バースデーパーティに先駆けて、C#で小さなお茶会。優しい香りに包まれ、幸せそうな笑顔が浮かぶ。 「素敵なアフタヌーンティーね…あれ？」 ケーキスタンドの片隅に、たい焼きがひとつ。 「あ、それはね…」 「あちらのお客様からで～す♪」 美奈都が振り返ると、ネコセンパイがにゃあとひと鳴き。

寮にフラニーの父親からプレゼントが届いた。大きなテディベアを抱えて微笑む姿を写真に収め、あとで送ろうとプリントアウト。誕生日なのに会えないのも寂しいね？ 「まぁ、パ…父もお仕事ですし」 理事長に頼んだらクール便で送ってくれるかもよ？ 「父を！？そ、それは嬉しいような怖いような…」

パーティもたけなわ。みんな楽しそうだ。 「最後はわたしたちとプロデューサーから！」 秋葉に背中を押されてフラニーの隣へ。 「それじゃ…さんはいっ」 美奈都の伴奏に、僕は咳払いをひとつして歌い始める。 ──Happy birthday dear Frannie♪ 差し出した花束を、照れ臭そうに受け取ってくれた。

「災難でしたわねぇ…すみませんうちの野々香が」 はは…まぁ後で胃薬くれたし、何より僕も用意できたしね…はい。 「カボチャのカップケーキ？ふふっ、carina♪」 味は野々香のには及ばないけど。 「もぅ…そんなこと仰らないで」 一口はむっと。 「…おいしい」 その笑顔だけで、もうお腹いっぱい。

フラニーの祖母がプレゼントを渡したいと言うので下町へ。 帰りがけに、ご近所さんからも次々に贈られて、あっという間に両手が塞がる。 「嬉しいですけど…ちょっと大変ですね」 だね…これじゃ僕からのプレゼントはもう持てないかな？ 「えっ！あ、あるんですか！？も、持ちます！持ちますからっ！」

パーティでの一番の注目は、C♯の面々が身につけたお揃いのファッションリング。 「なんか…イイね」 「ねー！なんかこう、一心同体！みたいな感じする」 「一致団結って感じじゃない？」 盛り上がる秋葉と美奈都の様子を見て、フラニーがくすっと。 「…素敵なプレゼントになったわね。ありがとう」