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【連載 殻と繭】第二百三十五話『プロポーズ』#140字SS #創作BL #殻と繭 x.com/yayoi_ushio_ss…
「だから、もっと近くで、一緒にいたい。"大好き、おやすみ、また明日"って、一番近くで言わせてください」木漏れ日の下のノア君にだけピントが合う。その手のひらはやけに熱くて、言葉はあまりに照れくさくて。「プロポーズみたい」と茶化す様に言うので精一杯だった。「プロポーズです。結婚、しよ」
【連載 殻と繭】第二百三十四話『陽の差すアンバー』#140字SS #創作BL #殻と繭 x.com/yayoi_ushio_ss…
どうしたの?と歩み寄るマサさんの手を掴む。首をかしげる仕草は、普段ならカワイイと言ってるけど、今はそれどころじゃない。でも、このまま独りで家に帰したくもない。一つだけ深呼吸して、想いを告げた。「一緒に、暮らしませんか。怖かったんです。あの夜、もしマサさんち行ってなかったら、って」
【連載 殻と繭】第二百三十三話『夏の朝、フラッシュバック』#140字SS #創作BL #殻と繭 x.com/yayoi_ushio_ss…
午前中の、まだ涼しい風が吹き抜ける中。街路樹の濃い緑が影を作る大通りを、二人で肩を並べて歩く。さっき会話が途切れてからはお互い無言で、俺は半年前の似た光景を思い出していた。雪の降る夜、ここでノア君に告白されたこと。気がつけばノア君が数歩後ろで立ち止まっていたのも、同じだったっけ。
【連載 殻と繭】第二百三十二話『退院の日』#140字SS #創作BL #殻と繭 x.com/yayoi_ushio_ss…
マサさんが倒れて一週間後の、次の月曜。大きな病気は無かったと、退院前最後の診察を終えたマサさんが、安心した顔でロビーに来たのを迎える。「荷物ありがとう。持つよ、自分のだし」「いいの。病み上がりなんだから、甘えてくださいってば」マサさんのボストンバッグを抱え、二人で病院を後にした。
【連載 殻と繭】第二百三十一話『ほっと一息』#140字SS #創作BL #殻と繭 x.com/yayoi_ushio_ss…
ノア君を見送って、ほっと一息つく……嫌がられないと頭では分かっていたけど、まさか自分の代わりに怒ってくれるなんて。言うのが怖くて、布団を握りしめた手のクセを笑うこともなく、もっと言えば手のひらを重ねて、真剣な目で。じんわり残った温もりはその晩、久しぶりの穏やかな眠りを連れてきた。