日本が“争わずに自立”するために必要なこととは？ ▶ スパイ防止法がない唯一の先進国 ▶ 9条の理想と現実のギャップ ▶ 守れない国に平和は守れない 「戦わないために、自立する」 そのための第一歩👇 mizumaki-tone10.hatenablog.com/entry/2025/06/… #国家ビジョン #第一章 #スパイ防止法 #憲法9条 #改憲 #自立国家

返信先:@k_uzuran、、、「それが私が野球の監督になるきっかけだったのです。」 #第一章 なんて事になったりならなかったり。 未来は何があるかわからないので楽しみですね✨

#プリンセス・プリンシパル #第一章 ～ #第三章 迄。 #ユーネクスト

火は、名前を持っていなかった。 でも確かにそこに“在った”。 ノアはまだ、道の途中にいる。 それでも、胸の奥に小さな火を持って、歩き出そうとしていた。 ──名もなき火を、その手のなかに。 (第一章　霧還りの谷　完) #霧隠れの火と水 #第一章

谷の朝がまた来る。 冷たい空気の中、ノアは一人で火をおこした。 まだ不格好で、すぐに消えそうな火だった。 でも、その火を見ていた父は、何も言わなかった。 ただ、にこりと笑った。 #霧隠れの火と水 #第一章

「小さな火も、ずっと燃え続ければ、闇を照らす」 ──そう言った父の横顔が、いつになく遠く見えた。 ノアは知らぬ間に、小さな決意をしていた。 いつか、自分の火で、誰かを照らしたいと。 #霧隠れの火と水 #第一章

その夜、父は続けて語った。 「昔、外の世界では、早く、大きく、強くなることが“成功”だった。 でも、谷に来てわかったんだ。“深く、静かに、生きること”が本当の力だと」 ノアは火を見つめた。 #霧隠れの火と水 #第一章

「火ってさ、見えるけど、見えないんだよね」 ぽつりとノアが言うと、父が笑った。 「よく気づいたな。火は“熱”だ。 光でもなく、形でもない、“流れ”のようなものだ」 ノアはうなずいた。 火のように──目には見えずとも、確かに在るものを信じたいと思った。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは夜の帳のなか、焚き火の前で目を閉じた。 ぱちぱち、と薪のはぜる音。 その奥に、もっと静かな音があった。──自分の内側の音だ。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは難しいなと思いながらも、 どこか腑に落ちるものがあった。 名前のない空気、色のない霧。 そこにある“なにか”を、感じ取る力。 それがあれば── きっと、自分の軸は見失わない。 #霧隠れの火と水 #第一章

ある晩、父がぽつりと言った。 「たとえば火も、水も、“名前”があるからこそ意識できる。 でも、“本当の本質”は、名前のないときにこそ現れるんだ」 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは気づいた。 “動こうとしないときこそ、一番よく動いていた”。 目に見えるものではなく、流れそのものに従って生きる。 それが、父の哲学だった。 #霧隠れの火と水 #第一章

父はよく言っていた。 「人は“急げ”と急かされるが、本当は“整えよ”が先なんだ。 整えば、自然と動き出す。老子の“無為”の思想だな」 朝、畑を耕し、薪を割り、水を汲む。 誰も急いでいないのに、毎日が驚くほどよく回っていた。 #霧隠れの火と水 #第一章

ある日、父がこんなことを言った。 「人間の“時間”は、時計じゃなくて、自分の中にある。 急いで何かを成し遂げようとすると、大事なものを見失う」 ノアは黙ってうなずいた。 言葉にならない何かが、少しずつ染み込んでいく。 #霧隠れの火と水 #第一章

谷の朝は、静かに始まる。 鶏の声、川のせせらぎ、薪を割る音。 そして、父の足音が土を踏む音。 ノアはその音のなかで育った。 時計ではなく、自然のリズムで時を知る生活。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは目を覚ましたとき、ひとつだけ分かった。 “わたしたちは、ひとりじゃ完結しない。 誰かと補い合いながら、自分の本当のかたちを知っていくんだ” #霧隠れの火と水 #第一章

その夜、ノアは夢を見た。 霧の谷に浮かぶ一筋の火と、そこに静かに流れこむ透明な水。 それは、ミールの姿と重なる。 姉とは違う、静かで深い目をしたあの弟。 ──火と水。 正反対で、でもどちらも欠けてはならないもの。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは焚き火の炎をじっと見つめながら、 「でも水じゃ、火は起こせないね」と返す。 父は笑った。 「だから、お前は火なんだろう。 火は闇を照らし、寒さを温める。 水と火は、争うんじゃなくて、補い合うものなんだ」 #霧隠れの火と水 #第一章

その日、父は焚き火のそばでこんな話をした。 「老子は、“上善は水のごとし”と言った。 水は誰とも争わず、低いところへ流れる。 でも、岩をも穿つ強さを持ってる」 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアはその言葉を聞きながら、自分は火なのか、水なのか、考える。 父の眼差しは、霧の向こうを見ていた。 その先に、まだ誰も知らない景色が広がっているような気がして。 #霧隠れの火と水 #第一章

霧の中、ふとした拍子に父が立ち止まる。 そして、ぽつりと語った。 「ノア、火は上に登り、水は下に流れる。 人の本性も、たぶんそんなふうに“向かう先”があるんだと思う」 #霧隠れの火と水 #第一章

「でも、それでも人は名づけることで、自分の世界をつくってきた。 だから大切なのは、その“名”に縛られすぎないことだ」 霧の奥に、何かが見えた気がした。 #霧隠れの火と水 #第一章

「ノア。名づけるってことは、切り分けるってことなんだ」 父のその言葉は、どこか老子の言葉に似ていた。 “名可名、非常名” 名前をつけた瞬間に、世界は分かたれてしまう。 名づけられる前の“混沌”こそが、すべての始まりだったのではないか。 #霧隠れの火と水 #第一章

花の名、星の名、数式、理論…。 でも、霧の温度や、風の優しさには名前がない。 そしてふと思う。 自分の“好き”や“怖い”という感情も、言葉では言い表せないことがある。 #霧隠れの火と水 #第一章

山道を登る途中、父はこんな話をした。 「お前たちは、これからたくさんの“名前”を覚えるだろう。 でも、本当に大事なものほど、“名付けられない”んだ」 ノアは黙って歩きながら、それがどういう意味なのかを考える。 #霧隠れの火と水 #第一章

「ちゃんと見えないことが、悪いとは限らないんだよ」 そう言って父は、霧の中に足を踏み入れた。 #霧隠れの火と水 #第一章

翌朝、谷には濃い霧が立ち込めていた。 ノアは、父とともに山の上に向かって歩き出す。 「今日の霧は深いな。まるで、自分の中の考えみたいだ」 父の言葉に、ノアは頷く。 見えないものの中を進むというのは、不安で、だけどどこか安心でもある。 #霧隠れの火と水 #第一章

「炎ってさ、じっと見てると“揺らぎ”があるだろ？ あれはな、決まった形がない証拠なんだ。 でも、その“定まらなさ”の中に、真理が隠れてると私は思った」 父の声は静かだった。 霧のように、そして火のように、ゆらりと心に届いた。 #霧隠れの火と水 #第一章

その夜、焚き火のそばでノアは父に尋ねた。 「なんでこの谷を選んだの？」 父は少し考え込んで、火を見つめたまま答えた。 #霧隠れの火と水 #第一章

「世界を変えるより、自分の“見方”を変える方がずっと難しい。 でも、それができたとき、本当に変わるのは“世界”の方なんだ」 父は、そんなふうに話していた。 #霧隠れの火と水 #第一章

父はかつて、世界の最前線で言葉と数字を武器に戦っていた人だった。 変化を恐れず、むしろ変化を“設計”する側だったという。 でも、あるときそのすべてを手放して、霧の谷へやって来た。 #霧隠れの火と水 #第一章

「きっとね、空と地面が、仲良くなりたいときに出るんだよ」 ミールは目を丸くして笑った。 その笑顔を見ながら、ノアは思う。 目に見えないものの理由を、理屈ではなく詩で答える父を、少しだけ理解できた気がした。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアが腰を下ろすと、ミールも隣にちょこんと座る。 風が、ゆっくりと草を揺らす音がした。 「ねえノア、なんで霧って出るの？」 ミールの問いに、ノアは少し考えてから答える。 #霧隠れの火と水 #第一章

けれど、わからないからこそ歩くのだと、 霧の谷に生きる者たちは知っていた。 霧は、問いそのもの。 答えはいつも、霧の奥にあった。 #霧隠れの火と水 #第一章

「変わることを恐れるな。むしろ、変わらないことのほうが怖い」 父が残した言葉は、時に風より重く響いた。 ノアは立ち止まる。霧の先に見える、かすかな光。 その先に何があるのか、誰にもわからない。 #霧隠れの火と水 #第一章

霧の中で変わる木々のかたち、足音の響き、心の動き。 昨日とは違う今日が、確かにここにある。 けれどその「違い」を受け入れるのは、思ったより難しい。 「変わること」を許すことは、 「今の自分」を疑うことに似ていた。 #霧隠れの火と水 #第一章

昔、父にこう言われたことがある。 「この世で変わらないものは、“変わり続ける”ということだけだ」 ノアはその意味を、歩きながら噛みしめていた。 #霧隠れの火と水 #第一章

ノアは心の中で問いかける。 昨日と今日で、同じものは本当にあるのだろうか。 それとも、違っているのは「見えている自分」の方なのだろうか。 #霧隠れの火と水 #第一章

山道を歩くふたり。 ミールが指をさす。「あれ、昨日の木だよ」 ノアが笑う。「それ、今日も言ってる」 同じ霧、同じ風、同じ石ころ道。けれど歩くたび、何かが少しずつ違う。 #霧隠れの火と水 #第一章

「今日は霧が深いよ。気をつけて行くのよ」母はふたりを見送りながら言った。 ノアは小さくうなずき、ミールの手を取って歩き出す。 霧に沈む足元で、カサッと落ち葉が鳴いた。 その音が、不思議と心に残った。 それは、物語のはじまりの音だった。 #霧隠れの火と水 #第一章