#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel しかし、あのマドレーヌが私に幸せをもたらしてくれるのか？ 食物を摂ることの陶酔は恐ろしいな……糖分で疲れなど取れはしない。ケトン体が白米なんかより…… かつて栄養面でも英才教育を施された過去を彼女は呪った、腹は減ったが…………

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 持つべき友は、夫へと姿を変え、夫に呆れ、夫から逃避行をし、持つべき夫は今はスマホしかない。 隠せない明日を連れて、nobodyknows+(誰も知らぬ人々に加え) 彼女は指ひとつで再生をした。 マドレーヌが食べたい。マドレ…また涙が溢れた。

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 洗剤の泡のついた手を拭わず、ドアノブに触らず、接触型のタッチパネルに手をかざす。 「ピーッ！ピー、ピー、ピー！」 認証、できなかった。ああ、機械は人間より煩い… しかし育ちの良さが彼女を味方した。 涙の滲んだブラウスで手を拭う

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 彼女は、皿を洗おうとした。 その時、どこからか、スモークチーズの匂いがする…… 教会学校の夏季学校で食べた、海辺のマドレーヌ…… 彼女は泣いてしまった。 何も言わず、誰にも見せたくない情けない表情のまま…… 薫陶…忘れていた

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 「なに、私はWikipediaみたいなことが脳内再生してんのよ………」 彼女の光沢を放つ髪は表参道の美容室で6000円と2万円のトリートメントを受け、黒く、波打ち、海の恵みをふんだんに受けたよう潤んでいる。 CHANELの革の髪飾りは擦り切れて…

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 「多摩川ニューゴールズ」 Jリーグ発足とともに発足したプロサッカーチーム。 彼女は少年だった頃、そのジュニアユースに毬栗頭の慶應ボーイとともに在籍していた。 あの、なお現役で活躍し続ける「スーパーダディ明石」はチーム創成の礎。

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 印象と見た目というのは恐ろしい。 「五感」とはいえ、人は人のことを、その見た目から推測している。 その推測が当たるべく、みな息をしながら食べ物を食べるのだ。 「なによこの男……」 夫は無言。 性転換手術を受けた悪因でしかない。

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 「ふぅ……なんでこんなことばかりを繰り返し、繰り返し、思い出すのでしょうかねぇ……？」 彼女は横にいる夫に聞いた。 「同性婚が実現してたなら、私はもっとラクになれたはずよ、あなたも、ね？」 その夫は、かつての毬栗頭の少年だ。

#ため息は有酸素運動を繰り返す #Twitter小説 #twnovel 彼女は千代田区三番町に家のある、有名私大の附属校の制服を着た友達を思い出していた。 紺色の襟に、自分のベッカムヘアとは違う、毬栗頭。 「僕、サッカー嫌いなんだ。でも皆が喜ぶから僕はサッカーしている。」 衛生的少年の笑顔だ。

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