【#公輸般】#魯 の #定公 または #哀公 の時代に生まれた人といわれ、また一説には魯の #昭公 の子であるともいわれる。中国古代の技術者で、#楚 にあって楚王のために #宋 を攻める武器を考案したことが、『#呂氏春秋』に伝えられている。【1】

こうして #楚 の武器は適当な規準があり、#越 にはそれがなかった。このありさまに、越はこまって、しばしば楚に敗れた。#公輸子 はその工夫をほこって #子墨子 に話した。「私が舟戦をするばあいには鉤距があります。先生が行なわれる義にも、やはり鉤距にあたるものがあるのでしょうか」【1】

このために #越 はしばしば #楚 を破った。#公輸子(こうしゅし)が #魯 から南方の楚に旅行し、はじめて舟戦の武器をつくり、鉤距(こうきょ;鉤强)という道具をつくった。退くものを鉤でひきとめ、進むものには距{强}で防いだ。鉤距の長さをはかり、それに応じて武器をつくった。【2】

昔、#楚(そ)と #越(えつ)とが、揚子江で舟戦(ふないくさ)をした。楚の軍勢は流れのままに進み、流れにさからって退(ひ)いた。しかし有利とみれば進み、不利なばあいに退くのが容易でなかった。越の方は流れにさからって進み、流れのままに退き、有利と見れば進み、不利とみれば退くのが速かった。【1】

#公輸子、#魯 より南、#楚 に游び、始めて舟戰の器を爲(つく)り、鉤强の備を作爲し、退く者をば之を鉤し、進む者をば之を强{拒;こば} む、其の鉤强の長さを量って之が兵{兵器}を制爲す。{是に於て}楚の兵は節ありて #越 の兵は節あらず、楚人此の若き勢に因って亟(すみや)かに越人を敗れり。【2】

#公輸子 自 #魯 南游 #楚。焉始爲舟戰之器。作爲鉤强之備。退者鉤之。進者强之。量其鉤强之長。而制爲之兵。楚之兵節。#越 之兵不節。楚人因此若埶。亟敗越人。【1】

＜#白公の乱＞ #白公 の叛乱は、#魯 の #哀公 十六年七月に起きており、#孔子 は、同年４月に没したとされている。『#春秋左氏伝』によれば、白公は、七月に兵を挙げ、#令尹子西(れいいんしせい)と #司馬子期(しばしき)とを殺し、同時に #楚 の #恵王 をつかまえた。【1】

そこで #白公 は、剛力の士 #石乞(せきこつ)とともに、#子西 を朝廷におそって殺した。同時に #楚 の #恵王 を幽閉して、王座をうばおうとしたが、このクーデター{#白公の乱}は一カ月余で失敗し、恵王の臣下に殺されてしまった。#魯 の #哀公 十六年(前四七八年)のことである。【2】

＜#白公＞　#楚 の #平王 の #太子健(けん)の子で、名は #勝。 白公は、#鄭 に亡命していた父親が鄭に殺されたため、楚の令尹(れいいん;大臣)#子西(しせい)に招かれて楚にきていた。かれは、鄭を伐って親の仇をむくいたいと思い、子西に協力を頼んだが、子西はこれを無視した。【1】

弟子の #孟山(もうざん)が #楚 の #王子閭(りょ)(#平王 の子)をほめていった。「昔、#白公 が乱を起こしたとき、王子閭を捕え、斧鉞(まさかり)を腰にあてがい、剣を胸につきつけ、王になれば生かしておくし、王にならなければ殺すといった。【2】