第632回 ｢阮簡曠達(げんかんこうたつ)｣ 人柄が大らかなたとえ。 ｢曠達｣は心が広く細事にこだわらないこと。 晋の阮簡は細事にこだわらず、父の喪の最中に外出して、県の長官が別の人のために用意していたご馳走を食べ、得意に清談を行ったという故事から。 #よじしょしゃ

第631回 ｢春寒料峭(しゅんかんりょうしょう)｣ 春になっても寒さが残り、春風が肌にうすら寒く感じられるさま。 ｢料｣はなでる、触れる、｢峭｣はきびしい意。 #よじしょしゃ

第630回 ｢粉愁香怨(ふんしゅうこうえん)｣ 美人がうらみ悲しむ姿の形容。 ｢粉｣｢香｣は化粧した美しい顔の意で、｢愁｣｢怨｣はうれいうらむこと。 #よじしょしゃ

第629回 ｢菜圃麦隴(さいほばくろう)｣ 水をたたえずに、野菜や穀類を栽培する農耕地、すなわち畑のこと。 ｢圃｣ははたけ、｢隴｣はうね、はたけ。 #よじしょしゃ

第628回 ｢天涯比隣(てんがいひりん)｣ 故郷を遠く離れていても、すぐとなりにいるような親しい関係のこと。 #よじしょしゃ

第627回 ｢白日昇天(はくじつしょうてん)｣ 仙人になること。また、急に富貴になること。卑しい者が出世すること。 ｢白日｣はひるま、また照り輝く太陽のこと。 #よじしょしゃ

第626回 ｢多岐亡羊(たきぼうよう)｣ 方針が多すぎて選択に迷うたとえ。 思想家楊子の隣人の羊一匹が逃げ、それを大勢で追いかけたが分かれ道が多く、結局とり逃がしてしまった。楊子はそれを聞き｢学問も同様で、多方面に分かれすぎその根本を理解できないのだ｣と嘆いた故事から。 #よじしょしゃ

第625回 ｢獣蹄鳥跡(じゅうていちょうせき)｣ 世の中が乱れてけものや鳥が横行すること。 ｢獣蹄｣はけもののあしあと、｢鳥跡｣は鳥のあしあと。 #よじしょしゃ

第624回 ｢朝朝暮暮(ちょうちょうぼぼ)｣ 毎朝毎晩。 #よじしょしゃ

第623回 ｢暴虎馮河(ぼうこひょうが)｣ 向こうみずのたとえ。血気にまかせた無謀な行動のこと。 ｢暴虎｣は虎を素手で殴ること。｢馮河｣は大河を徒歩で渡る意で、どちらも無謀な行為を指す。 #よじしょしゃ

第622回 ｢巧偽拙誠(こうぎせっせい)｣ 巧みに偽ることと、拙くともまごころがあること。 また巧みに偽ることは、拙くともまごころがあることには及ばないこと。 #よじしょしゃ

第621回 ｢白竜魚服(はくりょうぎょふく)｣ 貴人がしのび歩きをして危険にあうたとえ。 神霊な白竜が魚の姿に化けていたとき、予且という漁師に目を射られ、捕らえられたという説話から。 #よじしょしゃ

第620回 ｢沙中偶語(さちゅうのぐうご)｣ 臣下が謀反の相談をすること。 ｢沙中｣は砂の中、人気のない砂の上。｢偶語｣は向かい合って相談すること。 漢の高祖劉邦が建国したとき、論功行賞からはずれた家来が、砂地に座ってひそかに謀反の相談をしていたという故事から。 #よじしょしゃ

第618回 ｢蹇蹇匪躬(けんけんひきゅう)｣ 自分のことは二の次にして、主人や人に尽くすこと。 ｢蹇蹇｣は身を苦しめて忠義を尽くすこと。 ｢匪躬｣は自分の功名や富を捨て去ること。 #よじしょしゃ

第617回 ｢夢幻泡影(むげんほうよう)｣ 人生がはかないことのたとえ。 夢と幻と泡と影で、いずれもはかないもののたとえ。 #よじしょしゃ

第616回 ｢落筆点蠅(らくひつてんよう)｣ 過ちをうまくとりつくろうこと。 中国三国時代、呉の画家曹不興が孫権の命で描いたとき、誤って筆を落として汚れをつけたが、巧みにつくろって蠅に描き変えてしまった故事から。 #よじしょしゃ

第615回 ｢春和景明(しゅんわけいめい)｣ 穏やかでひざしが明るい春の陽気のこと。 #よじしょしゃ

第614回 ｢瓶墜簪折(へいついしんせつ)｣ 男女が離れて二度と会い得ないたとえ。 ｢瓶｣はつるべ、｢簪｣は玉のかんざし。 つるべの縄が切れてそれが井戸の底に沈み、玉のかんざしが中央から折れる、の意から転じた。 #よじしょしゃ

第613回 ｢暗香疎影(あんこうそえい)｣ 暗闇にただよう花の香りと、月光などに照らされて疎(まば)らに映る木々などの影の意で、梅の花や梅の木についていうことが多い。 #よじしょしゃ

第612回 ｢拱手傍観(きょうしゅぼうかん)｣ 何もせず手をこまねいて、そばで見ていること。 ｢拱手｣はもと中国の敬礼の一つで、両手を胸の前で重ねる動作。転じて、手を組んで何もしないこと。 #よじしょしゃ

第611回 ｢杓子定規(しゃくしじょうぎ)｣ 一つの基準ですべてを決めようとして、応用や融通がきかないこと。 曲がっている杓子の柄を、無理やり定規の代わりにする意。 #よじしょしゃ

第610回 ｢蘭摧玉折(らんさいぎょくせつ)｣ 賢人や美人などの死をいう。 蘭の花が砕け散り玉が割れ折れる意。すぐれた人として終わりまでまっとうして死ぬことにもいう。 #よじしょしゃ

第609回 ｢投桃報李(とうとうほうり)｣ 善に対して善で報いることのたとえ。 桃が贈られてくれば、返礼としてすももを贈り報いる意。また、みずから徳を施せば人もこれを手本とするたとえ。さらに友人間の贈答にもいう。 #よじしょしゃ

第608回 ｢騏驥過隙(ききかげき)｣ ほんの一瞬の出来事のこと。また、時の過ぎることがきわめてはやい形容。 ｢騏驥｣は一日に千里を走るという駿馬のこと、｢過隙｣は戸の隙間の向こう側を駆け抜ける意。 もともも人の命の短さ・はかなさを嘆いていった言葉。 #よじしょしゃ

第607回 ｢暗送秋波(あんそうしゅうは)｣ かげで機嫌とりをすること。 ｢秋波｣はいろ目・流し目。｢暗送｣は(秋波を)ひそかに送る意。 #よじしょしゃ

第606回 ｢一牛鳴地(いちぎゅうめいち)｣ きわめて距離の近いこと。 牛の鳴き声が聞こえるほどに近い距離の地。また、のどかな田舎風景。 #よじしょしゃ

第605回 ｢総角之好(そうかくのよしみ)｣ 幼な友だちとの交わり。幼い頃からの親友。 ｢総角｣は髪を束ねて頭の両側に角のように垂らした髪型。小児の髪型で、転じて小児の意。 #よじしょしゃ

第604回 ｢悲壮淋漓(ひそうりんり)｣ 悲しく哀れな中にも意気のあること。悲しみのうちにも痛ましいほどの勇ましさのあること。 ｢淋漓｣は水などのしたたるさま。また、意気の盛んなさま。 #よじしょしゃ

第602回 ｢顚沛流浪(てんぱいるろう)｣ つまずき倒れながらさまよい歩くこと。 ｢顚沛｣はつまずき倒れること、｢流浪｣は所を定めずさすらう意。 #よじしょしゃ

第601回 ｢合縁奇縁(あいえんきえん)｣ ふしぎな巡り合わせの縁。 人と人との結びつきには、互いに気心の合う合わないがあるが、それもみな因縁というふしぎな力の作用によるものだということ。 #よじしょしゃ