【不足以事之】#廣瀬旭莊 は“事”の字を“使”の誤ではないかと疑う。#藤澤東畝 は 『#墨子』書中に[往往“事”“使”互に用いる]と云う。#間詁 は『#荀子』#正名篇 の #楊注 に「事任使也」とあるのを[援(たす)きて任じて使う]と解している。【1】

これを観(み)れば、『#晏子春秋』の文は、#墨子 と大略同じくして、ただ“養”と“愛”との一字の差あるのみ、『#管子』の文は、“好佼”と云い、“務佼”と云う。皆共に墨子の“愛佼”と殆ど同意義なり、亦(また)以て此等の語は #周代 の通語の一つであることを知るべし。【1】

鉤距の篇で、「あなたが鉤で人をひっかければ、人もまた鉤であなたをひっかけられる」「あなたが距で人の邪魔をすれば、人もまた距であなたの邪魔をする」も同じ以尺報尺の発想である。愛情と誠意を持ち合うことが、互いの利益になるという「論法」で、#墨子 は、「#兼愛」を説いているのである。【2】

「もし君が君の国を愛することが深ければ深いほど、他国の人民がかれの国を愛する心情が、よく理解できるはずではないか！」―――そこで、#墨子 は結論する。自己を愛することは、すなわち他者を愛することでなくてはならない。【1】

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#非戦論、#兼愛論 にしても、#墨子 の論法を現代風にいえばこうだ。「君は、君の国を愛するか？」「愛する」「深く愛しているか？」「もちろん」「では他国の人民はどうか。かれはかれの国を愛しているだろう？」「…………」【2】

#墨子 が人を説得するとき、好んで使用したのは、わかりやすいパラドックス(逆説)か、又は相手の立場に還元して段階的に理解させようとするたたみかけの論法であった。 #楚 での #公輸盤 との対話(#公輸篇)では、いきなり「臣を侮るものあり、願わくは子によりてこれを殺さん」と切りこんでいる。【1】

#公輸子 が #墨子 にいった。 「あなたにお会いするまで、わたしは #宋国 を手に入れるつもりでいた。お会いしてからは、たとい宋国をただで呉(く)れてやるといわれても、そういう不義は、まっぴらお断りという気持になりました」【1】

古代の #ソーシャルベンチャー 起業家「#墨子」 @CotenInc #COTENRADIO #コテンラジオ 現存する中国由来の #リベラルアーツ のおよそ8割を生んだとされる諸子百家の時代は戦争が続いた時代であった #紀元前400年代 #中国史 #podcast #歴史インデックス #世界史インデックス youtu.be/NspEoxQg5Mg?si… pic.x.com/pmwnr2jp5h

それであるから幾ら學問などをしても、斯ういうことに於てはやはり專門の人には及ばない。」斯う言って自分の失敗を認めて居た。 #惠子 がこれを聞いて言うには、「#墨子 という人は實[実]に感心な人である。【1】

【塗不芸】#穀梁伝 #襄公 二十四年に「大侵之禮。廷道不除」と云う。#范寗注 に云う。廷内の道路は不修除草也。#畢 云う。塗は涂の俗字で、途(ミチ)のこと。『#墨子』#非攻中 に云う「涂道之脩遠」では、只(ただ)涂(みち)に作る。芸は「⺾(草冠)＋耘;くさぎる」を省略した文字で、草を刈ること。【2】

ところが #墨子 が言うには、「やはり物事には專門があり、自分達が斯ういう細工をしても駄目である。車の横木を作る者は何でもないような者だけれども、自分はそういう職人に及ばない。あの職人達は一尺か二尺の木を用いて、ひと朝も掛からないで少しの時間の間に車の横木を作ってしまう。【1】

#墨子 という人が木を削って鳶のような形にして、これを空に飛ばすことを工夫した。丁度凧のようなもので、これに乘って敵陣の狀態などでも窺(うかが)えるというような譯で、これは實用になる積りで、三年も掛って漸(ようや)く出來上ったので、これを飛ばして見たところが、『一日にして敗る』【1】

咫尺(しせき)の木を用い、一朝の事を費(ついや)さず。而(しこう)して三十石の任を引き、遠きを致し力多く、歳数に久し。今、我、鳶(とび)を為(つく)る、三年にして成り、蜚(と)ぶこと一日にして敗る。#惠子、之を聞いて曰く、#墨子 は太巧なり。輗(げい)を為るを巧とし、鳶を為るを拙とす。【2】

『#韓非子』#外儲説(がいちょせつ)に云う。 #墨子、木鳶(もくえん)を為(つく)り、三年にして成り、蜚(と)ぶこと一日にして敗る。弟子曰く、先生の巧、能(よ)く木鳶をして飛ばしむるに至る。墨子曰く、吾、車輗(しゃげい)を為る者の巧(たくみ)なるにしかざるなり。【1】

【五十石之重】『#説文解字』禾部に「䄷百二十斤也」とあり、石は䄷の借字。 この章では、#墨子 は物を爲(つく)るも人に利益を与えなければ巧とすべきではないと言う。【2】