トリッピでチームを作る時、1人余ることがある。私の地元ではハンパと呼んでいた。 勝ったほうがいる、いらないを決めるとても残酷な審判をすることになっていた。 毎回ハンパになる高橋はどうゆう気持ちで私たちと遊んでいたのだろう。ごめんな、高橋 『半端ないハンパ』より #架空小説書き出し

「イッ、イクッ！」 そのまま彼女は”ここ”ではないどこかへ逝ってしまった。意識も身体も”ここ”に在りながら、だ。 「Domine Quo Vadis ?」 #架空小説書き出し

彼はよく、嘘をつく人だった。 しかしながら、そのどれもが小さく可愛く、笑えるような嘘だった。 そのどれもが許容出来る素敵な嘘だった。 彼は最後の嘘をついた。 それは小さく可愛く、悲しい嘘だった。 「Just for you」より #架空小説書き出し

アイスコーヒーと混ざったガムシロップは タイトル未定 #架空小説書き出し

りんごを食べる。 うまい。ただそれだけ。 まるで人生のように、ただそれだけ。 『退屈な林檎』より #架空小説書き出し #ラランド #ニシダ

誰かに押さえつけられたかのように頭が重い。ふと目を開けると、目の前には泣きじゃくる僕がいた。 「消せない過去」より #架空小説書き出し

懐かしい匂いが視界を霞させる。僕は知らぬうちに、霧に包まれた館の前に1人たっていた。扉の向こうには僕が見える。どうしても勇気を振りしぼることが出来ない。その瞬間誰かに背中を押された。次に目が覚めた時は自宅のトイレの中だった。 「次元の扉」より #架空小説書き出し

パリオリンピックの裏で秘密裏に開催されたパリドーピック。各競技で真の世界王者が無数に生まれた。 吐血と筋隆起、ステロイドの多用で黄斑した眼球、モータ異音、連発する心筋梗塞、そして圧倒的エンスージアスティック。 「熱狂とファンファーレと熱狂とファンファーレ」 #架空小説書き出し

その山は神が宿ると言われ 昔から人々の信仰の対象であった。 山深くにある滝を越え 更に奥深くにある祠には それはそれは美しい白い大きな狐と 碧眼の少女がおるそうな ｢白狐と神守｣より #架空小説書き出し #緋雨ノ詩

「本を読まないということは、そのひとは孤独ではないという証拠である。」 太宰を好きになるにはこの一文で十分だった。 『人の道』より #架空小説書き出し

谷君は遅れている子だった。学年最下位の成績だったし、高3になってもヘルメットを付けて自転車通学しているのは彼だけだった。 でも、そのヘルメットが「安全を尊重している」と集会で校長に誉められたのだ。 僕は利己的な行動が賞賛されるのを初めて見た。 「17」 #架空小説書き出し

僕の心を引き寄せ続ける君の瞳は小さい宇宙だ。 #架空小説書き出し

人間はほんとうに孤独なんだと、まるで傷口にガーゼを当てるように彼女は言った。 「だからさ、優しさや、コミュニケーション能力や、媚びへつらいや、正義や道徳や… ぜんぶ孤独を摩耶かす虚飾に過ぎないんだと思う。」 「花束を食い散らす」 #架空小説書き出し

クラス会には行きません。 みんなが幸せになっているのを見たくないから。 『悲しい歌だけ愛して』より #架空小説書き出し

東京の電車というものは日本で1番煩い場所かもしれない。脱毛、進学塾、美容整形、転職、婚活、不労所得。窓の外に目をやると、今度は無数の企業看板。 ジョンカーペンターのあの映画を思い出そうとしたが、洪水の色彩にかき消された。 「テクノポリス」 #架空小説書き出し

何をやっても平均以下にしかできない。 僕の価値はあるのだろうか。 「この廃れた踏切も必要としてる人がいるからまだ動かされているんです。」 廃れた踏切とは正反対の色白でブロンドヘアの彼女はそう言い、踏切を渡った。 『見知らぬ彼女』より #架空小説書き出し

「可哀想に可哀想に」 「この子は産まれてきたことが罪だ」 「本当に悲しい子供だ」 大人たちは責任も無く可哀想ぶる。 1つの命に上も下も無いはずなのに。 だがそれでもこの子供は悲しく愚かな業を背負っているのだ。 「断罪のカルマ」より #架空小説書き出し

放課後、彼女たちは制服姿のまま彷徨います。たいてい近郊都市の中核駅に併設されたビル 2-4F 辺りの、LOFTやPLAZAやタワレコや、そんなテナントにいます。 もちろん彼女達の意識ははっきりしているのですが、わたしにはまるで夢遊病のようにみえるのです。 「回遊動線上のアリア」 #架空小説書き出し

AI。素晴らしい技術。しかし今まで誰もAI活用をここまで発展させてこなかったのだろう？スマートフォンから生まれた年代付近で発展しそうなブームだ。なぜ、AIでは意味の無い(ここでは主観でそう記させてもらう)AIペットが最初に生まれたのだろうか？ 『叛逆の翼で左折する』 #架空小説書き出し

『手を添えられただけで美味くなる』なんて言われていた。たしかに一味違っていた。噂通りだなんて喜んでいたけれど、春を迎えた今、確かなことが分かっていた。ただただ、真実は綺麗で残酷に、違っていたということを。 『ライオン王の晩餐へようこそ』 #架空小説書き出し

「おまえほんと品がないな」 居酒屋で上司に言われた。 お前のために酔ったふりして下ネタいってんだよ。 あれ、私いつから彼氏いないんだっけ #架空小説書き出し

「先っちょだけ！先っちょだけだから！」男は絶叫した。 「先っちょだけでいいから。先っちょに、おれの心の先っちょに触れてくれ…」 「こころの」 #架空小説書き出し

19歳、再生の風景。 18歳、Ave materia。 17歳、震災、そして水平線は夜動く。 16歳、RE DISTORTION … は、当時まだ知らなかった。 「1994」 #架空小説書き出し

人間誰しも１本は ベストセラー小説が書ける それはその人の人生があるからだ! という話が好きだ。 経験を文字に起こせる 優れた文章に、誰しも？ 物書きを舐めるな ｢名作｣ではなく ｢ベストセラー｣とした意図を 説明せよ 数数数 『小言の多い小説家 三谷谷三の恋』より #架空小説書き出し

「プラモデル用のラッカースプレーがあるでしょう？あれのシルバーでね、リカちゃん人形を塗り潰すの。」 その性癖に、彼女がつけた名前は「メタリカ」だった。 「マスターオブパペッツ」 #架空小説書き出し

ライ麦パンに、アカシアの蜂蜜を塗りながら、私は考えている。 結局のところ、人は何かを奪わずには生きて行かれないのだろうなと。 昼下がり、ラジオからは重苦しいバラードが流れていた。 【簒奪者の食卓】 #架空小説書き出し

狩られすぎた天使は最後の一匹になった。怯える天使を嘲笑いながら彼女の名前を尋ねた。 【私は、リリス】 皮肉にも堕ちる前から彼女は悪魔の名を持っていた。 【あなたの、名前は】 気に入らない名前だが、私は吐き捨てるように答える。リュシフェルだと。 【堕天の明星】 #架空小説書き出し

梅田の街を、血だらけの姿で、この夜に駆ける。気分はマジでハイ。あのアイドルを殺してKingとなるはずだった。しかし、どうやら俺の方が「怪物=Monster」となってしまったようだ。 『Undead Switch』より #架空小説書き出し

今までで1番味のある架空小説書き出し。 #架空小説書き出し x.com/moueyo_nishida…

彼のように生きたいと誰もが思った。 この話はそんな破天荒で、激烈で、波乱万丈な彼の人生の話である。 生まれた時、母親によって捨てられ、すぐさま施設暮らし。 ここまではよくある話。 彼のすごさは生まれて「1歳｣で施設でリーダーシップを取ったことから始まる。 「花より #架空小説書き出し

「ほら、君ってまるで春だから」 #架空小説書き出し #SS #小説 pic.twitter.com/xa2INmY4OH

非常に長い夏でした、そう言って君は死んだ。長い夏の夢を見ていたらしい。僕と出会った頃の夏。 彼女は死ぬ直前まで思い出の夏に囚われていた。僕はそれには気づけなかった。 『夏嘘』より #架空小説書き出し

原体験も初期衝動もない夢に囚われて僕の二十代は終わりつつあった。 『希望くん』より #架空小説書き出し

「ずっと1人なら寂しいという感情を知らなくて済む」というようなことを姉はよく話していたし、事実彼女は努めて1人になろうとしていたと思う。 しかし、危険だからと包丁なしで料理するようなもので、僕にはひどく馬鹿げた話としか思えなかった。 「離婚struction」 #架空小説書き出し

電車を降りれば、きっと日常が戻ってくる。そう意識するより先に、体は足早に駅の階段を降りて行く。階段を降りると、美しいピアノに混じる喧騒が耳を刺激して、次々と私の横を通り過ぎる人、人、人─ しかし、現実はそう甘くはなかったようだ。 『白昼夢』より #架空小説書き出し

猫は良い。愛くるしい。 寝ている姿もご飯を食べている姿も全部が愛おしい。 たまにジッとこちらを見つめている姿ですら微笑ましい。 今日も猫のために仕事を頑張ろう。僕は猫と暮らせてとても幸せだ。 『直立二足歩行の奴隷』より #架空小説書き出し

「暑い日に暑いと言うのは野暮だと？美味い物を食べたら美味いと言うし、脚をぶつけたら痛いと言う。それくらい正直なのが人間らしくていいじゃないか！」 今日は一人息子の四十の誕生日である。 『小粋なヒキニート』より #架空小説書き出し

暑い日に暑いと言うのは野暮だと？美味い物を食べたら美味いと言うし、脚をぶつけたら痛いと言う。それくらい正直なのが人間らしくていいじゃないか。 今日は一人息子の四十の誕生日である。 「小粋なヒキニート」より #架空小説書き出し

暑い日に暑いと言うのは野暮だと？美味い物を食べたら美味いと言うし、脚をぶつけたら痛いと言う。それくらい正直なのが人間らしくていいじゃないか。 今日は一人息子の四十の誕生日である。 「小粋なヒキニート」より #架空小説書き出し