第二十三候[紅花栄]べにばなさかう 20240526〜0530 中段の構へ蚕豆凛と立ち 蟲といふ命さまざま夏畑 半ズボン男は基本同い年 伽羅蕗の良き香良き艶片隅に 石楠花や墳と覚しき高まりに #候刻み #yoshinono

第二十二候[蚕起食桑]かいこおきてくわをはむ 20240520〜0525 鹿の子の体に余る長き脚 雛罌粟や想ふほどには揺れもせず ウエディンググローブ濡らさぬやうにハンカチを 川蜻蛉黒四枚の透過率 氷を供ず街道の礫退けよ 網戸建てて我と野性を分かつ夜 #候刻み #yoshinono

第二十一候[竹笋生]たけのこしょうず 20240515 〜0519 花びらに負けぬ冷たさ胡瓜揉 黒龍の息吹巣を発つ蝙蝠は 木苺や小人の家は近いらし 黒船祭三旗絡める海風よ 蜜豆や紅の求肥を妹に #候刻み　#yoshinono

第二十候[蚯蚓出]みみずいずる 20240510〜0514 腹当にクチュリエールの銘のあり 丸木舟船首に南十字星 カーネーション太陽フレアここ数日 穴子割く目打のひかり身のひかり 青みどろ嗅がずにをれば青緑 #候刻み #yoshinono

「由野の春（2024）」より 　　my fav5 春光や胎児の鼻の高きこと 土恋し虹彩薄き人の言ふ チェルシーの小さき折鶴昭和の日 色鉛筆に使はぬ色や春惜しむ 山羊の目の黒目横向き木の芽時 #候刻み　#yoshinono