「投票者」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ チヌア＝アチェベ著 ナイジェリア作家 金券賄賂政治家 オカルト政治家 人気者ゆえ双方に投票を強いられる男 苦悩の末に投票用紙を半分にして両陣営に投票する 彼が心の中で投票した陣営は…？ 腐敗生死の末路は悲惨だ 我々も選挙に行きましょう pic.twitter.com/9ZpNJxi0cm

「十時十分の男」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ カン＝センバ著 南アフリカ出身スワジランド作家 事故追放でアパルトヘイト下のヨハネスブルグを抜けた作家 喧嘩の強さをスカウトされ合法的暴力を振るう白人警官 アフリカ人に対して正義感を帯びながら暴力を振るう場面に考えさせられる pic.twitter.com/LD3d1Ge5nK

「出国」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ピーター＝ナザレス著 マレーシア出身ポルトガル領インド直轄市ゴア系ウガンダ作家 狂気のウガンダ大統領アミンが経済独占状態にあるインド系移民を強制出国させる その最後の空港で待つ4時間 ナミビアを流れウガンダも追われたインド系男性の葛藤 pic.twitter.com/cp74TBMA0c

「ムリャンコタ」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ヌワ＝セントンゴ著 南アフリカ作家 稀代の大食漢ムリャンコタ 暴飲暴食ゆえ妻に逃げられ村に捨てられ自由を求め放浪へ “幽鬼の国”を経て甦り妻の元へ再服従されるまで チュツオーラ「やし酒飲み」的部族神話だが母権制を伺わせる点で特異 pic.twitter.com/P0AyT2UcIK

「確かに月曜日に」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ナディン＝ゴーディマ著 ノーベル賞南アフリカ作家 南アフリカ解放戦線ゲリラに加わった一家 運動の過程で一家離散となりダルエスサラームから故国を郷愁する孤独な姉 過去と現在の比較が克明な心理描写を伴い語られる現代の南ア庶民史 pic.twitter.com/jhEP2TCEJn

「予言者」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ハーマン＝チャールズ＝ボスマン著 南アフリカ作家 侵略を正当化しようとする白人アフリカーナ予言者 vs アニミズムの価値観で神通力を発揮する黒人先住民予言者 神秘的ヨーロッパ的一神教と呪術的アフリカ的多神教 短編ながら人物の思考が深い pic.twitter.com/EIfbjrFpZB

「マフェキング・ロード」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ハーマン＝チャールズ＝ボスマン著 南アフリカ作家 オランダ移民(アフリカーナ)が南ア先住民を内奥へ追い彼等をイギリス帝国がブール戦争で内奥へ追いやった アメリカと違い白人が白人の地を奪う歴史を哄笑とユーモアで煎じた作品 pic.twitter.com/KEPnXYMrsh

「荒涼」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ポーリン＝スミス著 南アフリカ作家 荒涼なカルーの大地が舞台の「怒りの葡萄」的短編 不毛の大地で不作となり地主との喧嘩で父は倒れ農場追放に遭うプアホワイトの祖母と子供の放浪とその運命 アパルトヘイトに隠れがちな南ア白人貧困問題が焦点 pic.twitter.com/LVpLwT2EMb

「公園」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ジェイムズ＝マシューズ著 南アフリカ作家 公園で遊ぼうとする黒人の子供 だがアパルトヘイトがそれを許さない 白人警官は同情し体制に怒りを向けるも衆目を気にして敢えて黒人の子供を脅す 最後に白人の子供の乗るブランコが高く上がるのが印象的 pic.twitter.com/apDq1VpZbr

「辞書編集者殺し」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ タバン＝ロ＝リオング著 ウガンダ作家 〜現代アフリカ文学の祖エイモス・チュツオーラに捧ぐ献辞〜 殺された編集者が残した6つのメモ 脱税のために狂人の仮面を被り圧政の言論統制の中で”死んでいく言葉と文化”を憂う エッセイ風の短編 pic.twitter.com/3Az0T2BTBb

「暗い逢引」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ グギ＝ワ＝ジオンゴ著 ケニア作家 独立期部族版「ロミオとジュリエット」 キリスト教的牧師の父を持つ少年とアフリカ的民族主義者の父を持つ少女 相容れぬ2人の出自に加え”イスラム的割礼”の文化が更なる亀裂を加える… 冒頭の民話引用も妙味 pic.twitter.com/afPWWIJbGR

「臨終の贈りもの」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ サミュエル＝カヒーガ著 ケニア作家 作家のキベラとは実の兄弟 盲目の少女に恋する少年 反対する肺癌で死に際の父 少女は角膜を貰う手術を行うがそれは臨終に名を伏せて贈られた父の眼だった… 恋人と父の眼が重なるモダンロマンな短編 pic.twitter.com/qxYUTMWEt0

「雨」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ グレイス＝オゴト著 ケニア作家・BBCアナウンサー・インド航空CA 雨乞の為に人身供犠の人柱に選ばれた美しき部族王女とそれを憂う少年の決死の脱出劇 部族社会をあくまで近代的批判を伴わず客観的視点で描いた優しく清々しい結末の読み応えある短編 pic.twitter.com/lg0EogMHuE

「ナイロビのかかし」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ オビ＝エブナ著 ナイジェリア作家 ナイロビの白人地主夫婦は娘をThe Beatlesのライブに送り出す 矢先に付近で修道女が倒れ怪しい黒人が訪れ地主の裏の顔が暴かれ娘が行方不明になり…？ 人種差別の齎す疑念が増幅する様を描くスリラー pic.twitter.com/duExC1a7jQ

「正式に結婚した女」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ アビオセ＝ニコル著 ナイジェリア出身シエラレオネ作家・医者 ・シエラレオネ大学副学長 “幸福なアフリカ人キリスト教徒”として欧米紙に紹介された夫婦 部族社会的な夫と西欧化の薫陶を受けた元副妻現正妻の微笑ましい皮肉のひとコマ pic.twitter.com/KnTfklakms

「コインダイバー」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ シプリアン＝エクエンシー著 ナイジェリア作家 シエラレオネとカーボベルデ近海 白人観光客がハイになって海に金を投げる そのお金を拾い外貨獲得で生計を立てる”コインダイバー” 囀るカナリアの陽気さも植民地主義の陰気さも交えた喜劇 pic.twitter.com/ulxrtl5vti

「コーヒーと旅」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ アレックス＝ラ＝グーマ著 南アフリカ作家 アフリカ南部の荒地カルーを五感に訴えふ情景描写と多人種の文化にアパルトヘイトが根付く社会を的確に描写 コーヒー店のドライブスルーの場面を描くだけで南アの複雑な社会を浮き彫りにしている pic.twitter.com/2wQX0IFXww

「いちばん親切なこと」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ナディン＝ゴーディマ著 ノーベル賞南アフリカ作家 パチンコで鳥を撃ち落とした少女 臨終間際に羽を散らし苦しむ姿を見て自責の念に駆られサンダルで踏み潰して安楽死させる アパルトヘイト極限状態下の弱者の寓意を感じさせる短編 pic.twitter.com/LOBkzOJxnk

「ヘビのやさしいささやき」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ナディン＝ゴーディマ著 ノーベル賞南アフリカ作家 蛇に唆され禁断の果実を食した楽園追放を想起する表題 不具の男は道端の怪我した飛蝗を見つけ似た運命に同情するが…？ 弱者への優しい眼差しと徹底した写実主義が伝わる傑作 pic.twitter.com/7Ednq9ni1x

「乞食の隣人」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ダン＝ジェイコブソン著 南アフリカ作家 裕福な白人の子供が黒人の子供に恵みを与えるが…？ 子供の言動は無邪気なだけ残酷 孤独→優越感→憐み→恐怖→憎悪と目まぐるしく変わる白人の子供の感情と一貫した黒人の子供の静かな怒りが印象的 pic.twitter.com/VpzdszDDY4

「目には目を」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ アラン＝ペイトン著 南アフリカ作家・政治家 白人ながらアパルトヘイトを糾弾した叛骨の作家 白人と非白人 明確な”差異”を肯定する以上”同害復讐”が機能しない歪な法治国家社会 差別が暴力を産み抵抗が復讐を呼ぶ泥沼の様相を丁寧に描く短編 pic.twitter.com/6JYqZSbTY5

「エリザベス」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ エリザベス＝オゴト著 ケニア作家 古今東西部族社会では”子を孕ませた無責任な男”よりも”子を孕む軽率な行動を取った責任を負うべき女”の方が圧倒的に多い 上司にレイプされ妊娠し部族崩壊を恐れ自殺する女 急激な近代化の反動を描いた作品 pic.twitter.com/XWa5ggOLb8

「この世にやさしさはない」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ クリスチーナ＝アマ＝アタ＝アイドゥ著 ガーナ作家 ガーナ伝統社会と学校 メソジスト派キリスト教文化 老若男女の生活様式 離婚する男女と美少年の息子喪失を描く悲劇 西アフリカ最大の女流作家だけあり近代心理小説の極北作品 pic.twitter.com/muUYE6QatR

「殉教者」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ グギ＝ワ＝ジオンゴ著 ケニア作家 ケニア版クッツェー「鉄の時代」的傑作短編 差別は愛憎を孕む一元化不可の主従関係 白人を殺す黒人 黒人に助ける白人 敵で差別者で主の白人 味方で抵抗者で同胞の黒人 心配する黒人の殉教者を殺した白人の呵責 pic.twitter.com/FBbUzLLNF7

「くもの巣」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ レオナルド＝キベラ著 ケニア作家 ギクユ族出身で大作家カヒーガの兄弟 マウマウ団蜂起で大英帝国が戒厳令を敷いた時代の市民の実情を描く 白人視察官に唾を吐き村の英雄となった女教師に対し執事の男は飢え凌ぎに盗み食いする自分に絶望する pic.twitter.com/djHZEAzcRu

「復活」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ リチャード＝リープ著 南アフリカ作家 カラードの母から生まれた白人の子供とカラードの子供と黒人の子供 遺伝差が家系の恥に繋がり肌色が違うだけで子供に怨まれる 死の間際に白人の母が子供に愛憎をぶつけられ複雑な南アフリカの差別事情を暴く pic.twitter.com/hZ8k7T42ZU

「囚人」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ ルイス＝エンコシ著 南アフリカ作家 原住民法 非白人は個人情報を強制登録され常時携帯した(=マイナンバーカード) 優生学に基づきアパルトヘイトは異人種間性交者を苛烈に罰した 白人特権を逆手に白人が”囚人”に転落する様を反近代史観で痛罵する pic.twitter.com/0QlGRgHyCP

「生ける者・死せる者」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ エゼキエル＝ムファレレ著 レソト系南アフリカ作家・教師 バンツー教育法反対で教職免許剥奪 過酷な差別に死んでいく黒人の“死せる者” 矛盾を本能感知しつつも特権維持のため差別を黙認する白人の“生ける者” 両者対比に成功した短編 pic.twitter.com/x6OsFLmFSR

「狂人」 #一日一編 #現代アフリカ文学短編集シリーズ チヌア＝アチェベ著 ナイジェリア作家 “部族内の人間は同時に狂気に陥ることはない” イボ族内でトランス状態シャーマンは唯一1人のみ イボ族2人の狂人の同時出現は霊界と穢土を繋げる 狂気と狂気がぶつかる様をビアフラ戦争に重ね怒りを込めた寓話 pic.twitter.com/QojIuCLdRG