240905 #日々の詩 #詩 到達点 小学校の児童が 奈良川をわたっていく 問責はそんなに重くない 今日の我が家では クーラーがいらず 蝉も鳴いている この平穏を乱したくなく 隙間時間に仕事をする人からの とどこおりない小刻みのふるえ （もしくは恐れ） にまごつき (続きは画像にて) pic.x.com/sjfkvqiyzu

240905 #日々の詩 #詩 タスクリスト 発語は時折 わたしに違う時間の流れを与える 今日はいい天気 ああ今日はとてもいい天気だ 一日の始まりに やりたいこと できることを紙に書き出し 優先順位をつくることが 日課になって 十九年が過ぎた どうあるべきかも どうすべきかも (続きは画像にて) pic.x.com/ijzivtxffo

240905 #日々の詩 #詩 鶴 ある詩から導かれるように 詩がつらなっていく瞬間がある 今朝のだるさをとりのぞくように 歩いていると 家に鍵をかけた瞬間 家の中にいる人が どろぼうに入られたり 火事にあったり しないだろうかと考え 奈良川を越したとたんに ひとごろしはこの時間に (続きは画像にて) pic.x.com/yuuilyq8ml

240905 #日々の詩 #詩 目礼 あいさつを知り合いにかけることの 距離を必然的に 置かなければならないのだが ちょうどよい距離がわからない あの時もそうだった 千羽鶴をただ折っていた時に 自分がこれから年老いていくことも ミニトマトの芽は育って実をつけ (続きは画像にて) pic.x.com/anrpy7vbyk

240906 #日々の詩 #詩 呼応 いいだろう、というので いいわね、と返す 生きれば生きるほど 年を重ねれば重ねるほど 気持ちは楽になるらしい 誰かにとっての上野のように わたしにとっての渋谷はある ただ移動手段として つなぎ目の役割として 渋谷、そこにある町 （続きは画像にて） pic.x.com/tysd11q6we

240905 #日々の詩 #詩 岩崎ビル お弁当を作ったあと 岩崎ビルまで歩く 昨日は大水が降って 今日はとても涼しく 詩にはよい天気だ 年老いた友人たちは 業務用連絡を知らず 朗らかに笑っている わたしは ボンカレーの味を知らず 終戦も知らなかった ただ今日が詩によいことを (続きは画像にて) pic.x.com/9rwhqmkoq2

240905 #日々の詩 #詩 霧の信濃町 霧の信濃町はノスタルジーだと あの人が言っていた 失われた時間が 本当にあるとするならば わたしの寿命も少しずつ 長くなっていくのだろうか ひとりひとりの中に 隠された深い豊かな 湖があって いのちの泉も　星の時間も (続きは画像にて) pic.x.com/mdpbgh3s2t

240905 #日々の詩 #詩 台風ごっこ 小田急新宿行が こんなにも遅く走るのはえらい珍道中だと 隣の二人組が話している中 トランクを引いたわたしは旅をしている どうしてだろう　こんな雨の日に 旅行の計画を　立てていたのだろうか すべての快速電車は止まり (続きは画像にて) pic.x.com/rgpdxv1bau

240905 #日々の詩 #詩 行きたい 若いころはいつだって 遠くに行きたいと願っていた 宇宙的な詩をいくつも書けば もう遠くに行く必要もないのだろうか 乗り放題に「半額」の捺印 レシートの枚数 ただ人に会いにいくためだけの旅 数十ページの本に わたくしの指先から （続きは画像にて） pic.x.com/ugqxtgk3wf

240904 #日々の詩 #詩 書物 ウムラウトを発音するように 自分の生を閉ざそうとする人がいて あきれる 生きる意志は 誰にでもあって 生ききりたいのに 生ききれなかった 人の方が多い やりたいことは密集する 大嫌いと不安を 口癖にしている それがどんなにほかのひとに （続きは画像にて） pic.x.com/haof61bwq9

240904 #日々の詩 #詩 ケの日 かかとの低いパンプス どころではなく どんなに濡れても大丈夫な スニーカーと黒の無地のズボン そして歩き回り動き回り 病院、区役所、病院、病院 動き回った後 全身が痛くて ラジオを聞くしかない 雨が降っていることに変わりはなく （続きは画像にて） pic.x.com/ckqjzr3taw

240903 #日々の詩 #詩 わだかまる 行きの道があることは 同時に帰りの道があることで 生きることがあることは 同時に生ききることもできること そう気づいた川越の帰り道 わたしも そう　あなたも 思う存分　生きたいだけ生きた だからもう悲しむことはない （続きは画像にて） pic.x.com/vfsggcjeqt

240901 #日々の詩 #詩 おまじない ふと口さみしくなって スーパーで安かったブドウを口に入れる 私の家でブドウがでなかったのは せっかちな祖母に私が似たから 体がその時欲するものを口に入れると とたんに眠りが深くなる 我流だけど それがわたしのおまじない （続きは画像にて） pic.x.com/6yau6p0f7w

240830 #日々の詩 #詩 あらしの夜 ふと心細くなって 光る本にためこんだ いくつもの物語に思いを馳せる 大丈夫だ　ひとりだけどひとりじゃない 世界は音にあふれ わたしがひとりだということを証明してくれる 孤独というものはいつだってわたしにあって （続きは画像にて） pic.x.com/5febxd22wq

240829 #日々の詩 #詩 朝の光 なにかをさえぎろうと なにかをやめようとする時は きっとからだに朝の光が はいってきていないとき わたしたちは朝の光と うすぼんやりとしたコーヒーの匂いにつつまれる できたてのコーヒーを水筒に入れ 今日のサンドイッチを持ち運ぶ (続きは画像にて) pic.x.com/hx6ucjw1hx

240828 #日々の詩 #詩 ふるえ 寒かったと思っていた 自分がうまく働いていなかったこと ほんとうは暑くて 地は震え 怖い思いをしてよかったはずなのに 冷静に眠りに落ちてしまう きっとわたしは 眠りの世界の花に 身も心も奪われているんだろう コーヒーを飲みながら （続きは画像にて） pic.x.com/xnewzbc9zf

240827 #日々の詩 #詩　 ことば この世界の共通言語に わたしたちは笑うことを選んだ まだわたしが恋していたとき もう聞くことはないだろうと思っていた歌が バケツをひっくり返したような朝 語りかけてくれるよ わたしにも確かに あなたにも確かに 恋していたときがあったのだと （続きは画像にて） pic.x.com/1dkhwjlpjp

240826 #日々の詩 #詩 #夏休みの思い出 答え合わせ 木々の光が森に満ち 生きていたいと望む わたしは帰り道を持っている それと同時に答えを持っている 風は流れ　なつかしいひびきが 体の中につながれた心がうたう いま　ときはなて いまここにいることの誠実さと （続きは画像にて） pic.x.com/1bdn2dz1rn

240825 #日々の詩 #詩 #夏休みの思い出 はつなつのひかり、むじんえき のりまちがえて はつなつのさくらをみてしまう このよでひとつやねにいないからとて なんになりましょう わたしたちは はつなつのさくらを みている えいえんのわらべなのです はつなつのひかり、むじんえき （続きは画像にて） pic.x.com/jmpcy9fdno

240823 #日々の詩 #詩 まどろみの国 その国では誰もが平和な気持ちになれる 旅をするお金も時間もとれないまま 夕方六時を時計が示す 台所では食洗器がまわり これでよかったのだと こうでしかならなかったのだと 自分を納得させて ひとり 布団にもぐる (続きは画像にて) pic.x.com/mzxgcdpso0

240823 #日々の詩 #詩 朝のドラム 朝のドラムは鳴り響く スマートフォンの中から聞こえる 無実の正確さ 何もかもに罪はなかった 静かな朝に わたしだけのドラムが鳴り響く 反抗しようにも 間違ったことはしていない 打楽器は打ち震える 地を平らにならすまで (続きは画像にて) pic.x.com/uslcua0d0d

240822 #日々の詩 #詩 うしなわれた朝 やかましく時は過ぎ去りそうになる パッキングをあらかた終えて だいたい光る本一つで どこへでも行けると知った日 すべてのひとの慌ただしさも すべてのひとの朝も 全部光る本によって とじこめられてしまった物語 雨の下　わたしはここで （続きは画像にて） pic.x.com/wpnq2yem4j

240821 #日々の詩 #詩 家守 わたしの家には家守が出る 夜になると家族の部屋に何匹か 暑さで体がやられてふせっていると 家守の鳴き声が聞こえた 家守、鳴くときは 大変なことが起こっている時 わたしの体がやられても 家はわたしを見放さない 家守の警告音は きっとわたしの （続きは画像にて） pic.x.com/gvbhpsevju

240819 #日々の詩 #詩 きづかう 祭りについて考えた夏の午後 伴侶と呼べる人は絶望している 彼の絶望は今に始まったことではないので おっとりとかわす 眠っているあいだに地は震え 早く寝る人が深夜まで起きていたこと こちらはもう朝だ 青空が広がる東京の海を見ながら （続きは画像にて） pic.x.com/k5w7xv0var

240818 #日々の詩 #詩 とても静かだ 生ききるということは もう何も聞こえない もう誰にも怒らない 静かでやさしい空間の中に 身を浸すことだと 最近気がついた 今まで怒っていたのは なんだったのだろう 今ここは とても静かだ 台風が去って わたしたちの町に平安が訪れ （続きは画像にて） pic.x.com/wei3sxmndg

240817 #日々の詩 #詩 道 小野路に至る道を走れば ふるさとが見えてくる 人嫌いにもなりきれないから どれだけことばが好きでも 夕暮れの景色は奪えない わたしたちの週末 図書館の貸し出し冊数と 父の笑い声 わたし・たちの あきらめないこと いつかいつの日にか （続きは画像にて） pic.x.com/tyxync1bzu

240816 #日々の詩 #詩 生命力 自分にしか見えないものがある 生きるということを見ることができたら 生きて生ききって飛ぶことが 自由になることとからだと魂が離れることが うつわはすべてもとの土に戻るということが 正解と不正解の間に 現実と理想の間に （続きは画像にて） pic.x.com/nrv0n7nwln