「ユウマ君」 「及川」 意を決して声をかけると、すぐに反応してくれた。 「勉強してるの？」 「そりゃあ、受験生だからな。及川もだろ？」 「うん。ちょっと中庭で話さない？」 「ああ、いいよ」 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #空　#雲 pic.x.com/kcqsr1ua0v

その瞬間、私の心臓が飛び上がった。 生まれて初めて、心臓が跳ねるものだと知って驚いた。ドキドキが止まらない。 踵を返して逃げてしまいたいと思ったが、目の前のユウマ君に心の内を伝えたい気持ちの方が勝った。 私は、胸の前で右手を握りしめ、彼に近づいた。 #即興小説 #万丈響雲 #空　#雲 pic.x.com/gcajl9mvgx

(いないなぁ) ひと通り館内を巡ったが、どこにも彼の姿は見つからなかった。 今日は来ていないのかもしれない。 探すのを諦めて自分の席に戻ろうとしたその時、ユウマ君がそこにいた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #空 pic.x.com/r8s7tyxg5g

深呼吸をしてから、図書館入口の自動ドアを入る。 三が日明けということもあり、人は少なかった。 冬休みの宿題をしに来たのだが、もちろん別の「宿題」の方がメインだ。 自分の席を確保してから、彼を探し始めた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/liitcxwggl

(図書館でユウマ君に会えますように) お正月、運命の女神様だけでなく、縁結びの神様にもお願いをする。 参拝を終えると、ほっとした気持ちと共に少しの勇気が湧いてきた。 (女は度胸) 意味不明の自己暗示をかけ、私は神社を後にした。 #即興小説 #小説 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/q8twxldcdc

もし、あの図書館でユウマ君にまた会えたら。 きっとちゃんと私の気持ちを伝えよう。 たとえ、心が傷つく結果になったとしても、何もしないまま卒業するよりずっとマシなはずだ。 (カミサマ) 私は思わず、運命の女神様に祈っていた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/kvy7zlulkm

中間テスト、体育祭、文化祭、期末テスト。 イベントも目白押し。気がつくと、もうすぐ冬休みの時期だった。 運命の女神が、俯きかける。 でも、私は今まで通りユウマ君に笑顔でいたい。 空からは、白い花びらが落ち始めた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #空 pic.x.com/lvtoitzxmv

それからしばらく経った授業中。 ふと窓の外を見ると、色付いた木の葉がヒラヒラと舞っているのが見えた。 運命の女神は、まだ微笑んでいるはず。 いつかきっと、ユウマ君にこの気持ちを伝えることができる、と言い聞かせていた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #空 pic.x.com/spd6qzey6l

2学期の始まり。 今までと同じように、ユウマ君と朝の挨拶を交わす。 でも、ひとつ確実に違うことがある。 夏休みに時間を共有したことで、明らかに2人の空気感が変わっていることを感じ取っていた。 それは、ユウマ君も同じようだ。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/8anpnjxjeu

「及川って、私服だと雰囲気変わるよな。その、いいと思うぜ」 行き先の見えない空気感を破って、ユウマ君がそう言ってくれた。 「あ、ありがと」 顔が真っ赤になっているのを感じながら、私はそう言うのが精一杯だった。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/a176e4l7do

勢いで誘ったものの、緊張がMAXに達していた。 目の前のユウマ君となかなか目が合わせられず、自分の前に置いたコーヒーの器ばかりを見ている。 (何話したらいいのかな。周りから見たら付き合ってるように見えるのかな) #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/tb1l9gc8xt

「この服かわいいなぁ」 夏休みのある日、私はショッピングモールへ買い物に来ていた。 お目当てのシュシュを買った後、ウインドウショッピングを楽しむ。 カフェで休憩しようと歩き始めた時、ユウマ君の姿が目に飛び込んできた。 #即興小説 #小説 #読書 #シナリオ制作 #物書き #万丈響雲 #空 #雲 pic.x.com/s7k7fc7tld

選考結果☝️ なんにせよ、落選でも、わざわざ書面で知らせてくれるところに誠意を感じる🤔 また次頑張りますか😌 #文芸社　#毎日新聞　#人生十人十色大賞 #即興小説　#小説 #読書 #シナリオ制作　#物書き #万丈響雲 pic.x.com/1elorgvvro

2階の店舗へ行ったのか。 あれは本当に男の子だったのか。 それとも、座敷童子ならぬ街角童子⁉️🤔 ※実話です。 #モデル #無添加生活 #物書き #コピーライター　#タップ #万丈響雲 #空　#雲 pic.x.com/thlc9r20av

プロフィール更新☝️ 引き続きよろしくお願いいたします🤗 #モデル #無添加生活 #物書き #コピーライター　#タップ #万丈響雲 pic.x.com/v61j7kj6if

「ユウマ君、寝癖」 「寝坊したから時間なくてさ」 「ちゃんと起きなきゃダメだよー」 「余計なお世話だろ。それよか、最近オマエ太ったんじゃね？」 「・・そんなこと気づかなくていいから！」 今日もユウマ君と他愛もないやり取り。 私は心の中でニヤニヤしていた。 #即興小説 #万丈響雲 #空　#雲 pic.x.com/7pdov8cgp0

先生から呼ばれてもなかなか気づかなかったらしい。 質問に答えられずに着席する。 「まあ、気にすることねえよ」 目を合わすことなく、少し照れくさそうにユウマ君が言った。 「ありがとう」 私の心は、甘酸っぱい幸福感に包まれていた。 #即興小説　#小説 #読書 #物書き #万丈響雲 #空　#雲 pic.x.com/z21sx6g3fn

(ユウマくんの寝顔、カワイイな) 授業中に居眠りしているキミを見て、ホンワカした気持ちに浸っていると、どこからか私を呼ぶ声がする。 「・・・さん」 「はい！」 慌てて立ち上がると、教室のあちこちから失笑が漏れてきた。 #即興小説　#小説 #読書 #シナリオ制作　#物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/i5623fkcjg

新学期。 黒板に掲示された座席表を見て席に着く。 春休みが終わった残念感と何かが始まるワクワク感が、私の中で入り混じっていた。 窓の外をぼんやり眺めていると、上から声が聞こえる。 「おはよう」 キミは隣の席だった。 #即興小説　#小説 #読書 #シナリオ制作　#物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/o3cef9sya0

「おはよう」 私がそう言うと、少し間が空いてから、びっくりしたような表情で挨拶が返ってきた。 立ち止まる勇気はなく、すぐにキミの傍を離れる。 胸のドキドキが中々収まらない。 本棚の陰に行き、両手で胸を押さえながらも口角は上がっていた。 #即興小説　#小説 #読書 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/ywjgormplb

「あっ」 少し離れた席にキミを見つけて思わず声が出た。 静かな図書館に声が響いて少し恥ずかしい。 キミとは同じクラスだけど、ほとんど話したことがなかった。 でも、今声をかけるべきだという不思議な感情が湧き、私は立ち上がっていた。 #即興小説　#小説 #読書 #物書き #万丈響雲 #花 pic.x.com/afwcmsockh