白布の言うしょうがねえな、が好きだ。 自分を含めた全員に厳しそうで、案外身内には甘い。そんな白布の特性を知ってる人間はそう多くなく、だから特権のような気がして余計に言わせてしまう。 「だめ？」 「……しょうがねえな」 ほら。だから俺のわがままの大半は、白布のせいです。 #本日の川白

寝付きが良く、そのまま朝までぐっすり。白布の長所だと思う。いつもは。 「白布さーん」 抱き枕よろしく抱き締められて、問答無用の「おやすみ」。お互い忙しくて1週間ぶりの同衾が生殺しとか。 「ねえって」 頬を摘んでも眉ひとつ寄せない。もうこれ、つまみ食いくらいしてもいいかな。 #本日の川白

「俺、白布に勝てること見つけた」 第一声からろくなことじゃないな、と思ってしまった。無視するのも面倒でなんだよ、と問い返す。 「白布は白布と付き合えないでしょ。俺付き合えてる」 「……言ってて虚しくないのか」 それに俺、太一と付き合えてるし。 #本日の川白

一度目は気の迷いで勢いで、お酒のせいだ。じゃあ、二度目は。 「いいのか太一」 唇が触れ合う寸前、問うたのは白布だった。言葉にしないで、なあなあで。そうやって誤魔化す俺とは反対の正しさと強さ。そういうところがずっと。 「いいよ」 好きだったから。 #本日の川白

最近、気づいた。 「太一だからだろ」 白布がたまに口にするその言葉は、俺の別の言葉で変換できる。なんでご飯一緒に食べるの。なんで隣に来るの。なんで黙ってても心地いいの。全部、俺だったらこう答える。 「好きだからだよ」 #本日の川白

うまく躱せるつもりだった。こういう勝負は俺に分があると。 「太一」 逸らされない視線と削ぎ落とされた言葉。 「俺のこと好きかどうかだけ答えろ」 将来性とか周りの説得とかはその後だ。言い切られて、用意した言い訳も出せずに白旗を振る。 「好きじゃないわけ、ないじゃん」 #本日の川白

この歳になると誕生日って別にどうでもいいよね。 「とか言いそうですよね川西さんって」 「そんなこと言わないよ」 じゃ、お疲れ様です。定時で上がってまっすぐ家へ。誕生日は確かにあんまりだけど。白布がうれしそうに祝ってくれる日がどうでもいいなんて、そんなはずない。 #本日の川白