夏海と夕暮れの街を歩く。リクエストに応えてゲームセンターに行くと、プリントシールのコーナーへ駆け込んでこちらを手招き。断る理由はないので、誘われるままカーテンの先へ。 「…ちょっと遠くない？とりゃ！」 ネクタイを引っぱられて顔が近づく。ほぼゼロ距離になった瞬間、フラッシュが瞬いた。 pic.x.com/7I9iq9dsLc

「えーっ！何これ何これ！？」 目を丸くさせる夏海。その瞳に映るのは、大きな骨がついたこれまた大きな肉…いわゆる“まんが肉”だ。 いっただっきま〜す！と盛大にガブリ。幸せそうな笑顔に、こっちまでお腹いっぱいになりそう。 「えへへ…最高のプレゼントだよ！ありがとね、つばさ」 …う、うん。 pic.x.com/DRHZX2WBdt

「似合う？似合う？」 うん、似合うよ…って、この会話もう8回目だよ？ 「えー？いいじゃない。せっかくプレゼントしてくれたんだもん」 はしゃぐ夏海の右手首にはシトリンのブレスレット。 「ねぇつばさ、これが映える服のコーデ教えて！」 ──次の休み、それ着てプロデューサーと遊びに行くから！ pic.x.com/Dg3DB6Jku0

プレゼントしてもらうの選ぶから一日付き合って、って… 「片っ端からお店見て行くからね〜」 じゃあ、まずはこっちのブティックからね。 「あの…つばさ？すっごいフリフリばっかりで似合わなそうなんだけど…」 ふっふっふ…着せ替え人形にしてあげるから覚悟しなさい、夏海？ 「しまったーっ！」 pic.x.com/nIRjlU0XYm

「これ見てこれ！」 授業が終わるなり夏海に引っ張られた先、クレーンゲームの中には…大きな肉のぬいぐるみ？ 「今日ボク誕生日でしょ？だからコレ取ってくれないかな？」 ううむ、取れない場所じゃなさそうだけど… 「ね、お願い！プロデューサー！」 そうまでおねだりされたら頑張らないと、かな。 pic.x.com/ifDCF3cJ3C

「よかった…ちゃんとお肉だ…」 パーティーに並ぶ料理を一口かじって安堵のため息を漏らす夏海である。 「…それはどうかな？」 と、つばさが決闘者の眼光で。 「この中に５品！お肉に偽装した豆腐料理があります！見抜くことができたら…」 「で、できたら…？」 「A5ランク焼いてあげる」 「！！」 pic.x.com/nI3cjdJd51

「野々香からなんか甘い匂いがするデス！」 抱き付いたいずみが鼻を鳴らす。 「プレゼントでもらったシャンプーを使ってみたの。バニラの香りなのよ」 「わ、ほんと！」 「美味しそうな匂い～」 みさきと朱音も次々と引っ付いて香りを堪能する。 「…あう」 出遅れたフラニーが所在なく手を揺らした。 pic.x.com/4readochuz

誕生日おめでとう、と渡されたのは一冊の台本。子供向け番組みたいだけど…あ、この配役って？ 「野々香、ずっと着ぐるみの仕事やりたがってただろう？」 レギュラーとまではいかなかったけどさ…と申し訳なさそうに言うプロデューサーに、わたしは首を横に振って、嬉し涙を拭う。 ──うれしいです！ pic.x.com/kmbbbs4e6p

野々香のお願いに応えて、彼女の誕生日ケーキを作ってる…のだけど。 「スポンジも冷めましたね。次はデコレーションですよ〜」 なんで主賓が手伝ってるの…？ 「〜♪」 まぁ、楽しそうだからいいけど。 「出来上がったら、あ〜んってしてくださいね〜？」 練習します？とリンゴのコンポートを口元に。 pic.x.com/zmfpitvjzr

「早く帰ってケーキ焼こうと思ってたんですけど…」 フラニーが『今日はゆっくり帰ってきて』だってさ。 「ふふ、それじゃ夜までしっかりエスコートしてくださいね？」 おっと責任重大。どこ行く？ 「じゃあ…あっち！」 ゲーセン？ 「せっかくなので…プリントシールでツーショット、お願いします♪」 pic.x.com/1adz4297qd

帰ってきた野々香を、クッキーパラダイスのガトーショコラとフラニーのプレゼントが出迎える。 「わぁ…わぁ〜っ！」 感極まりすぎて言葉もでないようだ。 「…こほんっ」 少し落ち着いて、深呼吸してみんなを手招き。 「えーいっ！」 集まったところをまとめてハグして。 ──みんな、だ〜い好きっ！ pic.x.com/6xk8atjxm5

「野々香のメイクって、フラニーがプレゼントしたの？うわぁかわいー！」 「えへへ～でしょ？でしょ？」 珍しいはしゃぎ方をする友人にほっこりする秋葉である。 「でもなんでフラニーも同じメイクしてるの？」 「同じセットでメイクしあいっこしたの！お揃い♪」 後ろで幼馴染が大いに赤面していた。 pic.x.com/pe4vt5qose