#読書 #三代実録 今日読んだ分は三九〇頁。 ・天皇は豊楽殿で即位された。〔大極殿は未だ作り終えておらず、故に豊楽殿を用いたと云々〕。詔して曰く「明神と大八洲国をお治めになる天皇の詔の主旨を仰せになる。親王・諸王・諸臣・百官人等と天下の公民は衆く聞くようにと仰せになる。（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八九頁。 ・諸衛は解厳し、三関の警を廃した。これより先、十一月二十八日太上天皇が将に位を今上に譲られて内外の警を厳にし、以って非常に備え、使いを発して左右馬寮・左右兵庫及び諸国の要害の関を護らせていた。 この日、遣した使い喚び還した。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八八頁。 ・右大臣が重ねて抗表して言し、藤原山陰を至らせて勅旨を伝え奉った。「私は請いを抑えて止め、愚にも真心が聖懐に背くとは知らず、更に微かな誠を天聴が逸されたと疑いました。私の位は貴く官は重く、これは全て陛下の殊の恩で、禄は厚く封は高く（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八七頁。 ・天皇のご本名は貞明で、先太上天皇〔清和〕の第一子である。母は皇太后〔高子〕で、贈太政大臣正一位藤原朝臣長良の女であり、后の兄は右大臣藤原朝臣基経。初夢で后は庭中に露臥し、腹は脹れ満ちて苦しみ、この頃に腹が潰れ気が昇り天に属いた。（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八四・五頁。 十一月二十八日。天皇に譲位の意が有る故に、外宮に出て居られる。使いを遣して内外の要害の処を守らるに以って不慮を戒めた。（後略） 二十九日。皇太子は東宮から出られて牛車に駕し染殿院を詣でられた。 この日、天皇は皇太子に譲位された。（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八三頁。 ・地震があった。 近江国が申すには「大極殿の材木九千八百余を村で採進し、百姓が運輸しますのに綱領に人がおりません。お願い致しますには、三宮及び諸封家の庸租米は各使いを大津院に遣してこれを受ける事です」と。太政官の処分は要請に依った。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八二頁。 ・賀茂斎儀子内親王は病が劇しくなったと称して状を修め斎を停める事を請いた。詞旨は懇切で、詔してこれを許された。参議正四位下行勘解由長官兼式部大甫近江守菅原朝臣是善を遣して社頭に向せて事の由を申謝させた。斎院の司は官を休み各々家に帰った。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八一頁。 ・坂上貞守が卒した。貞守は右京の人で、鷹主の子だった。武事を好んで弓馬に熟錬し、進趣の志はなく、簡静を以って自ら守った。（中略）貞守は善く鷹馬を見、凡てその説く所の駑馬と駿馬の骨及び所生の地はすべて相違がなかった。卒した時の年は七十二。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三八〇頁。 ・午後三時頃、東山の下に五色の雲が見え、傍山根を南北に亘った。形は虹の様で虹ではなく、広さは一丈五尺ばかり、長さは四五丈ばかりで、午後三時半頃に及ぶ頃にやや上り、嶺に至って消え散った。『天文要録祥瑞図』には（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七九頁。 ・（前略） 源舒が奇しい鳥一羽を獲って献った。その大きさ及び体は鴨の様で、羽毛・觜・脚・背は赤だった。勅して北山に放した。 ・五僧を八省院の含章堂に招き、転経する故は、将に大極殿を作る事を始めるに以るのである。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七八頁。 ・山城・丹波の両国司が申請するには「国司の公廨を割き、一分を許して検非違使に給います。但し調庸が未進で欠負に未納が有る年は国司が例に准えて勘補します」と。これに従われた。 ・加賀国の国掌二員に把笏させ、入色の者を以ってこれとした。

#読書 #三代実録 昨日読んだ分は三七七頁。 ・庶人伴中庸が大造罪を犯して隠伎国に配流された。中庸は男禅師麿の元孫で、叔孫は三人おり、その禅師麿は年十二歳で身は京師に在り、詔して配所に遣した。元孫・叔孫の二人は父に隨って配所におり、京師に召し還した。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七五頁。 ・正四位下源朝臣寛が卒した。寛は嵯峨太上天皇の子だった。天皇は叡哲で多くに通じ、雅な文章を好まれて才を愛し士を重じた。情が飢え渇く様に寛は幼少から学に耽り視てその才能を展げさせた。その博を渉り観て学ぼうとし、研精して倦まなかった。（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七四頁。 ・左右近衛左右兵衛等の才能と勇気がある者を分け遣して官馬に騎し、東西京中を毎夜巡行させ、非常を伺い視させた。 ・勅して、木工権大允外従五位下惟良宿祢安宗・木工外従五位下日置造縄主等を遣して、紀伊国に向わせて大極殿の材木を採る山を占った。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七三頁。 ・（前略）この夜の午前零時頃、大極殿で火災があり、延びて小安殿の蒼竜・白虎の両樓・延休堂及び北門・北東西の三面の廊百余間を焼いた。火は数日たっても消えなかった。 ・安倍房上・笠弘興を追って禁じた。放火した疑いに以るのである。 （後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七二頁。 ・内蔵寮の御服倉院の松の樹に烏の巣があり、烏一番が棲み宿った。毎年五六羽が生れ、今春は旧い巣を修理し子育てしようとすると、鵄一番がきて烏の巣を奪い棲み留まり、雛を生んだ。烏と鵄が相闘い、十日経っても終わらず、遂に鵄が戦い勝ったのだろうか。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七一頁。 ・参議大宰権帥従三位在原朝臣行平が二事を起請した。その一事。壱伎嶋の水田一百町を営んで対馬嶋の年粮に充てる様に要請して曰すには「文簿を検じると、六国は一年に対馬嶋が漕運する所の年粮穀は二千斗、運賃並びに雑用の穀穎は三万四千五十束。（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三七〇頁。 ・「越前国坂井郡の人、従八位上物部恒継男貞守は丹生郡人物部富主の位蔭を詐って貪り、挙位子を貢いで課役を除けました」と、国司が申請して「律に依り罪に科し、還って本色に着けたいと思います」と。太政官の処分は要請に依った。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六八・九頁。 ・日の色は赤く変り、西京三條では霧が降りてかすみ、往還する人はその形が分からないほどだった。しばらくして晴れ、日の色は常に復した。 ・（前略）参議民部卿正四位下兼行伊予守藤原朝臣冬緒に従三位を授けた〔云々。五十五人〕。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六七頁。 ・（前略）庶人伴善男の沒官地一町は右京二條四坊にあり、勅して天安寺に施し、墾田八十町四・庄家六の処は伊勢国にあり、永く京城・道橋を造る料に充てた。 この夜に月蝕があった。 ・勅して、伊勢国の去年田租を八分免じた。風水の災害があったのである。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六六頁。 ・但馬国の節婦、美含郡の人、日置部小手子に位二階を叙した。小手子は年十六で権大領外従八位上部良氏に嫁ぎ、年二十九で夫を亡くし、節を守り他家に移らず再婚する意志がなかった。晩年に至るに及び志を弥固くして郷里の人々は感心した。故に美を褒めた。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六五頁。 ・神祗伯従四位下兼行美濃権守藤原朝臣良近が卒した。良近は大宰員外帥正三位吉野の第四子であった。容儀に観るべきものがあり、風望は清美で学術が無いとはいえ政理に以り推し見えた。天安二年に起家刑部大丞となり、十一月に遷って式部少丞となり（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六四頁。 ・午前四時頃、微かな雷と細い雨が降り、すぐに晴れた。午後二時頃には雷が数度鳴って雨が降った。但し京城の外には塵を湿らすには至らなかった。 ・午後四時頃、雷電と小雨になり、しばらくして天が晴れた。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六三頁。 ・（前略）この日、夜毎に鼠の跡が一万の数どころではなく両京路に満ち、或いは北から南へ向い、或いは宮城に入り、或いは城外に出た。 ・（前略）勅により獄中の軽繋二十三人を赦された。 ・下野国が申すには「反乱した俘虜八十九人を殺して獲ました」と。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六二頁。 ・伯耆国が申すには「牛が子牛を生み、一つの体に二つの頭があり、三つ眼に三本の角に二つの口があって顔は互いに背中合わせで、全身が灰色でした。既にお産の後に母は狼の被害に遭い、子牛もまた死にました」と。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六一頁。 ・皇太子が始めて『千字文』を読まれ、橘朝臣広相を侍読とし、親王・公卿が全員集まって宴飲し、歓を極めて止めた。五位以上が並びに陣頭に侍り、六位に禄を賜う事は各々差があった。 ・これより先、天皇は『群書治要』を読まれ（後略）

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三六〇頁。 ・地震があった。大祓を建礼門の前で行った。 ・勅して、使者を常陸国の鹿嶋神宮寺に遣して、幡三十四旒を施入した。国司の載帳は永く以って相伝し、使者は幡を奉る日に修善諷誦し、便ち常陸国の年進内蔵寮布段を以って襯料に充てた。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三五九頁。 ・日に冠纓があって奎に宿った。 大納言正三位兼行右近衛大将陸奧出羽按察近藤原朝臣常行が薨じた〔云々〕。帝は三日間政務を執られなかった。勅して、従四位下右馬頭在原朝臣業平等を遣して従二位を贈られた〔云々〕。

#読書 #三代実録 今日読んだ分は三五八頁。 ・午後六時頃、日に暈がかかって珥があった。 ・夜に冷然院で火が出て、舍五十四宇を延焼し、秘閣收蔵図籍・文書が灰燼と化した。その他の財宝は僅かに残るものも無かった。唯、御願に書写した『一切経』は衆生を救う縁に因って僅かに残る事が出来た。