R071　棟方志功　新潮日本美術文庫。棟方と宮沢賢治は根底に流れる原始的な情動みたいなところが似ているな、と思っていたが、やはり「雨ニモ負ケズ」で版画を作ったりしていたのね。寡聞ニシテ知ラズ。 #140字の感想文 pic.x.com/8w7H6diOjB

R070　ふれあいの人々宮沢賢治　森荘已池　熊谷印刷出版部。直木賞作家が接した宮沢賢治の思い出を綴った手記。青森の古本屋「瘡蓋」で見つけた。デザインが滅茶苦茶可愛い。 #140字の感想文 pic.x.com/hyKM0qCOg5

R069　きみのためのバラ　池澤夏樹　新潮文庫。大人のための童話、という言葉が適切だろうか。不思議な、人と人との出会いの物語。思い返してみれば、そんな出会いはいくつかある。それ以上進展しない、日々の泡のような。 #140字の感想文 pic.x.com/ypuyNRD4I3

R068　テキサス無宿　谷譲次　現代教養文庫。無宿、という言葉には籍を喪った者、という意味も含まれる。百年前、海外に渡ることは文字通り命懸けで時には犯罪まがいの無軌道に陥りながら放浪を続ける連中に不思議と、内部思考型の現代じゃっぷよりは遥かに共感を覚えてしまう。傑作。 #140字の感想文 pic.x.com/Lwm2BbRMdZ

R067　シャーロックホームズの生れた家　ロナルド・ピアソール　河出文庫。シャーロキアンという以前に推理小説好きにならなかった自分を不思議に思うことがある。推理が好きで、小説は好きなのに。チャレンジャー教授は好きなので、今度はそちらからアプローチしてみようかな。 #140字の感想文 pic.x.com/jpYB5wn5Ap

R066　サクラマスの飼育手帳　魚住一三　三重大学出版会。声を大にして言いたいのは、三重にサクラマスはいないこと。サツキマスはいるけど。 どちらも美味しいお魚です。 #140字の感想文 pic.x.com/NMJ1V2KDMR

R065　大阪・関西万博「失敗」の本質　松本創編著　ちくま新書。始まる前から失敗と断ずるのは勇気がいる。だが、後から「失敗するのは分かっていた」と言い始める無責任さよりずっと良い。まあ、こうしたイベントで大衆が得をする時代はとっくに終わっているんだけどさ。 #140字の感想文 pic.x.com/tbHZUiKBFa

R064　苦役列車　西村賢太　新潮文庫。一般的に今一つ苦手ではある、私小説って奴は。共感より反感が立ってしまうからなのか。己の中にもある醜い心理を正視したくないからなのか。変わり映えのしない日常にうんざりするからなのか。 #140字の感想文 pic.x.com/caG0OWojGE

R063　狩野永徳　新潮日本美術文庫。狩野派は豪華絢爛過ぎてどうも趣味に合わない。第一、世襲なんて何処ぞの国の議員みたいで、あざとくて気味が悪い。ただ、こんなんは生で見といた方が良い気もする。ルーブルなんぞ行かなくても圧倒的な美がここにあるではないか。 #140字の感想文 pic.x.com/ysze2iwazn

R062　水滸伝　嵐翠の章　北方謙三　集英社文庫。出オチ感では梁山泊随一のあの人、61番のあの人が出て来ると期待していたのに、名前だけだったわ。もしかしてこれがティザー効果かしら。映画三部作にするなら、二部のクライマックスに向けて期待感しかないのに。 #140字の感想文 pic.x.com/izrjgklle5

R061　鳥類学者だからって、鳥が好きと思うなよ。　川上和人　新潮文庫。わかるよ。多分あんたが好きなのは調査に向かう船中で読む古びた漫画。カップ麺と袋菓子。未踏の地に踏み入れる瞬間の開放感。そう考えてみると奇行種である鳥類学者と俺たちの差はそれ程ないかもしれん。 #140字の感想文 pic.x.com/ixiyw8rfqh

R060　ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを　カート・ヴォネガット・ジュニア　早川文庫。ヴォネガット、特に浅倉久志訳はアイデアも語り口も抜群で、ニヤニヤしながら一気に読んでしまうのだが、日が経つと何故かそれを忘れてしまう厄介者。結局どれが未読か覚えていない。 #140字の感想文 pic.x.com/p8hpbb0rm1

R058　暗黒神のくちづけ　C・L・ムーア　早川文庫。松本零士ファンなら表紙＆イラストだけで買う価値あり。何ならダフト・パンクファンも。内容としては厨二全開の異空間美処女二次元モノなのでそちらがお好きな人にも是非。私は「男おいどん」ファンですが。 #140字の感想文 pic.x.com/pim50ujsct