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目覚めると紫の花を握っていた。葉や茎の棘が痛い。 わたしはその花を知らない。手のひらが血で濡れている。 花からは何の香りも感じられない。血の味もしない。花びらが零れ、シーツに散っている。 寝転んだまま虚空に腕を伸ばす。細く赤い線が手首を伝い、静かに降りてくる。 #不気味な書き出し文藝

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渋皮ヨロイ@yoroshibu

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