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石森みさお@140字小説@330_ishimori

私は幼い頃に母を亡くし、一時期この街に住む祖母の家に預けられていた。たぶん半年程しかいなかったはずだ。音信不通だった実父が現れ、私は言われるがままに引き取られた。ろくな記憶ではないが、そのたった半年の縁のおかげで私にもこの街への滞在許可が下りたのだから、禍福とはわからないものだ。 pic.twitter.com/t5swhueegM

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住宅地を歩いていると、どこからか蚊取り線香の懐かしい匂いが漂ってきた。道の少し先では一人の《面影》が私と同じように匂いの来る方向を探していて、顔形がわからないほど透き通って見えたが静かに微笑んでいるようだった。異なる世界線に放り込まれた《面影》が、何かの懐かしい面影を探している。 pic.twitter.com/tQLFyCCb65

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