#100文字の架空戦記 #氷山空母を撃沈せよ 山本長官から岸田艦隊の作戦の概要を聞いた阿合捷一郎は一言、 「駄目だな」 と一言で切り捨てた。 「補給船団の攻撃も艦尾への攻撃も恐らく失敗するだろうな。」 「……」 「そもそもあの氷山空母は米海軍最後の砦だ。易々と無力化はさせてくれまい」

#100文字の架空戦記 #氷山空母を撃沈せよ 「日本艦隊の動きは？」 「フィリピンのタウイタウイから動いた様子はありません。一部の艦艇はブルネイへ戻った様子です」 「長官、どうしますか？」 キャンベル参謀長はウォード大将に尋ねた 「我々は予定通りマリアナの日本軍の航空兵力を潰すまでだ」

#100文字の架空戦記 冬の大阪。大阪城を包囲するは徳川の大軍勢。 だが黄金の城の天守より、雲霞の敵を見下ろす禿鼠が1匹。 「狸がぁ。俺が死んだらこうなるだろうと思ったら案の定の糞野郎……だが、天下は秀頼のもんだ、てめえにはやらねえ。照覧あれ信長様。猿が狸の喉笛かっきってくれようぞ！」

帝都だった街は、繰り返される爆撃で一面焼け野原と化した。 「正午から重大放送があるそうだ」 辛うじて機能しているBBC本局から、訥々とした口調で終戦を告げるジョージ六世の肉声が放送される。 「enduring the unendurable and…」 バトルオブブリテンは寸前で回避された。 #100文字の架空戦記

川田二尉が撃たれた。敵の重機関銃だ。その陣地は私と他5名が擲弾筒で潰した。二尉はお腹から下が無かった。でもかけよる。声をかけたけど視線は動かない。いや途中から泳ぎだした。たぶんダメだ。 #100文字の架空戦記

「川田二尉！かわ、りょうたろさん！もうすぐメディックきます！大丈夫です！五木の救護所まで下がれます！がんばって！」 園木が叫んでいる。俺か？違うな。丘の奪還で動いていたのはうちの小隊だけじゃない。3個小隊。他に貴重な1個特科中隊。対戦車小隊もいたな。他の誰かだ。 #100文字の架空戦記

右腕の感覚が無い。それよりも腹から下が無いように感じる。痛みは無い。 「しょうたいちょっ！あっ、衛生っ！しょうたい、川田二尉が！」 園木の声が聞こえる。遠くでスピーカーでがなりたてるみたいだ。必死に衛生を呼んでる。誰だ、負傷したの誰だ？ #100文字の架空戦記

天城が対空警戒しているなか、空母の各艦は攻撃隊を収容していく。ぼうとしているに見える葛城も日頃の訓練の成果か滞りなく自身の攻撃隊を収容していく。全出撃機の収容を第１７任務部隊は、乱れた陣形を再編を行い進撃を継続する。 #100文字の架空戦記 #戦艦少女R

#100文字の架空戦記 #征途 「救助が先だ、海の男だろ!」 海自艦隊と刺し違える命令を下しかけた艦長に政治将校の怒号が飛ぶ。 その叫びが艦長を思い留まらせ、撃沈された〈統一〉らの溺者救助の為に舳先を回させた。 人命救助で名を馳せた駆逐艦〈英雄〉の尽力で救われた命は千人を下らないとされる。

「コースよし、コースよし、コースよし、用意、用意、用意、降下、降下、降下」 網膜投影ディプレイには軌道上に支援のため戦闘巡洋艦が進入した情報が表示されている。 輸送機腹部のカーゴベイからスリック爆弾のようなカプセルが投下されると同時に減速の噴射が開始さてた。 #100文字の架空戦記

#100文字の架空戦記 「あ号作戦が中止だって?」 「ああ、大鳳はエレベーターの故障でその上航空ガソリン漏れが発覚,隼鷹は機関室から出火,その上翔鶴が敵潜の雷撃を受け小破…この3隻が戦列に復帰するには最低でも2ヶ月は掛かる」 「それじゃマリアナは…」 「氷山空母のなすがままになるな…」

#100文字の架空戦記 ドーラーから信じられない速射で放たれる砲撃で東京駅が、銀座の時計台が、下町が、そして皇居が焼かれていった。 半壊した海軍省軍令部から米内は燃える帝都をただ見つめるしかできなかった。 「…もはやこれまでか…」

#100文字の架空戦記 最後に残された大和の艦砲射撃により氷山空母や回りの敵艦隊は燃える鉄屑と化した。 だが突如氷山空母が割れ崩れ落ちていき中から何かが現れた。 それは独軍が残した最強砲ドーラー80cm砲を乗せた超戦艦だった。 もはや大和に戦う力は残されていない。 ドーラーは帝都へ砲を向けた

#100文字の架空戦記 背後で氷山空母が爆炎を上げるのが見え目に涙が浮かんだ ぼろぼろの零観は浮いているのが不思議な大和のそばに不時着水した。 「加藤よくやった。どうも生きて帰ったのは俺たちだけみたいだ…加藤?」 大和艦橋は活気に満ちていた 「隊長やりました！氷山空母が動きを止めています

#100文字の架空戦記 歴史改変を望む未来人達の介入により大戦は大きく歪み連合軍の思わぬ大反撃に帝都は目を覆う惨状となった。 それを目にした御上皇の意思を受け大本営は降伏を選んだ。 だが未来人達と連合艦隊は認めなかった。 未来人達が最後に残された瞬間物質転送基により艦隊は東京湾へ突撃した x.com/ne5596/status/…

#100文字の架空戦記 「高度6000。これより反転降下。目標は眼下の敵だ‼ いくぞ‼」 「なぜだ?!降伏使節が引き返していくぞ。」 日本の内火艇が目前で引き返していくと米兵達は唖然とした。 「報告!直上高度に航空機多数‼」 「東京湾へ侵入‼敵艦隊まもなく視認します‼」 「全主砲火器砲門開け‼」

#100文字の架空戦記 「伝令!1200大和旗下残存艦は東京湾へ突入。敵艦隊撃滅す。至急安全圏へ退避せよ…」「いかん?!もう遅い‼」 降伏使節を乗せた内火艇は巨大戦艦モンタナの眼前に迫った。 「海軍大臣すぐに攻撃を止めさせるのだ‼」 側で立つ米内は険しい顔をした「無駄です…やらせてやって下さい

「おい、これはツライ、すげー揺れてる」 「ガッツリ戦闘角度突入だ」 「降下長より降下高度修正、本機は戦闘角度突入速度のまま、減速なし。高度1000で降下予定」 「まじか、オイオイオイ」 「オイオイオイ」 快適なはずの装甲機動服の中で変な汗をかく 「コースよし」 #100文字の架空戦記

園木二曹は最後になっちゃんの頭を二度三度撫でると、自分の幕舎に戻っていった。 「小隊長は前に出ないでくださいね」 去り際言った言葉が胸に突き刺さる。でもな、園木二曹、おれは指揮官戦闘で走るだけでここまで生き残ってきた小隊長なんや。明日も、そう。 #100文字の架空戦記

「そんなんで明日の作戦、お腹すくんじゃないですか？」 「先に牛しぐれ煮、たべてたから」 「一口しか食べてなかったじゃないですか」 「よう見てるね」 「明日、隅代橋の陣地、とらないといけないんでしょ。小隊の半分は、まぁ、ダメな感じになりそうじゃないですか」 #100文字の架空戦記

「小隊長、小隊長は子供にやさしいから、殆どなっちゃんに食べさせてましたよね」 簡易ベッドに寝かせたなっちゃんをポンポンと叩きながら、園木二曹が話しかけてきた。 「あー、うん。なっちゃんはいっぱい食べて生き残って、またこの国を立て直してもらわへんといかんからね」 #100文字の架空戦記

彼女のキラキラとした目は今でも忘れない。一口ずつ、交互に、自分となっちゃんとで一つの箸で食べ、ほんの5分もたたないうちにその容器は空になった。 #100文字の架空戦記

膝の上に女の子を乗せ、食べかけのご飯に彼女が持ってきてくれたサンマの蒲焼を開け、乗せた。 「おっちゃん今からご飯食べようと思ってたんや。一緒に食べよやないか。なっちゃんの持ってきてくれた缶詰、おいしそうやなぁ！ここに一緒にどさっと乗せて。 はいおいしそう！」 #100文字の架空戦記

女の子は、溢れ出る涙をぬぐおうともせず、喋り続けた。 「かあちゃん、兵隊さんにころされた。とうっちゃん、ぐすっ、とうっちゃんふねで人たすけようとして兵隊さんにばんばんって！」 この子は両親を中国軍に。女の子を抱き上げ、自分の食べていた弾薬箱の場所に連れて行った。 #100文字の架空戦記

人生でこれほど衝撃をうけた瞬間はこの時をおいて無い。溢れ出る涙をこらえつつ、女の子の手にある缶詰を両手で受け取った。 「ありがとう！これでおじさんたちは元気がすごく出たよ。だからもうお腹いっぱいになっちゃった。これは持って帰ってお父さんお母さんと食べて、ね？」 #100文字の架空戦記

「ん？どした？」 同じく宝石より貴重なご飯を傍らに置き、女の子の前にしゃがみ込む。 女の子は、迷彩服の大きなおっさんが近くに来たことで更に緊張したらしい。 目に涙をためて息を飲むと、一気に話した。 「じえたいさん、まもってくれて、ありがとー！これ、たべて！」 #100文字の架空戦記

「じえたいさん、これ、たべて」 前に差し出した女の子の手には、缶詰が握りしめられていた。サンマの蒲焼。よくスーパーで見たやつだ。今はもう宝石より貴重品と言っていい。 「こっ！」 女の子は緊張しすぎて言葉もでないようだ。 #100文字の架空戦記

缶メシなんて久しぶりだ。牛しぐれ煮。冷たいままのご飯といっしょに口に入れるだけで涙が出そうになる。 「あっ、なっちゃん！なっちゃんそっちいっちゃだめ！」 うちの小隊の女性二曹の声がした。タタタッと小走りな足音が聞こえた先には、6,7歳だろうか、小さな女の子がいた。 #100文字の架空戦記

幕府空軍・奥詰第１大隊。 御一門、清水（徳川）好敏空軍中将の嫡男・豪英少佐が直率する清水戦闘団は、内外の武力紛争で常に初動投入される空挺の最精鋭だ。 そのモットーは「清水の部隊から飛び降りる」。将軍より賜った、葵と三翅プロペラを重ねた部隊章もよく知られている。 #100文字の架空戦記

#100文字の架空戦記 日本が早期に高度経済成長を成し遂げた世界。第二次世界大戦でドイツはソ連に勝利し、共産主義は衰退した。歴史の積み重ねは国鉄を21世紀になっても動かしている。

タンカーには、長期任務が与えられるため故障や船体の損傷があっても大丈夫なように、船体構造の研究も行われた 弩級タンカーは全て3重底であり、船体側面部も4層で守られていた #100文字の架空戦記 #条約違反艦選手権

合衆国とイギリス、そしてフランスはこれに疑念を抱いていたが、ハリケーンから退避するためにトラック環礁に入港した各国の商船や客船が、これらの艦船の手によって助けられたことで当初より軟化した （しかし、疑念は消え去ってはいない） #100文字の架空戦記

そして、給油と整備のために建造された通称・鯨級タンカーは3隻建造され、本土ー南洋ー給油地を定期的にローテーションして回っている 関係者からは、条約により軍事基地建設ができない中での最適解とも言われていた （なお、豪州はこれに強烈な不満を表明していた） #100文字の架空戦記

新たな信託統治領を得た一方、台湾や半島のような投資を行う余力はなかった ある程度の支援と自活への道筋、そして将来的な前線基地としての役割が求められた 燃料基地の建設より超大型タンカーと大型水産加工船をローテーションで常駐させる案が出たのはこうした背景があった #100文字の架空戦記 x.com/SilentGhost199…

「ノー、サー。これは帝国陸軍予算で築造した『自走式の洋上トーチカ』であります。46糎加農砲の砲台が3基、高射砲陣地もあります」 「…!?」 さすがのキング提督も開いた口が塞がらない。 「俺は条約失効までA-140を隠し通したかったヨ」 山本がぼやいた。 #条約違反艦選手権 #100文字の架空戦記 pic.twitter.com/pw7DdVjjrt

「空母はこの海峡を通過できません。条約で禁止してます」 「これは空母ではありません。航空巡洋艦です」 #条約違反艦選手権 #100文字の架空戦記 pic.twitter.com/noJovJsBkz

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「条約が規制しているのは水上の戦闘艦……潜水艦ならば条約違反の誹りを受けないのではなかろうか？」 かくして、我らが帝国は37センチ砲を『主砲』として備える潜水戦艦の設計に着手した。 #条約違反艦選手権 #100文字の架空戦記

「本当にいいのか、駆逐艦4隻が巡洋戦艦4隻なんて」 ドゥーチェお気に入りの(寵童と噂されている)少尉は建造中の船を見上げた。 既に船体は完成し、主砲塔の据付作業中だ。 「ええ」 傍らの高官が答えた。 「駆逐艦もどきの巡洋戦艦、マエストラーレ級です」 #100文字の架空戦記 #条約違反艦選手権