「かげろふの日記遺文」。才色兼備の紫苑は正妻のある兼家の妻となりますが、自尊心の強さゆえ、甘えることができません。道綱を生んだ後、兼家が町の小路の女冴野に熱を上げていることを知り、二人の仲はこじれていきます。原典は「蜻蛉日記」。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/brLjEt1m8W

「舌を噛み切つた女」。山賊に育てられ、頭の妻となっていた「すて姫」は、別の山賊に犯されてしまいます。そのとき相手の舌を噛み切って死なせますが、子を身ごもってしまいます。犀星オリジナル、映画「地獄花」の原作。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/NLiDEoIQwj

「虫姫日記」。大納言の姫君は小舎人（ことねり）に蝗麻呂（いなごまろ）、螻蛄男（けらお）と名づけ、虫を集めさせていました。眉毛は抜かず、髪を耳に挟み、お歯黒も化粧もしない風変わりな姫は噂になっていました。原典は「堤中納言物語」の「虫めづる姫君」。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/XGMdcNfXRH

「萩の帖」。歌人の大和と綾野は互いを理想の異性像とする兄妹。大和は社交的な妻とは気が合わず離縁、綾野は兄の親友鹿門の求愛を受け入れません。亡き友萩原朔太郎と佐藤惣之助をモデルにした犀星オリジナルの王朝小説です。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/4zQ2N8eBin

「山吹」は、犀星オリジナルの長編。検非違使の紀介と大和国の亡き宮司の娘山吹は、互いに惹かれあいながらも運命に翻弄されて再び出会うことができません。紆余曲折の末にようやく結ばれますが、紀介は病に倒れてしまいます。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/xrsM8KLeME

「羽衣」。駿河国三保の松原には、弥生の十日に蝉の羽根を持って松原へ行くと良縁に恵まれるという娘たちの祭があり、九重姫が出掛けて行くと、幼なじみの義親が現れます。作品内で語られる伝説は、謡曲「羽衣」と同じ内容です。#犀星王朝小説

「遠つ江（とおつおうみ）」。三通の手紙文で構成。遠江国池田（磐田市）に住む病気の母から会いたいという手紙を受けとった娘熊野（ゆや）ですが、妻を寵愛する夫宗盛が帰郷を許してくれません。原典は謡曲の「熊野」。犀星は能舞台も見ているようです。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/HUTTDu94Yi

「妙の君」。山城国井出の玉川のほとりに育った幼なじみの男女は互いを恋しく思いますが、親の反対で引き離されてしまいます。数年後、男は峠を越えて会いに行き「筒井筒ゐづつにかけしまろがたけ・・・」と歌を詠みます。原典は「伊勢物語」23段「筒井筒」。#犀星王朝小説

「花桐」。若い官人持彦は、人目もはばからず年上の女官花桐に夢中で、勤めも怠りがち。とうとう二人は引き離され、持彦は流罪、花桐は実家の蔵に監禁されますが、持彦は夜な夜な抜け出して花桐の元へ通います。原典は「伊勢物語」65段「在原なりける男」。#犀星王朝小説 pic.twitter.com/oBydgye4QV