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#小説に満たぬもの は、目についたものや、感じたことやをその場で書いたり、何かしらの感情を表す別のもので書いたり、この言葉使いたいなで書いたり、デペイズマン的に言葉遊びで書いたり、様々です。

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

足早に歩く彼に手を引かれ、虫除けスプレーの残り香を感じて、まだ夏なんだな、終わっていないんだな、と思った。私たちの掌が、汗で吸いあう。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

湧いて出る存在への羞恥心で眠れなくなった。彼女の好きな私だったらよかったのに。いっそ何も期待できないくらい、彼女の嫌いな私であればよかったのに。半端さが、私自身を辱める。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

「自分が一緒に眠るのだ」という争奪戦に巻きこまれなくなったウサギのぬいぐるみが、どこか安堵したような、少し寂しげなような、複雑な顔をしながら一人暗闇でうつむいていた。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

何年かしたら、彼女はきっと覚えていない。それで構わない。私のことが、完膚なきまでに失われても。この暑い夜の欠片すら、未来に残されていなくても。彼女にとって、私が特別じゃなくなっても。 ――彼女の未来が、輝かしいものでありますように。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

傘をさすまでもない、脆弱な雨だった。それでも濡れている。確かに、濡れている。雨雲に覆われた町は、指でつつけばぐずぐずと崩れそうな気がする。スポンジみたいに水気を溢れさせて、身を捩る。湿気った暗い世界を、見るともなしに見ていた。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

「あなたが許せず、愛することのできないあなたが、私の宝物です」手紙はそう締めくくられていた。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

早く目覚めてほしいけれど、ゆっくり眠ってもいてほしい。私は狭間で揺れる。横向きの寝顔をじっと見下ろして、寝息に耳を傾けていた。私の吐息が触れないよう呼吸を細くする。飽きもせず、長く見続けてから、慎重に体を離した。体が、痛い。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

自分で思うよりも寂しがりで、自分でも面倒な私を「子どものようでかわいい」と許してくれるのは、きっと彼女だけだ。「5歳児なの」と私は言う。「あなたは2歳児よ」と彼女は笑う。仕方のない子、いい子とあやされて、私は小さく丸くなる。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆10/1-10/6 garment13@fateful13

うとうととしながら、朝の電車に揺られている。私は、またイスを妬んでいた。彼女に会える日までを思う。まだ週の半ばである事実に打ちひしがれる。いつ彼女のイスになれるのだろうか。電車の中でうたた寝したが、夢の中でも叶わなかった。 #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿 ◆7/30-8/4 basement13@fateful13

お気持ちなんていくらでも話していいんですよ、嫌なら見なきゃいいだけですから、そんなもんです。世のなかの話に皆きにしすぎなんですよ、まちがいなくね #小説に満たぬもの #小説に満たぬものを書いてみた