年一度のオフシーズン、僕は遂に相棒の地元に。 「…虫がうるさい」 「今年は暑くて蝉がまだ元気なんだよ。つか蝉って知ってっか？SBにはあんまいないけど」 「知ってる。これが『蝉時雨』って現象ってことも」 「よく知ってんな！あ、楽しみで色々調べた！？」 「…君もうるさい」/ 蝉時雨/ #同題ffTB

モスキート音を出すネクストと聞いたが、現場に着いてみれば、とんでもない音量の、蝉時雨。耳栓対応で、確保は容易かった。愉快犯にしかなれないような能力な上、ガキにしか通用しないのが耐えられず、全年齢に届く羽音を編み出したんだ！って。努力の方向が違うだろ、お前。／蝉時雨 #同題ffTB

OTにいた時に、なけなしの勇気を振り絞って告白した時。 聞こえなかったフリされたけど、耳が赤くなっていた事には気付いた。 そして今、アイツの言葉に気付かないフリしたけど、きっと俺の耳は赤くなっていただろう。 アイツもそれに気付いただろう、蝉時雨の中で。 #同題ffTB「蝉時雨」

蝉時雨の煩い午後に届いた、母ちゃん便。 「お、時雨煮だ」 俺の独り言を聞いたバニーが気のせいか青褪めている。 あ、もしかして。 「安心しろよ、蝉じゃないから」 あからさまにホッとしてるな。 蝉時雨 #同題ffTB

献血に行った筈が、事故に巻き込まれ逆に輸血される羽目に。『……事件も事故も多いけど、君の隣にヒーローが居る。君も――』蝉時雨が降る窓の外、陽の光に透けた葉の血管みたいな葉脈を白いベッドの上で眺めながら、私はこれから献血の代わりに出来ることを探す。/逆に/葉脈/けんけつ/蝉時雨 #同題ffTB

蝉時雨が降る中2人で歩く、学校からの帰り道 夏休み前の最後の登校日だった今日 明日からはあまり会えなくなる事に顔を俯かせれば――…不意に握られた手 「友恵ちゃんがよければ今度の夏祭り、一緒に行かねぇか?」 見上げれば、真っ赤な顔が見えて …返事の代わりにぎゅっと握り返した 蝉時雨/#同題ffTB

蝉時雨　#同題ffTB x.com/kalanchoe_joe/…

蝉時雨　#同題ffTB x.com/kalanchoe_joe/…

バニーを俺が運転する車で実家に連れてきたら、車から降りた途端耳を塞いだ。 ｢何です!?この騒音｣ ｢あー、蝉時雨｣ 大声で応えて、丁度電柱に止まってた蝉を捕また。 ｢こいつらが一斉に鳴いてんの｣ ｢ひっ……!｣ ｢え?こえーの?｣ ｢いえ。でもソレ触った手で僕に触れないで｣ 蝉時雨 #同題ffTB

蝉時雨 #同題ffTB 忘れられないひと夏の出来事。 x.com/zakuro_daifuku…

蝉時雨 #同題ffTB 晩夏の風景。割と最近ですね x.com/zakuro_daifuku…

OTの夏、僕は初めて蝉時雨を聞いた。 そのかしましさとうだるような暑さに、頭がぼうっとしてくる。今僕は立っているのか、歩いているのか。 「バニー！」 名を呼ばれて意識がはっきりする。 僕の特別、唯一無二の貴方。 貴方に焦がれていると自覚した、最初の季節だった。 /蝉時雨 #同題ffTB

ペンキで青く刷いたような空に白い入道雲が湧いている。あちぃ、と呟いた男が安いアイスを二つに割って僕に差し出した。 「半分こ！」 ああ、世界が鮮やかだ。 「好きです」 蝉時雨に掻き消されて、きっと僕の声は聴こえない。 振り返った貴方が暑さに上気した顔で笑った。 /蝉時雨 #同題ffTB

蝉時雨の時期はとうに過ぎた。 薄青の空は澄んで高い。 街路樹はそろそろ紅葉が始まるだろう。 あの蝉時雨の中、貴方が告げた言葉をふと思い出す。 「俺と家族にならないか」 隣で歩く貴方の肩が、僕の肩に触れる。 温もりに目を細め、僕は貴方の肩を抱く。 蝉時雨 #同題ffTB

真っ青な空と真っ黒な木陰。 怖いくらいの蝉時雨。 耳を塞ぐ僕に笑み、貴方は何を告げたのか。 蝉時雨 #同題ffTB

帰省についていきたいと言えば、彼は渋い顔をした 『思ってる数倍騒がしいぞ』と 何の事かと思っていたら―― 昼間は蝉時雨 夜は蛙の大合唱 「…寝れません」 「言わんこっちゃねぇな」 徐に、彼は僕の布団に潜り込んでくると 「ほら、耳塞いでてやるから」 近っ…!?余計眠れない…! 蝉時雨/#同題ffTB

「あと1週間の命だから一生懸命鳴くなぁ」 休憩したベンチに座り蝉の声にかき消される声で呟いた 「こんだけ大きい声なら気付いてもらえるな」 思い出してるのは居場所が分からず怪我を負わせてしまった救助者か 「僕も次は聞き逃しません!」 蝉時雨に消されない大きい声で叫んだ /蝉時雨　#同題ffTB

シュテルンビルトだと、蝉の鳴き声を聞くことがあまりない。実家に帰って蝉の声を聞くと、帰ってきたなという感じがする。/蝉時雨 #同題ffTB

今も思い出す。友恵ちゃんと楓と3人で蝉時雨の中、歩いた事を。 でも、もう友恵ちゃんは居らず、楓も母ちゃんの所で。SBでは蝉時雨もない。ふぅ、とため息をつけば、金の髪が笑って「似合ってませんよ」と言う。「何を?!」言い返し後を追う。 友恵ちゃん、俺頑張ってるよ! #同題ffTB「蝉時雨」

ああ、耳なりみたいだ。 緩くなった麦茶と膝に残る畳の痕、汗だくの体を窓辺に近づける。 「実家ではしねぇっつったろバカ」 汗に濡れた髪をかきあげるバニーガ少し笑う。 「蝉がすごくて聞こえない」 耳鳴りのようないっせいの羽音。 「耳鳴りみたいですね」 「蝉時雨つーの」 蝉時雨 #同題ffTB

「蝉も一生懸命鳴いてるなあ」 虎徹さんの帰省にくっついてOTに来た。 友恵さんのお墓参りの帰り道。 あなたがお墓を見つめる目はほんとうに優しくて。奥様に向ける顔なのだろうか。僕には向けてはくれないの？ 「…虎徹さん、好きです」 僕の微かな告白は、蝉時雨にかき消された /蝉時雨 #同題ffTB

本日9月21日のお題は「蝉時雨」出題者はぷひさん（@ puhi_puni）です。お題ストックの残りは22件です。参加要領は本アカウントの固定ツイートを参照してください。 #同題ffTB

バニーちゃんは頭脳明晰、ロジック派との事ですが Risingの公開イベントでは バニーちゃんの詩的センスのすごさを披露してもらう運びとなり 周りの人達を唖然とさせた伝説の持ち主でもありますよね…！ もはや天才で天然なバニーちゃんを納得させるのは虎徹さんしかいないかと…🤭 「仮」/#同題ffTB pic.x.com/gh00gvrzkf

Are you NEXT? YES NO そんな問いが俺がデビュー当時の献血時にはあったのだ。YESに丸を付けても拒否はされない。だが保存された血液の大半が廃棄されたと後で知った。その血を使うのを拒否する人も多かった。でもいつの間にかその問いは消えた。 ほんの少しだけど世界は変わる けんけつ #同題ffTB

「物語はまだけんけつして、っだ！ 噛んじまった！」 「もういいです、僕が」 「物語はまだ完結してませんよ？ 次週もお楽しみに」 「絶対観てくれよなッ」 「おれちょびっとだけだった」 「いいじゃないですか、ずっと言ってみたかった台詞なんでしょう？」 /けんけつ #同題ffTB

「今日、献血車が来るらしいぞ。おまえ、自分の血液型知らないって言ってたろ？ やってみれば？」 「教えてください。僕は何かの時、貴方に血を分けられるんですか？ 僕の中に貴方の血を入れることはできるんですか？」 「質問は一つずつな」 「では、僕の中にのほうの答えを」 /けんけつ #同題ffTB

「NEXTの方の血はちょっと…」 言葉を濁されて私は手を握りしめる。これまで誕生日に献血してきたのに。私とあなた、過去の私と今の私。何が違うの。 『今日のMVPはバーナビーだ！』 鮮やかに活躍したヒーローが完全無欠の笑顔で手を振る。ねえ、それが私達とそれ以外を分けるの？ けんけつ #同題ffTB

実は犬にも献血制度があるのだ 色々な条件があるが健康な成犬が選ばれ、病気や怪我をした他の犬を救って支えている 彼の飼い犬も動物病院では「とっても元気で強い子ですね」と褒め讃えられている 「グッボーイだ、きみもヒーローだよジョン！！すまないね…そしてありがとう」 けんけつ #同題ffTB

その言葉のかわりに 街頭で流れたキャッチコピーの後に映る画像はランダム 今回はアポロンバディが小さなプレゼントを手に乗せて差し出した 確か言葉はブレイクしないとブレイクしないぞ だったかな 外回りはまだ残ってるけどコーヒータイムにしようかなって気持ちになった 「言葉のかわり」 #同題ffTB

なんかソレっぽいなあとは思ったんだ でもまさかトレーディングカードショップでヒーローのコーナー見て目を輝かせてんのが現役ヒーローとは思わねえよ 「うっわ。レジェンドのカード！」 とか言いながら値段見てショボンとしてんのがワイルドタイガーだった時の俺の気持ちわかる？ 「ぽい」 #同題ffTB

修行の旅の宿坊にはありえない豪華さだった この地の我が教団はここまで堕ちたかと俯く私の耳に聞こえた猫髭の男性の声 「ここの食堂、お高いメニューも美味いんだけど絶品は一番安いチャーハンでバニーも好きだと思うぞ。お金が払えない人は皿洗いすれば食えるしみんなの味方!」 「旅の宿」 #同題ffTB

パッキリと青く晴れ上がった空にはこれぞ夏と言わんばかりの入道雲 こんな空にはスカイハイが似合うよねって思いながら見てたら飛行船の後ろから人影が飛び出した 「え。どうしてアポロンバディが空を飛んでるの？」 飛行服の飛行実験だったらしいけどわかるまで大騒ぎだったわよ 「入道雲」 #同題ffTB

永遠ではない愛を誓うのに神さまの前はちょっとよろしくない気がすると彼氏が言うからじゃあどこで何に誓うのが正しいと思うのかって詰めたら連れてこられた自動車展示場 再結成記念碑になった屋根の凹んだ車の前で彼と共にどちらかの死か愛が消えるまでの愛を誓った 「永遠ではない愛」 #同題ffTB

ごくじょうだんし ああ、極上男子か BBJがカッコ良くポーズを決めてるでっかいポスターの前でコピーを辿々しく読み上げてる奴がいたから視線を上げる 「ちょっ！」 いや、見てる男性だって背は高いし足は長いし それにその顎髭！ 自分のバディのポスター見てるとか何の冗談 「じょうだん」 #同題ffTB

よし、ヒーロー達はやり過ごした TVヘリの音ももう聞こえない 俺は逃走に成功したんだ 後はこのお宝を持ってこの街を抜けるだけ 「ハァイ！出張タイガー&バーナビーです」 なのに隠れてた廃棄ロッカーから出た途端に目の前にカメラとヒーロー ちょっ、どういうこと？？ 「どういうこと？」 #同題ffTB

市民からの献血の量が足りないと、ヒーローがキャンペーンに駆り出された。 「俺は手術も輸血も何度もしてるから、自分じゃ献血出来ない。言ってみれば市民の皆に生かされてるようなもんだ」 その怪我は人を守った故のもの。 虎徹さんの言葉に、献血してくれる市民が激増した。 /けんけつ #同題ffTB

けんけつ/#同題ffTB 市民との握手会にて彼の手が握られた瞬間、青色の光が会場を包んだ また彼はネクスト能力にかかってしまったらしく、その能力は栄養が全て血液からでしか摂取できなくなるというもので… 仕方ないですね…-さん、僕の血を飲んでくださ…って何、献血パックで済ませてるんですか！！

誕生日こそ発表されたが、ヒーローの個人データは、極秘扱いだ。当然血液型も、明かされていない。それでも。「血が足りません」とマリオが言えば。怪我をしたヒーローの、血液型が分からなくても。市民は献血センターに、長い列を作る。希少な血液型の人ほど、誇らしげに。／けんけつ #同題ffTB

「紫キャベツって、心臓みたいじゃありません？葉脈がこう、血管みたいで」 「お前って時々変人だよな…って、なにいきなりかぶり付いてんだよ。ほれ、マヨ」 「苦いな」 「だからマヨつけろよ」 あなたの心臓にも、こんな風に齧りつけたらいいのに。 葉脈 #同題ffTB