979年7月の放送でした。祐成役に三ツ木清隆、時致役に原康義。頼朝暗殺説に寄せた演出でしたが、石坂浩二演じる頼朝に「孝道の鑑」と片付けられました…。(+。+)　 #曽我物語

兄祐成と大磯の遊女虎とのムフフ♡なシーンもある。 もちろん想像力をフル回転させないといけないけど。 #曽我物語

兄弟の没後40余年にわたってその菩提を弔った十郎祐成の恋人虎御前は、春のある夕暮れ、桜の小枝に十郎の幻影を見て、駆け寄ろうとして倒れ、それ以来次第に衰弱していって64才で世を去ったという。真名本『曽我物語』のこの終わり方が、好き。 #曽我物語

ワタクシ化粧坂下の女、歌います。 「けんかをやめて～　二人をとめて～ 私のため～に争わない～で もうこれ以上～♪ （五郎と源太と喧嘩の事）#曽我物語

仮名本の巻五後半に伝わる時致の悲しい恋のお話。 　　あふと見る夢路にとまる宿もがな 　　　つらきことばにまたも帰らん …富と権力に流された恋人、化粧坂の遊女にあてた別れの一首。しかしこの歌により、十六歳の彼女は出家を遂げてしまう…。罪な男よ、五郎時致。 #曽我物語

兄弟の祖父にあたる伊東祐親は、あの頼朝と八重姫との間に生まれた最初の子、千鶴御前をさらって殺してしまった人物だ。伊豆の狩野川上流に、簀巻きにして沈めたんだって。可哀想に…（巻二）。 そりゃぁ頼朝も恨むわな。 #曽我物語

「かやうの便宜を狙はんためにこそ、年来これへも通ひつれ。砥上原こそよき原なれ。いざや追ひつき、矢ひとつ射ん」とて、弓押し張り、矢かき負ひ、馬に打ち乗り、追ひつき見れば、江間小四郎打ち連れて、五十騎ばかりにて打ち囲み歩ませければ…。（巻四・大磯の虎思ひ初むる事） #曽我物語

「昨日こそあさま（浅間／朝間）は降らめ今日はまたみはらし（三原／見晴らし）給へ夕立の神」梶原源太景季 五「…おやじギャグじゃん。 十「掛詞と言ってあげなされ。 （巻五・三原野の御狩の事） #曽我物語

「夜ならばこうこうとこそ鳴くべきにあさま（朝間／浅間）に走る昼狐かな」愛甲三郎季隆 五「…またおやじギャグじゃん。朝昼夜揃えてイーハンかよ。 十「掛詞からの縁語とでも言ってあげなされ。 （巻五・三原野の御狩の事） #曽我物語

兄弟が敵討ちを遂げた旧暦5月28日といえば、今の暦の6月下旬の梅雨ど真ん中。雨雲が垂れ込めて月も星も見えず、日が落ちたら真っ暗闇になったはず。いわゆる「五月闇（さつきやみ）」。くれぐれも「五月病み」ではないからご注意あれ。 #曽我物語

ピンポンパンポ～ン♪　本日5月26日より～、28日までの～、3日間～、相模国より～、お越しの～、鎌倉殿が～、富士の裾野にて～、盛大な～、巻狩を～、行います。近隣に～、お住まいの～… 五）兄じゃ！　なんか放送しておるぞ。 十）避難訓練？　投票日だっけ？ 五）兄じゃ… #曽我物語

『曽我物語』とは、建久四年（1193）五月二十八日の夜、富士裾野で起こった曽我兄弟による仇討ちの物語である。 #曽我物語

「死したる親（＝父）のみにて、生きたる我（＝母）は親ならずや。」（巻四・小二郎語らひ得ざる事） 兄弟に敵討ちをやめさせようとする母のことば。これはヘヴィだ…。 #曽我物語

兄と弟のたった二人でいらっしゃるから、大勢の敵に取り囲まれ、どんなに切羽詰まっておいでだろうか、今頃はきっと疲れもピークでいらっしゃることだろうと思うと、走り帰って最後の様を見届けて差し上げたいのだが…。 #曽我物語 巻十・鬼王道三郎が曽我へ帰りし事

五「虎と見て射る矢の石に立つものを　などか我が恋の通らざるべき」 十「からかうなよ、五郎～。」 （巻七・李将軍が事）#曽我物語

えたりや、おう！ （巻九・祐経討ちし事）#曽我物語

五郎はいづくにあるぞや。祐成、すでに仁田が手にかかり、空しくなるぞ。…死出の山にて待ち申す。 （巻九・十郎が討ち死にの事）#曽我物語

「これは夢かや現（うつつ）かや。心憂うや。今よりのち、子とも母とも思ふべからず。かりそめにも見えず、音にも聞かざらん方へまどひ行け。何の勇ましさに男にはなりたるぞや。」元服した時致を一目見て、母が言ったことば。キッツいね～。 （巻四・母の勘当かうぶる事）#曽我物語

朝比奈義秀「時致殿、むちゃむちゃ強いですな。」 #曽我物語

曽我兄弟の兄、幼名一万、元服して曽我十郎祐成。弟、幼名箱王、元服して五郎時致。 #曽我物語