猿の高慢というタイトルの皮肉にも唸る。 所詮は猿、という諦念を感じるラストとは裏腹に、描かれる猿達は生き生きと魅力的で生命力に溢れていて、本当は諦めたくなどないものがそこにあるのだと強く感じた。 チダーナンの作品は以前読んだものも面白かったし、もっと読んでみたい。 #タイ文学

『群猿の高慢』チダーナン・ルアンピアンサムット著、読了。 文芸誌『文藝』に収録の短編。 人間の近くで生きる３つの猿のグループの争いに、自分を含めた人間社会の縮図を見ていくと最後に叩き潰される。 グイグイ読ませる面白さで視点をぐっと近寄らせてからのオチが気持ちいいくらい。 #タイ文学

読める構成もありがたかった。 タイ文学についてはこれまで読んだ情報に加えて更に大衆小説も含めた文学界全体の流れを知れたのも面白かったし、収録された短編「放火犯」が凄く分かりやすく面白くて、タイ文学をとっつきやすく感じさせてくれるまさに入門書にぴったりな作品だった。 #タイ文学

『東南アジア文学への招待』宇戸清治・川口健一編、読了。 その名の通り東南アジアの国々の文学について解説、作品、年表の３つの項目で紹介する入門書。 タイ文学が目的で読んだけど、それぞれの国が抱える事情と絡み合うそれぞれの文学のありかたが興味深く、教わってすぐ短い作品が+ #タイ文学

【詩】#読了 ナワラット「かすかな動きを見るだけで」 全てが腐り果て、全てがひっそりと死んでいた。 ところがある日、その泥沼の中から、ハスがぱっと花開いた。 太鼓の音が寺から聞こえる。全土に銃砲が轟き、民衆が立ち上がったのを知る…… 映画の迫力あるカットを見たような感覚。 #タイ文学🇹🇭 pic.twitter.com/ivdIi8AXGv