燥いだP.M.10:00。ひとりの肌に打ち上げの熱気とひとの暖かさを貼り付けて立つ。プラットホームに風が吹き抜けた。 「ね、やっぱり二次会行こ」そう言えたら良かったのかもしれない。でも、そうでない今だから感じられる風がある。#140字小説 #國噺

ああ、宿題と明日の準備とゲームログインと……そうだ、テレビの予約も。たくさんTODOは残っているけど、眠気が頭の中を占領する。でも今日のうちにログイン眠いしないと眠い、今月の完ログ眠い貰えな眠いいよなあ眠い。眠いいやでもなんか眠い眠い眠い眠い眠い眠いむりかも　#140字小説 #國噺

日曜日、なんでもない朝。窓の眩しさとトーストの焼ける音で目が覚めて、バターとジャム瓶を机にスライディングする。カフェインはほどほどに、新人アナウンサーが読む桜の特集を聴いた。窓から僕を駆り立てるキッチンカーの呼び込みが飛び込んでくる。 #140字小説 #國噺

「ふうん。随分失礼なガキだと思ったけどそういうこと。あのクソマスターったら！アタシの性自認はオ・ト・コ！アンタ、これから間違えたら承知しないから。」美しい（仮）復讐屋は笑った。ちょっと、先にこの人をナイスバディのレディって言った奴をターゲットにしてもらおうかな。 #140字小説 #國噺

線路の上特有のガタガタと揺れる音が揺籠のように僕を包む。深海の色をしている景色を硝子越しに観察しながら、ただひとり蛍光灯の明るさに保護されてゆらりゆらりと、眠気に詰め将棋をされてゆく。……ああ、あと3駅くらいだと思うんだけど。 #140字小説 #國噺

「ねえおかあさん？おかあさん、僕に自分で考えなさいって言ったじゃん。だから僕自分で考えたんだよ。なのに間違ったら怒るのはよくないよ。そういうの、人間としてどうかと思うな。心から軽蔑する。君との関係性は見直したほうがいいのかもしれない。」 #140字小説 #國噺

ルーティーン化した滅私貢献の業務を遊び半分でこなす。例え怒鳴られようが殴られようが、碌に油も差されない社会の歯車にまともに動くことなんて期待しちゃいけないでしょ。ほら、もっとお金くれたら頑張りますよっと……うわ！殴らないでください！待って！ #140字小説 #國噺

僕を雇っている迷探偵は、突飛な推理を披露し苦笑されます。俄かに信じがたい犯人に手口、想像の域を出ないのではと思われる動機。最初はこんな奴のところ早くやめてやると思いましたよ。……でも、もう辞める気はないです。だって、犯人の口から2度目が聞けるんですから。 #140字小説 #國噺

「こんなゲームもう辞めてやるよ」溜息混じりに笑ったアイツは、「今回はハズレかなあって。リセマラよ」と肩を竦めた元カノは、無事にゲームを終えられたのだろうか。……本当に、死ねばリセマラできるようにできているのだろうか？もしそうなら、俺のレアリティは最低だろうな。 #140字小説 #國噺

なぜそんな目で見るの。わたし、誓って悪いことはしていないのに。疑っているのなら臓物のひとつとっても穢れのないことを証明してあげるわ。ね、いい案でしょ。そこに鋸があるから、わたしの中身を見て。わたしの無実の証人になって頂戴よ。#twnovel #國噺

「では、あなたの人生はある種の舞台だと？」『ええ。私は常に私の中にある"私"を演じているわけです』「……それは、あなた自身なのでは？」『馬鹿ですねえ、この言葉も姿も考え方も、私に巣食って離れなくなった"私"の引用にしかすぎないのですよ。』　#twnovel #國噺