#ちょこっと怪談 近所で火事があった。 事件性はなく寝室からの出火だったらしい。 しばらくの間その周囲を歩くと独特の臭気が鼻に付いて少し嫌な気分になったが、同時に可哀想にも思い花を捧げて冥福を祈った。 それから何日か経ちすっかりその事を忘れて過ごしていたのだが、奇妙な事があった。

#ちょこっと怪談 深夜トイレに行きたくなって目が覚めた。 用を足してスッキリして二階にある自室に戻ろうとした時だった。 薄暗い廊下を歩いていると不意に頭頂部に何かが触った感触がして慌てて振り払おうとして首を動かすと天井から見知らぬ女の肩から上が逆さまにぶら下がっていた。

#ちょこっと怪談 家族で観光旅行に行った時の事だ。 広々とした博物館はそれなりに楽しかったが、すぐに飽きてしまった。 ホールの先に開放的な中庭と大きな木を見つけて家族に黙って抜け出した。 大きな木にはポカリとウロが開いており、まるで怪物が口を開いているように見えた。

#ちょこっと怪談 よく晴れた朝の事だった。 いつもの通学路を歩いていると黒い蝙蝠傘を差して歩く人がいた。 最初は日傘かと思ったのだが縁飾りのレースもなく重苦しくベッタリとした黒い傘は雨用に見えた。 晴れてるのに雨傘？不思議に思っていると不意にその人が足を止め振り返った。

#ちょこっと怪談 5年前姉を殺害してしまった。 わざとじゃ無かった。 ただ、私の好きだった人から贈られたという指輪を手に入れたかっただけだった。 白い透き通るような姉の手。 指を切断するのが惜しくなって手首から先を切り落とした。 そのままだと腐ってしまうから防腐処理をするだけじゃなく、

#ちょこっと怪談 仕事帰りに花屋に寄った。 別段目的があった訳ではない。 何かいいものがあればいいな、と思っただけだった。 愛想の良い店員が作業している店内で花を見ていると美しい木蓮が目を引いた。 良いな、と思って手を伸ばすと木蓮の間から白い白魚のような繊手に掴まれた。

#ちょこっと怪談 小さいおじさんって知ってる？ そう。小さい中年のおじさんが部屋とか色んな場所で目撃されるやつ。 でも私が見た奴は違ったわ。 小さい美少年だったのよ！ 丁度手の平サイズの学ラン姿の可愛い子だったわ。 その子がデカい虎猫にしがみ付いてたのよ！ 嘘じゃないわよ。 マジだから！

#フォロワーさんのフォロワーさんと繋がりたいけど上手く自己紹介できないのでプロフとか画像欄とか見て大丈夫そうならいいねください 小説は #汐目町奇譚 #ちょこっと怪談 #創作神話たまご世界 #ハシビロ頁 こちらのタグから読めます

小説投稿サイト『ノベルアップ+』で公開中！ 「ちょこっと怪談」を読んでみませんか？ novelup.plus/story/716714198 #ノベルアッププラス #ちょこっと怪談 299話まで更新しました

#ちょこっと怪談 通勤途中に枯れかけた桜の木があった。 ある春の終わり、季節外れの花が一輪だけ咲いていた。 「綺麗だなぁ」 駅の近くの道を行く人達は忙しそうに往来して誰も桜に気付いていなかった。 だから余計に貴重なものを見つけたようで嬉しくてそう呟いていた。

#ちょこっと怪談 転職を機に引越しをした。 安い2階建てのアパートの一階の角部屋。 外観はボロっちいが中は意外と新しく整えられていたし、エアコンも完備されていたのが決め手になった。 引っ越してして3日程経った深夜の事だった。 ドンっと床下から突き上げる振動と音で目が覚めた。

#ちょこっと怪談 春に大学を卒業し、就職した職場の先輩と最近いい雰囲気だ。 仕事帰りに一緒に食事をしたりと順調でこのままいけばお付き合いするのかな？とドキドキしていた。 だけど、最近おかしな事が周りで起こっている。 女子トイレや更衣室、エレベーターで女が出るのだ。

#ちょこっと怪談 幽霊が見てみたいと思ってネットで色々と調べていると霊感が高まる方法を見つけた。 夜寝る前に鏡に向かって1日あったことを語る、というものでとりあえずやってみることにした。 最初はつまらないと思っていたがだんだんに自分の気持ちが整理されるようになって楽しくなっていった。

#ちょこっと怪談 家の庭に西瓜が出来た。 去年の夏に庭先でバーベキューをした際に西瓜も食べたからその時のものだろうと思った。 しばらく経った孟夏のある日。 不意にあの西瓜はもう食べれるんだろうか？と思い立ち、庭先に出た。 鬱蒼と雑草が多い茂る中で丸々と太った西瓜を収穫し冷蔵庫に入れた。

#ちょこっと怪談 彼女に振られた。 28にもなるのにバイトと遊び三昧なのが無理と言われた。 悲しくて公園のベンチに座り込んでコンビニで買ったビールを飲んで一人愚痴っていると綺麗な三毛猫が隣で香箱のポーズでまったりとしていた。

#ちょこっと怪談 草刈りをしている時に蛇の卵を潰してしまった。 夏の熱気に生臭い生命が終わる香りが立ち込め混ざり合った。 申し訳なさと気味の悪さに思わず後退ると草の奥から1匹のアオダイジョウがこちらを睨んでいるのが見えた。 罪を突き付けられたように感じて思わず持っていた鎌を投げ付けた。

#ちょこっと怪談 ここ最近ずっと残業続きでクタクタだった。 どうしようもなく疲れ果てて、でも家にも帰りたくなくて。 逃避のように乗った電車の終着駅にあった水族館のポスターに心惹かれて導かれるように訪れた。 閉館前の水族館はガランとしていて水の循環する音が静かに響いていた。

#ちょこっと怪談 「実は私、かぐや姫の同月産まれなんだ」 「なんて？」 酒を飲んでいる時に同僚が言った。 酔っているのか？と思ったが同僚はザルとかうわばみと呼ばれるタイプで酔った様子はない。 「嘘じゃない。本当だってば」 「いやいやいや」 冗談だろと笑って聞き流していたのがよく無かった。

#ちょこっと怪談 初めて出来た恋人と指切りをした。 「浮気しないでね？嘘を吐かないでね？絶対よ」 真剣な彼女が可愛かった。 だけど次第に心配症で独占欲の強い彼女にうんざりするようになり逃げたい一心でつい嘘を言ってしまった。 「他に好きな人が出来た」 彼女は散々泣いたけどもう限界だった。

#ちょこっと怪談 同僚と残業をしていた時のことだ。 後輩が数字入力の桁数を間違えてくれたお陰で久しぶりに終電コースかな。と思いながらパソコンを打っていると横のデスクで同じく作業する同僚を見てふと気付いた。 ——瞬き、してない。 同僚は全く一瞬も瞬きせず作業をしていた。

#ちょこっと怪談 「すみません」 pic.twitter.com/welN8hGml2

#ちょこっと怪談 狐の窓、というおまじないを知った。 本当に見えるなんて思っていなかったけど、面白半分に休み時間にやってみた。 町中にいろんな淡い色の光体が踊り、歩く人々は様々な化け物だった。 思わず怖くなって顔を覆って逃げ出してめちゃくちゃに走った。 気付けば人気の少ない公園にいた。

#ちょこっと怪談 真夜中に馬の嘶きが響いた。 それは10代の青春を過ごしたドイツで毎日聴いていた声だった。 「キルシェ……？」 夢うつつでベッドから起き上がり庭先へ導かれるように進むとそこには確かに美しい白馬がいた。 「会いに来てくれたの？」 軽やかに嘶く愛馬の首を抱くと髪を喰まれた。

小説投稿サイト『ノベルアップ+』で公開中！ 「ちょこっと怪談」を読んでみませんか？ novelup.plus/story/716714198 #ノベルアッププラス 284話まで投稿しました！ #ちょこっと怪談

#ちょこっと怪談 友達から動画が送られてきた。 メッセージには「面白いから見て！」とあった。 暇潰しにちょうど良いと思って動画を再生すると真っ暗なザラザラとしたノイズがスマホに映し出された。 悪戯かよ、と呆れながら何の気なしに見つめていると画面の中央に大きなノイズがあるのが分かった。

#ちょこっと怪談 こつりこつり トンネルの写真を撮りたいと言った息子と二人で出掛けた。 車を入り口に置いてトンネルの内部を進んだ。 薄ぼんやりとした視界の中息子のシルエットが異形の怪物に見えて慌てて首を振る。 こつりこつり 終わらないトンネル。 ゆらゆら揺れる息子のシルエット。 こつり

#ちょこっと怪談 ① 最近部屋が変だ。 買ったばかりの雑誌がテーブルの上からベッドサイドに移動していたり、エアコンのリモコンの向きが変わっていたり、昨日まであった牛乳が多く目減りしていたり……。 何かがおかしいと恐怖感を感じた私は部屋から出た振りをしてベランダから部屋に戻り待機した。

#ちょこっと怪談 ある神は奉納された数々の絵馬を見て困惑していた。 炎上を鎮めてください。 どれも揃ってそう書いてある。 確かに自分は火伏せの神である。 「ネットの炎上を鎮める、とは……」 頑張ったらどうにかなったが余計に評判を呼び日々炎上を鎮める羽目になるのだった。 「現代版火伏せ」

#ちょこっと怪談 コンコン、と部屋のドアが叩かれた。 家族かな？と思って「なに〜？」と声を上げると又コンコン、と叩かれる。 休日でゴロゴロしていたのにあまりのしつこさに渋々起き上がってドアを開けようとして不意に気付いた。 家族は全員出掛けている事に。

#ちょこっと怪談 部屋の中で蝉の声がする。 夜になると耳をつんざくような大合奏が聴こえるのだ。 一体どこから聴こえるのだろうと夜毎部屋を探していると本棚の方から声がする。 一番真下の段、大きな百科事典。 そこから聴こえる。 恐る恐る百科事典を開いて「うわ！」と声を上げてしまった。

#ちょこっと怪談 心霊写真を撮ってしまう友人が猫カフェに行って来たと言って写真を見せてくれた。 所々に光る球体とか人間のパーツとかが写り込んでいる他は可愛い猫達がいっぱいで眼福だった。 その中で一枚気になるものがあった。 白い猫が肩に乗り満面の笑みを浮かべる友人の自撮り写真。