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神田の部屋を出た後、ニイナは自室に入るや、室内に設置している固定電話の受話器に手を取り、ある人物に電話をかけようとする。 電話番号を押し、後は発信ボタンを押すだけなのに、躊躇う気持ちが生じてしまう。 #かどわかしの商売人

伍条 月斗(創作アカ)@5jyouTsukito

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夢から現に戻る時、それ即ち、神田平藏が目を覚ます時である。 「神田、大丈夫か?」 「あれ...、どうして...?」 身体を起こそうとした神田だったが、上手く起こす事が出来ずに居ると、直ぐに手を貸して神田の背中を支える。 #かどわかしの商売人

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しかし、相手は何かを考えた後、神田の目を見て話しかけてくる。 『しかし、俺が前に出すぎても、周りから怪しまれる時もあるからな。そこは流石に、弁えるつもりだがな』 「......」 『お前の中に俺は居る。という事は、意識してもらおうじゃないか...神田平藏』 #かどわかしの商売人

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この時、神田は現のような夢を見ていた。 目の前には自分とよく似た人物が、頭を俯かせたまま立っている。 声をかけようとしたが、口は開くものの、肝心な時に声が出ない。 『声が出ないか?』 それに対し、向こうは自分と似たような声を発して話しかけてくる。 #かどわかしの商売人

伍条 月斗(創作アカ)@5jyouTsukito

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それを見たニイナは蝶を振り払い、神田の元に近寄り「大丈夫か?!」と、声をかける。 息はしているものの、返事は未だにない。 ーーしかし、この子は一体何故、このような事を...? 地に落ちた黒い蝶達と麻澄を交互に見るが、二人ともこのままには出来ない。 #かどわかしの商売人

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「そうは、させるかってんだァ!」 その声に気付いた麻澄が振り返る暇もなく、ニイナは続けて彼女の手足に向けながら凍てつく力を発動すると、動きが取れなくなる。 するとどうだろう、ニイナ達の動きを捕らえ、外に居た蝶達の統率を失った。 #かどわかしの商売人

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「さぁ、共に参りましょう。私達の居るべき本来の、場所へ...」 黒い蝶に身動きを取られながらも、ニイナは手を伸ばし、自らの力を発動する。 手の辺りに居た蝶達は、みるみるうちに凍てつきはじめる。 #かどわかしの商売人

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「何が目的だ?」 「アナタには、関係...ない」 麻澄が手を伸ばすと同時に、黒い蝶達は更にニイナ達の元に集まり、身動きが取れない上に、一時的に視界も奪われてしまった。 その隙に、麻澄は神田の身を起こす。 #かどわかしの商売人

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鍵が開いたタイミングで、ニイナとブラウニーが神田と麻澄が居る部屋に入った時だ。 外で待ち伏せていた黒い蝶達が麻澄の呼び声と共に二人へ向かい、その身に纏うように襲う。 #かどわかしの商売人

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数分もせずに、黒い蝶達が神田の部屋の窓の前に、更に沢山集まっていた。 その光景を見た麻澄は笑みを浮かべつつも、窓を開けたが、蝶達は麻澄の指示が出るまで中には入ってこない。 「お待ちくださいね」 小さい声で言うと、麻澄は扉の鍵を開けた。 #かどわかしの商売人

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「おい、大丈夫か?!!」 この屋敷の主でもあるニイナの呼び声が扉越しに聞こえるが、麻澄は既に部屋の鍵を閉めている為、部屋の中には入れない。 「折角、アルジ様と一緒に居られるのに、な...」 #かどわかしの商売人

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麻澄の呼び掛けをするも、一切の反応は無いが、口元に近付くと、息はしている。 「アルジ様...私の力が、強すぎましたかね...」 不安そうな気持ちで居た麻澄だったが、部屋の向こうからノックする音と大きな呼び声が聞こえてくる。 #かどわかしの商売人

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「麻澄、ちゃん...?」 その方を振り向いた神田だったが、白川麻澄の両目を見た途端、神田の意識は奪われてしまう。 (な...んだ、これ...) その場に倒れてしまう神田に、麻澄は耳元に近付いて囁く。 『アルジ様、...アルジ様。お目覚め、出来ますか?』 #かどわかしの商売人

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神田平藏と白川麻澄、二人の距離が先程よりも近くなり、良い感じの雰囲気になる所であった。 部屋が急に薄暗くなり、良い雰囲気からガラリと変わってしまう。 「あれ...?」 神田は立ち上がって窓の様子を見ようとしたが、麻澄がその手を掴んで引き止める。 #かどわかしの商売人

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ブラウニーの手を借りながらニイナ立ち上がり、改めて窓の様子を見ようとした途端、何処からか『アルジさま、アルジ様、あるじサマ...』と、何度も繰り返し発する声が聞こえてくる。 「アルジ、様...?」 「一体、何処から...」 #かどわかしの商売人

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先程まで姿が見えなかったブラウニーが、主でもあるニイナの声を聞き、その元に駆け寄る。 「ニイナお嬢様、どうかしましたか?!」 「ブラウニー...どこに居たんだ?」 「先程までゴミを整理に、裏口の方にいましたが...ニイナお嬢様の声が聞こえましたので、駆けつけた次第です」 #かどわかしの商売人

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下に戻り、リビングの方に戻ったニイナだったが、肝心のブラウニーの姿が見えない。 ーーどこに行ったんだ?それに、なんんか...部屋が暗い気が...。 視線の先には、庭先が見える窓ガラスがあるものの、黒いカーテンがかかったように見える。 #かどわかしの商売人

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自室に戻る為、2階に上がったニイナだったが、ふと神田の部屋前に立ち止まる。 ーー邪魔しちゃあ、悪いよな。春なんだから、さ。 と思いながら通り過ぎようとしたが、ふと床に目線を落とすと、気になるモノが視界に入る。 #かどわかしの商売人

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二人は早速、ブラウニーが用意してくれたイチゴを食す。 「美味しいですね、このイチゴ」 「うん、とても美味しいね」 食べ終えた後、神田の口元に残っているのを見た麻澄は、カバンからポケットティッシュを取り出して言った。 「アルジ様、失礼します」 「へっ...?」 #かどわかしの商売人

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扉を開け、ブラウニーが運んできたイチゴが盛られている皿を載せているお盆を受け取った。 それと、麦茶が入っているポットと二人分のコップも受け取った神田は、部屋のテーブルに置いた 「ありがとう、ブラウニーさん」 #かどわかしの商売人

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「アルジ様のお部屋...、とても綺麗ですね」 「そ、そうかな...?」 「はい!」 「...ありがとう、嬉しいな。そう言ってくれると、さ」 照れながら頭をかいていると、扉をノックする音の後に「神田様、イチゴ お持ちしました」と、ブラウニーが声をかけてきた。 #かどわかしの商売人

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自分の部屋に案内して入ったものの、神田にしたら、自分以外の人を...ましてや、異性を人を招き入れたのは初めての事だ。 ーーここまで来ちゃったけど、えぇーーこのあと、どーしたらいいのォ?!! #かどわかしの商売人

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対面式のキッチンの調理場では、ブラウニーが昨日採ったばかりのイチゴを包丁で切り、皿に盛り付けている所だ。 「今から、上に持っていくのか?」 「はい、その予定です」 「そうか」 「ニイナお嬢様も、お食べになりますか?」 #かどわかしの商売人

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地上に戻ったニイナは、丁度、神田と麻澄が屋敷に玄関に入る所と鉢合わせになる。 「ただいま、ニーナさん」 「こんにちわ、お邪魔します」 「あぁ、ゆっくりしてってくれ」 二人が二階に上がってゆくのを見守ったあと、ニイナはリビングに向かう。 #かどわかしの商売人

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ニイナ自身が扱うのは、一般的な「かどわかしの夢」だ。 現に、彼女が今居る地下室は仕事場でもあり、様々な夢の形態が沢山並んでいる倉庫でもある。 --どっちにせよ、コレもコレで私が扱うという事か...?後で、上に確認しておこう。 #かどわかしの商売人

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同じ頃、ニイナは仕事場でもある屋敷の地下室に篭っている。 ーー今回のは、純度が高い夢の量が少ない気がするな...。 新たに届いた液体型の「かどわかしの夢」を一つ手に取り、試飲していた所だ。 #かどわかしの商売人

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神田が住んでいる家こと、ニイナの屋敷に着いた二人を、庭の手入れをしていたブラウニーが迎え入れる。 「お帰りなさいませ、神田様」 「ただいま、ブラウニーさん」 「はじめまして、私は白川麻澄です」 #かどわかしの商売人

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聞き間違いだろうと、この時の神田は思ったが、麻澄は真っ直ぐに神田の目を見つめながら、復唱するように言葉を発する。 「アルジ様のお家に、寄っても...いいでしょうか?」 本来ならば、迷う気持ちが生じるはずなのに、この時の神田は一時の迷いもなく返答する。 #かどわかしの商売人

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授業が終わり、一人で帰ろうとした所であった。 神田の姿を見つけた白川麻澄は、手を降ってこちらにやってきた。 「今からお帰りですか?」 「うん、そうなるね」 「よかったら、なのですが...」 顔を赤くしながらも、神田にだけ聞こえるような声で言い続ける。 #かどわかしの商売人

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大学に着き、教室に入ると、何時も座る席には既に葛山葉繁貴が座っていたので、神田は隣に座り、最近よく見る夢について話してみた。 「身体が疲れる夢か......夢ってモノは、色んな意味が含まれてるなんて言うのは聞いたことがあるなぁ」 #かどわかしの商売人

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