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「考えるんです。人間が人間たる尊厳のすべては考えることにあると、どこかのフランス人も言っています。論理的思考というのは人間が持ちうる最初の武器であり、また最後の娯楽でもあるんですよ」(青崎有吾『アンデッドガール・マーダーファルス1』講談社タイガ、p.67) #sankaquote
最近の裁判例は、差別を反映させた立法を、差別を理由に正当化する。これでは、いつまでも差別が解消しないどころか、差別を助長し、定着させてしまう。これは由々しき事態だ。(木村草太『「差別」のしくみ』朝日新聞出版、p.87) #sankaquote
冤罪の可能性の高い〈巨石の魔女〉裁判に対して、人々は揃って批判を口にした。彼らの口ぶりの端々に、シュノは共通する価値観を感じ取った。魔女ならともかく、人間を火刑にするなどとんでもないという価値観を。(榊林銘『毒入り火刑法廷』光文社、p.354) #sankaquote
「一つの問題が片付いても、また別の問題が現れる。問題によっては、それぞれ別の問題と絡み合ってるものもあったりして、ずるずるずるずるいつまでもきれいにできない。そういうのを覚悟できる人が政治をやるべきじゃないの?」(潮谷験『ミノタウロス現象』角川書店、p.231) #sankaquote
正しい未来を(健全に)帰納するには、そもそも経験が正しくなければなりません。しかし、経験の正しさとは何なのでしょうか。また、仮に経験が正しいとして、私たちはどのように(妥当に)帰納すればよいのでしょうか。(成田正人『なぜこれまでからこれからがわかるのか』青土社、p.18) #sankaquote
本書では、これから二百ページ以上にわたって、私が美人であるせいでいかに苦労してきたか、つらい人生を送ってきたかというテーマで語らせていただきます(藤崎翔『逆転美人』双葉文庫、p.6) #sankaquote
現実をありのままに描いた絵などこの世に存在しないことは、皆さんご存じかと思います。しかし私はその原理に抵抗する方法を見つけ出しました。それは、堕ちることです。人が人であることをやめれば、不可能は可能になります。(岩井圭也「堕ちる」『暗い引力』光文社所収、p.265) #sankaquote
作ると作らないとでは、展覧会準備の労力に天と地ほどの開きがあります。それでも、なんとか図録を作ろうとするのは、記憶だけでなく記録として、展覧会を手に入れる形で残したいと思うから(ちいさな美術館の学芸員『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』産業編集センター、p.38-9) #sankaquote
1974年論文にはデータ分析の適切さや結果の解釈を巡っていくつか問題点が見られる。少なくとも、彼らの実験は俗に「恋の吊り橋効果」などと言われている現象を明確に支持するような結果を示しているわけではない。(斉藤慎一『恋愛はどこまで科学できるのか』ナカニシヤ出版、p.17-8) #sankaquote
服にこだわるなんて愚かだと思う方もいるかもしれません。でも皮膚の上に一枚すてきなものがのっているだけでこの世を投げ出さずに済むなら安いものです。(山内尚『ノンバイナリースタイルブック』柏書房、p.116) #sankaquote
ただ生活のなかの日常や非日常を美しくするだけでは抵抗には不十分だと私は思う。しかしそれでも、優しさやいたわり、美しいものの光を享受することは私たちを力強く助ける。(山内尚・清水えす子『シミズくんとヤマウチくん』柏書房、p.95) #sankaquote
「嫌悪してるのは男性が男性の身体に欲情することだけだとか、自分は殺したり殴ったりはしないとかさ……てか最低限、それはしないと思いたいけど!でも言っとくけど自分の考えは暴力的じゃないなんて思わないほうがいいよ」(モハメド・ムブガル=サール『純粋な人間たち』英治出版、p.94) #sankaquote
演奏行為から作品を理解することと、慣習的解釈から距離をおき楽譜自体から読み取れることを重視する態度こそ、「バッハをいかに読むか」に通じる方法であることに疑いはない。(小鍛冶邦隆『バッハ「平均律」解読』アルテスパブリッシング、p.231) #sankaquote
「ソモソモ、ワタクシはトリックやら謎々の興味やら一辺倒の探偵小説はあんまり好きじゃナカトです。読者バ弄ぶような探偵小説は好かんバイ」(伊吹亜門『帝国妖人伝』小学館、p.78) #sankaquote
「呪詛なら、仕掛けられたことが分かった時点で効果が消えるのに、『自分は誰かに呪われてた』っていう思いだけは残るんだよ。しかもそれが新しい呪いになって、身の廻りで起きること全部が呪いのせいに思えてくる。だから終わりがない」(伊吹亜門『京都陰陽寮謎解き滅妖帖』星海社p.123) #sankaquote
「一度では覚えられないよ。印象だけなんだよね、覚えてるの。僕も最近、昔面白かったと思った推理小説読み返してるんだ。覚えてないもんだねえ。犯人すら覚えてないんだよ。どれ読んでも、あまりにも覚えてないんですごく新鮮」(恩田陸「待合室の冒険」『象と耳鳴り』祥伝社文庫、p.192) #sankaquote
闇の中に一歩踏み出そうとするとき、慰めとなるのは、だれかが、名前は知らないが顔は知っているおまえが、この本を読んで、そこからきっと何かを引き出してくれるだろうと思えることだ。(モハメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』集英社、p.460) #sankaquote
政治とはまず「ひとがひとを動かすこと」です。人は権威を受け入れることによって動かされます。ここに「権威に訴える論証」が入り込む隙間があるわけです。政治思想史研究の意義の一つは、この「権威に訴える論証」の暴露です(宇野重規他『政治哲学者は何を考えているのか?』勁草書房161) #sankaquote
「月島は手紙の意図をどう汲み取るんだ?」「どうもこうもない。これだけじゃ、何のことだか分からないよ」「嘘だね。隠してないで言えよ」「いや、だから……」「顔を見れば分かるんだよ。お前は、謎は解けるけど、嘘を吐くのが下手だからな」(神永学『ラザロの迷宮』新潮社、p.79) #sankaquote
本書が目指したいのは、ベテランの教師らが授業について語る際に、その背後にあり、見えてはいるが言語化されにくい、教師と生徒の相互行為の諸相を見て取り、言語化していく方法を示すことです。(五十嵐素子他編『学びをみとる』新曜社、p.7) #sankaquote