ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 8月度ラテン語講習会 受講範囲の朗読と考察を公開しました Recitation (Aenēis 2.361-375) and Slides_トロイア最期の夜 城下を支配するのは敵も味方もない人間の死_神意による無差別な大殺戮を経験した人間... youtu.be/G1hJ4gT1Umg

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 「遅いぞ」が共通の2つのエピソードが主・従韻律をも共有し、しかも、第1巻序歌結句と同じ韻律であるとき、掘り下げたくなります。 亡霊ヘクトルと睡眠中（仮死的）の彼の遭遇は、「この世の地獄」で殺し合う敵将と彼の遭遇に似る。 pic.x.com/ccfrnocs2b

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし ラテン語耳を持たない者にとって、グラフに数値化・可視化して初めて気付く、一連の詩行群の中で特異なニュアンスを持つ詩行 主韻律がD的で従韻律がP的である2.371と374が目立つ背景と含意を考えました pic.x.com/ivyuepnccv

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 【2.361-362 一体誰が、あの（戦争最後の）夜の（口にするのも忌まわしい）惨劇と数々の死の物語を、つまびらかに言葉で紡ぐことができるのだろう？】 2.361-369の、3行から成る3つのペリオドスには第1脚のD/S配列に特徴がありました。 pic.x.com/63nms9xyjk

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 主人公/詩人の、心の言葉の葉擦れが聞こえるかもしれないと、silva(森)に分け入る。 添付スライドの場面では、韻律上のキアスムス関係で結びつく詩行同士は意味上の因果関係を持つだろうとの期待をコンパスとして。 pic.x.com/rwwskucb3b

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 死に向けて出撃したアエネーアースらが、死の支配下に入った街を過ぎて、ついにギリシア勢と遭遇する。 彼らを待つのは「死」（確定している過去の栄光への殉死）か、「生」（不確かな未来の栄光への労苦）か、束の間の決着猶予か！ pic.x.com/vnxjhltaes

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 「Urbs antīqua」で始まる1.12と2.363の2行は、 対比によって互いの文脈をあぶり出す antīquaとは？ 1.12のfuitとは？ なぜ2.363ではruitなのか（fuitでも意味と韻律を保ちうるにもかかわらず）？ pic.x.com/rcvcqe2e5c

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 起死回生の反撃につながる「敵の勘違い（我らは仲間）」を描写する場面では、韻律に「ひねり」があっても不思議はないのでは？ pic.x.com/fi3qgiwizs

ウェルギリウス『アエネーイス』 #韻律なくして真実なし (1/2) 「内容と韻律形式の一致」において、水の分子配列の「規則性」をイメージします。個体結晶の氷ではガチガチ、気体の蒸気では無秩序、しかし液体の水では、短範囲の規則性が、体積一定の秩序の下で方円の器に従う自由度を与える。

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし 2.362と1.627-628：「DSDSDS|AAPPAA」の主・従韻律が繋ぐディードーとアエネーアースの深まる連帯感 なおこれを踏まえれば、4.449で「lacrimae inānēs」をディードーに対して流すアエネーアースの心情が通り一遍ではなくなるようです。 pic.twitter.com/0spxNigs3C

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし アエネーアースは復讐心ゆえに神命を忘れ、滅びる祖国に殉じようと若者らをも洗脳したが、彼らはみな死に己一人が生き残った。ピエタ―スの中枢が復讐から敬愛に切り替わり、我に返った時、大いなるトラウマを抱えたのではないだろうか？ pic.twitter.com/JHOrZyiQ9Z

ウェルギリウス『アエネーイス』第2巻 #韻律なくして真実なし なぜ2.355の最終脚の従韻律を「lu|pī ceu'」の破格(ictusとアクセントの不一致)とし、もって「lupus:狼」を強調するのか？ 1/3) アエネーアースらと、『イーリアス』16.155-167で「狼」の狂暴性に例えられるミュルミドネス族との対比