『ヴェネツィアの宿』から「夜半のうた声」。 家を出て別の女のところに行ってしまった父を、なんとかして戻そうと奮闘する須賀。 似た境遇になったことがあるけど、自分にはここまでの行動力と勇気はなかったな。 #須賀敦子を読む

『ヴェネツィアの宿』から「カラの咲く庭」。 異国で生きる辛さ、厳しさ、寂しさみたいなものを、発病した二人の知人に写し出しているよう。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「ユキ・M」。 たった一晩の濃密で、奇跡のようなユキ・Mとの出会いの話。その後連絡を取ることなく、若くして亡くなったユキ・Mは実在したのか？と問いたくなるような霧に包まれたような話。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「アンヌ　Anne」。 どこか自分と重なるとかんじる、アンヌ・フィリップのはなし。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「ピーナ Pina」。書店をよく訪れるものの、どうもみんなから疎んじられるピーナのはなし。 > いっぽう、ルチアにとって、ピーナは書店をくだらないおしゃべりで満たす、粗大ゴミにすぎなかった。（p.409） ちょっと辛辣すぎやしませんか・・・！ #須賀敦子を読む

通っていた学校の修道女Zのはなし。 「人生は、どうしても妥協するわけにいかない本質的に大切なものがすこしと、いいよ、いいよ、そんなことはどっちでも、で済むようなことがどっさり」 #須賀敦子を読む

『ヴェネツィアの宿』から「寄宿学校」。 厳しくも思い出深い寄宿学校とそこのシスターたちの話。 戦後の雰囲気が色濃くでているが、それでもやはりこの時期にこれだけの教育を受けられたのは一握りの人間だったのだろうなあ。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「ようこちゃん」。 大学でフランス語を学び、フランス人の男性と結婚してフランスで暮らす「ようこちゃん」。この時代としてはとても珍しいことだったのではないか。 #須賀敦子を読む

『ヴェネツィアの宿』より「夏のおわり」。 鬼頭の伯父・伯母とその家族の思い出。 その逸話のあちこちに、戦争の色が濃く滲む。 凛とした佇まいが印象的だった伯母の最期には、えっ、と思わず声を出してしまった。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「L夫人」。 涙を流すL夫人を見る現在と、親を悲しませる結婚なんてというサンドラに反発する当時の須賀とが、混じり合って文章は進む。地の文と溶け合って、気を抜くと文章として崩壊してしまいそうなのに、その混じり合いが秩序を保っているように見える。 #須賀敦子を読む

また戻ってきた『ヴェネツィアの宿』から「ヴェネツィアの宿」。 明らかに『ミラノ 霧の風景』や『コルシア書店の仲間たち』とは雰囲気が違う。どこか大人びたというか、そんな雰囲気がただよう。 #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』から「不運」。 カルラとカルラが熱中した「愛のミサ」の活動と、それに関わる人たちの話。 この一編に限らず、『コルシア書店の仲間たち』は戦争や文化革命の影が色濃く感じられる。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「インセン In-seng」。 なんでもない留学中の思い出話のようであるが、背後に戦争を感じる。南シナからヴェトナムに逃れ、パリで医学部を目指すインセンはメガネをかける須賀敦子に、「メガネ、かけないでよ。日本のヘイタイを思い出すから」という。 #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』から「オリーブ林のなかの家」。 よく夕食に現れた、友人のアシェル。彼の、自分の人生をつかまえようとやっきになる話。 なんか、アシェルの焦りのようなものが刺さるというか、いたたまれなくなる… #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』から「女ともだち」。 ガブリエーレの、華麗というよりちょっと悲しさのある女性遍歴の話。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「ヴァレリー Valerie」。 友人を失った悲しみと、それをきっかけに知った思わぬ事実と、言葉をかけずに語られる家族の悲劇」。悲しみに溢れているはずなのに、この文章を美しいと思ってしまう。 #須賀敦子を読む

『旅のあいまに』から「マリ・ルイーズ Marie Louise」。 大人になってから、まるで運命のように出会う友人って、いいよね。 #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』から「小さい妹」。 須賀とガッティ、お互いに信頼していることが伝わってくる。 #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』から「大通りの夢芝居」。 どこから来たのか。抜けているような、それでいて抜け目がない、幻のようなミケーレの話。 > 人が波のように往来している大通りのほうが、ほんとうの波が寄せては返す海辺より、ずっと彼には性にあっていたのだ #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』より「夜の会話」。 フェデリーチ夫人と彼女を通した上流階級の人との交流。 ヨーロッパの貴族の歴史を感じさせる。 #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』より「街」。 須賀が生活したミラノの街を、誰か友人の思い出とともに語る。 > 私のミラノは、たしかに狭かったけれども、そのなかのどの道も、だれか友人の思い出に、なにかの出来事の記憶に、しっかりと結びついている。（p.235） #須賀敦子を読む

『コルシア書店の仲間たち』より、「入口のそばの椅子」「銀の夜」。 後者はダヴィデのことや書店のことが詳しく語られるが、なぜこの作品はツィア・テレーザについての「入口のそばの椅子」から始まるのか。彼女が、須賀をダヴィデや書店に導いた、はじまりだから、なのだろうか。 #須賀敦子を読む

『ミラノ　霧の風景』最後の一編、「アントニオの大聖堂」。 霧の中に消えていった記憶の中の大聖堂が、アントニオの最期とかぶる。どこまでも霧の中にいるような一編だったな。 #須賀敦子を読む

『ミラノ 霧の風景』より「舞台のうえのヴェネツィア」。 途中、ヴェネツィアで一人宿を取り、夜中水の音で目を覚ますシーンの描写が美しい。 #須賀敦子を読む

『ミラノ　霧の風景』から「鉄道員の家」。 親が鉄道員、と言う共通項をもつ作家や友人たちのはなし。貧しさも懐かしさも思い出させる「鉄道員」という響きが、このエッセイ全体に満ちているよう。 #須賀敦子を読む

『ミラノ　霧の風景』から「きらめく海のトリエステ」。 ウンベルト・サバの詩を手始めに、夫が愛したトリエステと、トリエステに関する詩を取り上げ、そしてまたサバに戻る。 須賀が、サバが好きなんだぁー！というのがよくわかる。 #須賀敦子を読む