それから フィリフヨンカさんのハンモックに 寝そべったまま、 天井に開いている穴から 星を見ていました。 外はどこもかしこも ひっそりしています。 近くを流れている小川と、 夜風の音が、聞こえるだけでした。 #ムーミン谷の仲間たち #しずかなのがすきなヘムレンさん

「いや、だめだ。 ぼくは、こんなことは嫌だぞ。 ぼくはたった今 嫌ですということを、覚えたところなんだ。｣ #ムーミン谷の仲間たち #しずかなのがすきなヘムレンさん

それからヘムレンさんは、 ねむりにつきました。 疲れ切っていましたが 心は満ちたりて。 #ムーミン谷の仲間たち #しずかなのがすきなヘムレンさん

「だけど、それがごく小さい ぼろをきた、汚い子だと あなたは入場券でなくて よそのほうをパチンとやったよね。 だからぼくたち、二度も三度も、 その札を使うことができたんです」 「ぼくは、目があんまりよくないんでね」 #ムーミン谷の仲間たち #しずかなのがすきなヘムレンさん

そして、木の幹の間に落ちている 月の光にさわってみたり、 いちばん美しい木に 抱きついたりしました。 それから葉っぱで花輪をこしらえて、 首のまわりにかけてもみました。 こんなふうで、最初の晩は、ぜんぜん 眠る気にもならなかったのです。 #しずかなのがすきなヘムレンさん

夜になると 大きな星がどっさり出ました。 ヘムレンさんは いよいよこの公園がすきになりました。 それは広くて、神秘な感じがして、 どうかすると道に迷うほどでしたが それでいていかにも 自分の家にいるように くつろぐことができたのです。 #しずかなのがすきなヘムレンさん