#狂めぐ怪談　9歳の夏、兄が俺を弟だと認識しなくなった。両親祖父母が説得しても駄目で、結局母方の叔父夫婦の養子に入った。元実家は虐待やイジメを疑われて大変だった様だ。大学進学が決まった頃、兄の同級生から当時の話を聞いた。中２だった兄は、友人達と自転車で行ける廃墟に遊びに行っていた。

#狂めぐ怪談　朝起きると、枕元に血まみれの貯金箱が置いてあって驚いた。他の家から悲鳴が上がる。血のついた紛失物が家の中に現れたからだ。他所の家は知らないが、自分の貯金箱は昨夜、駆け落ちする幼馴染に渡した物だ。そんな騒ぎの中、幼馴染の親が両手を真っ赤にしてビニール袋に包んだ回覧板を

#狂めぐ怪談　長男は狼になって駆け出し、長女は兎になって跳ね周り、次男は腹を叩いて庭で踊る。乳児の次女を寝かせた私は月見酒とビデオカメラを持ってベランダに出た。#返怖

#狂めぐ怪談　夢に出てくる兄はパリッとしたスーツを着て髪もきちんと整えた、いかにもデキた見た目の社会人なのだが、毎度私に「帰ってきてくれ」と平身低頭で懇願してくる。私に一人暮しや家出の経験はない。対して現実の兄はバイトと旅行という名の放浪の間を反復横とびしては、両親の悩みの種に

#狂めぐ怪談　ホラーでよくあるよな、肝試しの帰り際に落とし物に気付く展開。アイツは携帯電話だった、しかもタイミングよく電話かかってくるし。非通知で無視したらいいのに、出やがるし。「またいらっしゃい」って、ここまでくると仕込みを疑いたがったけど直接聞いたアイツの顔みたらまあ…。その

#狂めぐ怪談　当時借りていたアパートで、朝から日が暮れるまで雨が止む気配がない日に兄はやって来て夕飯を作ってくれたりテレビを観ながら他愛もない話をする。現実の私に兄弟は弟しかおらずイトコも年下しかいない。それでも彼がする思い出話は昔の私ならそうするだろうというものばかりで、早い話