#一日一冊　『知っておきたい日本の仏教』武光　誠 この本は仏教は紀元前6世紀に釈尊によって生まれ6世紀に日本に伝わった。南都六宗は貴族や国の長に気に入られたがそれを堕落とした最澄は比叡山に天台宗を開いた。しかしそれも密教という形で当時の貴族に現世利益として利用されることとなった。

#一日一冊　『初めての言語学』　黒田龍之助 言語学は扱う類型の複雑さや学者ごとのスタンスの相違から混乱を招きやすい学問であり、言語学の歴史は反発と妥協の歴史と言ってもいい。多様性という話題において人は原理的に衝突しやすい。それを扱う言語学は「普遍性」を超克する意思となる。

#一日一冊　『神の民俗誌』　宮田登 本書は民俗的に執行されてきた神についてその人間による解釈の変遷を述べた書である。昔から子供を産むことは生と死、そして男女の性がかかわる大事であり、その重大さを広める口実として穢れや産神といった概念が駆り出されていたのだろうか。

#一日一冊　『箱男』　安部公房 箱の内側の雑誌の切り抜き、懐中電灯、手鏡そしてノートが箱男にとっての「世界」であり、箱の穴越しに映る世界は彼らにとって全て被観測者である。この関係が崩れた時、箱男は世界に自らを発見し、見られる側となった自分を発見する。

#一日一冊　『正しいパンツのたたみ方』　南野忠晴 本書は家庭科教師である著者が生徒とのポップなやりとりを交えつつ、教科としての家庭科の役割や重要性を説く、語りかけるような文体の書である。家庭科教育の本懐は自立であり、それには自分なりの「いいこと」を積み重ねることが肝要である。

#一日一冊　『社会学入門』見田宗介 社会学とは関係としての人間の学である。本書では近現代の社会の変遷を記しつつ、その社会の触れられ方を自らの経験と当時の文学を援用して述べている。理想・夢・虚構の時代を抜けて、現代の我々は様々な文明が重層的になっている世界を共時的に生き続けている。

#一日一冊『アサーティブコミュニケーション』戸田久実 アサーティブコミュニケーションとは集団で生きていく上で必須のスキルである。アサーティブである時、人は自分と相手の感情を尊重し、その結果として自分の意見を明示できる。ここを目指すには、思い込みを排除することが重要である。