休日の夕陽は段々寂しくなる。 平日の夕陽はやっとやってきたと思う。 なんだ、この違いは？ ずっと変わらないと思う。 #休日と平日の夕陽 #一口エッセイ

4号線を都内へ戻っていると、夕焼け空がいつの間にか暗くなっている。 幹線道路沿いは、夕飯を食べて行かないかとチェーン店のネオンが次々に照らしている。 昼間は気付かなかったが、食事処だらけだった。 連休中日を楽しむため、多くの人が吸い込まれていく。 #吸い込まれる4号線 #一口エッセイ

郊外のスーパー銭湯は田んぼの真ん中や、それが新興住宅に変わった辺りにできてることが多い。 儲かるようにここらでも掘ってみっかと偉い人が決断してみたら、運よく温泉出たことが全国あちこちで起きてる気がする。 住宅のベランダを見ながら、湯に浸かる。 #新興住宅にスーパー銭湯 #一口エッセイ

人ばかりのスーパー銭湯に浸かる。目を閉じるとそこは一瞬貸切露天風呂になる。 出てから、順番待ちをして得た席でカツ重を食べる。昼からだらりとした分、脂っこいのが美味いのだ。 汁だく及び生卵寄りの玉子とじが食欲をかき立てる。 玉子とじは飲み物と気付く。 #玉子とじは飲み物 #一口エッセイ pic.x.com/ZeRW8Yjke2

三連休中日のクリーニング店は店員さんが一人で受付をしていた。 何だか目を伏せがちで元気がない。みんな三連休の特別を過ごしているから、いたたまれない。 自営業や曜日関係ない仕事の人は大変。僕はなかなか気持ちが付いてかない。 別日に三連休があるといいな。 #三連休中日出勤 #一口エッセイ

夕立の中ショッピングセンターへ降り立つ。 そこはもう間もなく改装のため、売り尽くしセールをしてるらしい。 定価より安いと思うと、興奮してきた。 だが、ワゴンの中はお世辞にも欲しいものはなかった。 安さに釣られて自分を騙して買うと、大抵ろくなことないな。 #安売りセール #一口エッセイ

子供がコンビニでくじを引き当てて喜んでいる。くじ運がよくて、いい賞のようだ。 何だか少し悔しい。 くじ運は昔から悪い方だったから、今はおみくじまでも敬遠しているから。 きっともらったフィギュアではなくて、くじ運が目の前でひらひらしてるのが悔しいのだ。 #くじ運ひらひら #一口エッセイ

生憎、霧雨が朝から降り続いている。 クリーニングから戻ると、自宅前に宅配便の車が停まり、作業服の二人が話している。 一方、お向かいさんが車を出そうとしているが、二人は気付かない。 雨は視界も聞こえる音も悪くする。 それにしても、雨の日こそ立て込むな。 #立て込む雨の日 #一口エッセイ

洗濯機の予約ボタンを押し、8時間後を設定する。 このタイマー機能が僕は信用できない。あまりにも先のこと過ぎて。 でも、柔軟剤を入れ、その時を祈る。 柔軟剤のフタで液体を計量してる姿が、カクテルを作るヘッポコみたく見えたから、どうでもよくなった。 #ヘッポコバーテンダー #一口エッセイ

夕方の空腹はどのようにごまかすか、いつも困ってしまう。 食べるのであれば大盛りにしたい。だが、晩御飯も食べるので困る。 選んだ肉汁うどん大盛り。やってしまった…。 後は晩御飯までに何とか消化できるよう、我関せずの自分の胃腸を信じるばかりだ。 #自分の胃腸を信じるばかり #一口エッセイ pic.x.com/OlHdLfVvpQ

平日夕方のSAは空いている。 いくつもあるテーブルにまばらな客。 見ていると、こんなにテーブルがあるのに、決まって同じところに人が座る。 アジフライは同じだが、5分後には違う人が食べている。なんて偶然！ 選択肢は沢山あっても、選ぶ能力は限られている。 #限られた選ぶ能力 #一口エッセイ pic.x.com/vpuIW6crAi

アポイントなしで訪ねるなんて、子供の時以来か。 スマホがない昭和時代は、突然押しかけるなんて日常茶飯事。何て大らかな時代だったのだ。 15年振りに会った人生の先輩。突然の訪問でも嫌な顔一つせず、優しく語りかけてくれた。 歳をとった時にはそんな人になりたい。 #突然の訪問 #一口エッセイ

高速道路は低速車のせいで渋滞している。それを追い抜き、走行車線へ戻る。 サイドミラーで後ろの渋滞の列を見ると、ICで低速車が降り、次々と苛ついた車たちが速度を上げ始める。 レースの始まりを予感させる。 僕もそのレースに巻き込まれ、低速車の一部と化す。 #レースの始まり #一口エッセイ pic.x.com/iotLPLj4JF

ベランダで洗濯物を干していると、お向かいがうちを見ながら、「すごいなー」とつぶやいているのが聞こえた。 その後、三階の僕を一瞥し、家に戻って行った。 何が「すごい」か分からない。上からは何も見えないし。 それからというもの、想像力がすごいを掻き立ててる。 #何のすごい #一口エッセイ

歯を磨いていると、もうすぐ洗濯機が終了しそうな気がする。ドラムの回転が少しずつ緩やかになってく。 このまま止まらないで！今干したくないから！ ドラムの回転がまた速まるのを地球一願っている。 だが、そんな曖昧なことは機械が許してくれない。ばっちり終了した。 #頼む洗濯機 #一口エッセイ

バスの中で疲れて居眠りしていた。 移動しながらの居眠りはとても気持ちが良い。 運転してると、道路の凸凹が気になってくる。だが、寝ているととても心地良い響きになる。 嫌なことも考え方次第ってことか。 隣の人が降りるために起こされるまで、意識を失っていた。 #移動式居眠り #一口エッセイ

電話、SNSなど、スマホで誰かとすぐにつながれる時代。 なのに、その一タッチは昔からすごく難しい。 好きな相手や好きだった相手、謝罪しないといけない相手にはなかなか電話できるものではない。 便利になったに、気持ち面ではなかなか変わってない。夜が過ぎる。 #スマホ一タッチ #一口エッセイ

気張る行為は危険だ。頭に血が集中し、その瞬間ぼんやりしてきた。そりゃ、倒れる人もいるわ。 人間は力むくらいでどうにかなる脆い存在。 子供なら気にせず力めたけど、いい大人は血管の欠陥も多そうだし、ごまかしながら生きるしかない。体の不調に気付くのはショック。 #血管の欠陥 #一口エッセイ

濡れた傘の扱い方は本当に人それぞれである。 濡れた傘をティッシュで拭き取る人タイプ。 僕は何もしない、いつか乾くぞタイプ。 遠慮なしに床に広げて乾かすタイプ。 やり方に人柄が出てくる。 傘も使う人を選びたいと思うかも知れない。 休日に庭で干すと、傘も喜ぶ。 #傘の扱い #一口エッセイ

知らない人の前で話すと、同じ語尾を何回も繰り返し使っていることに気付いても止められない。 今日は「大事だと思う」を連発した。 多分口当たりがすごくいいのだろう。緊張すると、何度も使ってしまう。 このままでは話すこと全部が大事なことになってしまう！ #どれが一番大事 #一口エッセイ

雨の中、バスは遅れて混んでいる。 二人座席のうち、通路側に座ると落ち着かない。 いつ何時窓側の人が降りようとするのか、ぼんやりしながらも気を張っている。居眠りしてると、降りたい威圧に突っつかれる。 逆に、通路側は気楽なもんだ。 僕はいつも窓際を狙う。 #バス窓際社員 #一口エッセイ

世は若手に厳しい。 甘いとか、やっていけないとかすぐに文句を付けたがる。働いて数日で烙印を押す。 そんな見る目はあるのか。育てられていない自分のせいは感じてないのか。 ただ、冷たく当たるだけ。 少子化だと騒ぐけど、現場では常に逆なことしてるなと思う。 #厳しい社会人 #一口エッセイ

雨も降る朝はひどく寒かった。 そんな時アラームが鳴っても、毛布の中の自分はなかなか現実世界に出てこれない。 何故肌寒い世界へ出る必要があるのかと疑問すら浮かんでくる。 毛布はシェルターだ。 これに勝るものはない。後、他は知らないという気持ちを募集中。 #毛布シェルター #一口エッセイ

なんでそんなところ？というとこを蚊に刺されたり、ニキビができる時がある。 今日は足の付け根の内腿にニキビ。 帰って風呂に入る時に気が付く。いつの間にやられたんだ？ 特に痒くもないし、パンツを脱ぐこともなかったから発見が遅れた。 世は生存競争である。 #パンツを脱ぐまで #一口エッセイ

段々雨が強くなってきた。 路地から合羽を着た人の乗る自転車が出てくる。 どんな高価な合羽でも、顔には何も対処なくびしょ濡れだ。 傘差し運転がなくならない訳だ。 前を見るため、顔は濡れても仕方ない。 こんな進化しても、まだ笠地蔵辺りから変わってないの笑う。 #合羽の運命 #一口エッセイ

雨が降る夜は、バス停の混雑が激しい。 いつもと違う形で行列ができている。これがどの乗り場に続くのかは分からない。 博打気分で並ぶ。 後ろに並ぶ人に行き先を聞かれるが、「恐らく」としか答えられない。 これで違う乗り場なら、カンニング失敗ということだ。 #カンニング失敗 #一口エッセイ

早朝から電線に鳩が留まっている。上からフンが落ちてきたら嫌だなと少し距離を取る。 下ばかり見てるとフンの跡があり、上を見上げる。だが、そこには鳩はいない。 何を気にしてんだ？と思いながら歩く。 失敗したことばかり思い出すと、前に踏み出せないから止める。 #前に踏み出す #一口エッセイ

いつも生き生きしてる人が体調不良からか、昼休み机に突っ伏していた。 周りをシャットアウトする姿は見てられない。 人間誰しも普段無理して表情を作り、やりとりしてるのだと思う。それを普通だと思い込む。 毎日座って顔を上げてることってすごいことだよね？ #閉店ガラガラしたい #一口エッセイ

急に呼び止められ、相談事を受けた。相談しやすい顔を僕はしているのかも知れない。 学生の時相談事は自分の意見を無責任に言っていた。 だが、大人になると責任が求められ、気軽に話すのを嫌がる輩もいてどうも疲れる。 大人になって口数は減った。多分不幸せが増えた。 #口数が減る #一口エッセイ

小雨の早朝、自宅近くでフードを被り、前屈みの男が歩いてくる。顔は見えない。 どこかで見たことある気がする。 すると、向かいの家の門を開けた。 お向かいさんだ！ 顔は見えなくても、人は何故か勘づくことができる。 頭は常に知り合い照合してるのかも知れない。 #知り合い照合 #一口エッセイ

ネット注文ばかりで、靴屋に行くのは久し振りだった。 小さな店内には在庫も合わせて千足はあるのだろう。履き手を待ち続ける靴が、売場に整然と並ぶ。 売り場を見ていたら、いくつもの靴が口を開ける形に何だか怖くなった。 靴は黙って何か主張してる気がする。 #履き手を待ち続ける #一口エッセイ pic.x.com/KUrGRAoxuB

牛丼屋チェーンが運営する注文型寿司店に入った。 寿司は一貫から注文可能で、注文ごとにベルトコンベアで運ぶ。 だが、みんなが一貫ずつ注文するから、注文がなかなか運ばれてこない。 寿司二貫が標準な理由に今更ながら気付く。世の中、色んなことに理由はある。 #時間稼ぎ寿司二貫 #一口エッセイ pic.x.com/LRPtCemQaf

昨日まで大声が流れてた街も今日は静かだ。 どんな騒いでも人の頑張りは周りに伝わらない。横でずっと見てる訳ではないから。 それに頑張る振りしてる人の打算も加わって、誰も素直に受け取らなくなった。押し売り。 ただ期日が押し寄せ、結果が無理矢理出てるだけ。 #頑張り押し売り #一口エッセイ

対向一車線を走ると、こちら法廷速度なのに後続車がみんな苛ついてるのが、サイドミラーで分かる。 まれに車線が増える地点で、正義の味方っぽく加速してくる車を見る。格好いい？ だが、それはただの我慢できない人で、ヤバい速度で通過する。 気の短さ選手権だ。 #気の短さ選手権 #一口エッセイ

旅先では店員さんに生活感を感じないことに気付いた。 今日は館山のコンビニバイトの女の子たちが家に帰る気がしなかった。 自宅近くは生活感に溢れている。 だが、旅先は生活を感じないよう自分で蓋をする。 とは言えSAのインフォメーションは19時丁度に電気が消えた。 #旅先生活感 #一口エッセイ pic.x.com/i419Kx2aqi

昨日 #孤独のグルメ を観たからか、何だか無性に揚げ物が食べたくなった。 ミックスフライ定食は、刺身と違ってホクホクしてまた美味しい。 ポテトサラダが柔らかく、館内着を子供のように汚す。白くなった紺地。 大人になっても、箸を口に運ぶ時は勝負な気がする。 #箸を口に運ぶ時 #一口エッセイ pic.x.com/cMNyL0L82K

ふらふらと房総方面へ車を走らせる。 みんな同じことを考えているのか、高速道路は混み始めている。 行く場所は同じでも良い。出会うもの、怒る出来事は細かく違う。退屈しない。 人間は毎回同じと大きく捉えがちなので、細部にこだわると、人生はまた違う気がする #行く場所は同じ #一口エッセイ pic.x.com/UbxqtONgTM

これまで行列のラーメン屋が、今夜は空いていた。店員も一人だけ。 よく見ると、端の席は壊れたまま。壁紙は剥がれてきている。 栄枯盛衰を感じる。 みんな色んな影響を受けて、上がったり下がったり。 だけど、何が原因かは絡み合って本人にはなかなか分からない。 #栄枯盛衰の原因 #一口エッセイ

うちとお隣さんで共用しているゴミネット。 いつもそれをどちらがたたむかが、卓球のラリーのようだ。 今回たたんだんだから、次はそっちだ！という無言のラリーが開催されている。 何回か連続でたたんでリードを取ると、向こうも連続たたみかけてくる。 永久に続く。 #お節介ラリー #一口エッセイ