形成力 処分・裁決の効力を処分・裁決がなされた当時にさかのぼって消滅させる効力のこと 取消判決の形成力は、当事者のみならず第三者に対しても及ぶこととなり（32条１項）、これを取消判決の第三者効という #行政事件訴訟法

処分の効力の停止は、処分の執行の停止又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない（25条2項ただし書） #行政事件訴訟法

拘束力の積極的効力 申請拒否処分又は審査請求の却下・棄却裁決の取消判決が確定した場合、その処分・裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従って、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない（33条２項） #行政事件訴訟法

違法判断の基準時 処分の違法性が審理される場合、その違法はどの時点を基準にして判断すべきかという問題 最高裁判所の判例は、処分時（行政処分が行われた時点）における法令や事実状態を基準にして判断すべきであるとしている（最判昭27.1.25） #行政事件訴訟法

裁量処分 行政庁の当然の権利行使による処分のことで、原則行政庁の行為は違法となり得ない処分である #行政事件訴訟法

法律上の利益を有する者 処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者のこと #行政事件訴訟法

処分性あり ・輸入禁制品該当通知 ・病院開設中止勧告 処分性なし ・反則金納付通知 ・開発許可にかかる公共施設管理者の同意 #行政事件訴訟法

再入国不許可処分については、原告たる在留外国人が日本を出国した場合は、取り消しを求める利益を失う #行政事件訴訟法

仮の義務付け、仮の差止めでは、内閣総理大臣の異議の規定が準用される #行政事件訴訟法

処分 公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものの #行政事件訴訟法

処分につき行政裁量が認められるとしても、裁量権の逸脱・乱用となると認められるときは、裁判所は行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をすることができる #行政事件訴訟法

場外車券発売施設設置許可取消訴訟の原適 保護対象施設たる医療施設等を解説する者は原適あり 単なる周辺住民や商店主、医療しせつ利用者は原適なし #行政事件訴訟法

内閣総理大臣の異議が執行停止決定に対して述べられたときは、その理由の当否について裁判所に審査権限はなく、裁判所は、必ず決定を取り消さなければならない #行政事件訴訟法

特定の保育所を廃止する条例の制定の処分性 →限られた特定の者らに対して直接当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果を生じさせるもの →処分性あり #行政事件訴訟法

審査請求前置主義（法律による）の場合でも以下の場合は直ちに取消訴訟提起可 ・審査請求日から3箇月経過しても裁決なし ・処分等により生ずる「著しい損害を避けるため」「緊急の必要がある」場合 ・裁決を経ないことに正当な理由あり #行政事件訴訟法

執行不停止 行政の円滑な運営に支障をきたすことを防止するため、取消訴訟がなされ審理中であったとしても、処分の効力・処分の執行・手続の続行は妨げられない（25条１項） #行政事件訴訟法

執行停止の決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもって、執行停止の決定を取り消すことができる（26条１項） #行政事件訴訟法

取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、移送はできない #行政事件訴訟法

原処分主義によると、裁決取消訴訟では、裁決固有の瑕疵（裁決権限のない行政庁が裁決を行ったことや、裁決の手続が違法であること）についてのみ主張することができる #行政事件訴訟法

取消訴訟においては「処分の違法性のみ」が審理の対象となる #行政事件訴訟法

運転免許停止処分は、無違反・無処分で停止処分の日から1年を経過した場合には、訴えの利益はない #行政事件訴訟法

請求の客観的併合 →当初から１つの訴えで数個の請求をすること 請求の追加的併合 →1つの訴えが継続している間に他の請求を追加すること #行政事件訴訟法

不作為の違法確認訴訟の訴訟要件 原適→処分・裁決についての申請をした者 被告適格、裁判管轄は取消訴訟規定準用 出訴期間は準用なし→いつでも提起可能 #行政事件訴訟法

拘束力の消極的効力（反復禁止効） 行政庁は、取り消された行政処分と同一の事情の下で同一の理由に基づいて同一内容の処分をすることができなくなる #行政事件訴訟法

原告死亡関連 生活保護変更決定における保護受給者たる原告の死亡 →訴えの利益ナシ 公務員免職処分における原告公務員の死亡 →訴えの利益アリ（俸給の請求権絡み） #行政事件訴訟法

市立保育所の廃止条例の制定行為の取り消しの訴えは、原告らにかかる保育の実施機関がすべて満了した場合は、その利益は失われる #行政事件訴訟法

不作為の違法確認訴訟の違法判断の基準時は口頭弁論終結時であるから、当該訴訟の係属中に行政庁が何らかの行為をすると、訴えの利益が消滅し、却下判決がなされる #行政事件訴訟法

本案判決 1.認容判決 取消しを求める請求に理由があるとして処分・裁決を取り消す判決 2.棄却判決 取消しを求める請求に理由がないとして請求を退ける判決 #行政事件訴訟法

行政庁の裁量処分については裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所はその処分を取り消すことができる（30条） #行政事件訴訟法

機関訴訟 国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう 地方自治法上の市町村の境界に係る都道府県知事の裁定に対して関係市町村が提起する訴えなど #行政事件訴訟法

処分権主義 訴訟の開始や終了を当事者の自律的な判断に委ねる考え方 #行政事件訴訟法 においても処分権主義は同様に働く

特別急行旅客列車の利用者 →特急料金認可処分に対しての取消訴訟を提起する原適ナシ #行政事件訴訟法

取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない（10条１項） これに違反した場合は棄却判決がなされる（原適は認められるので却下ではない） #行政事件訴訟法

公文書の非公開決定の取消訴訟において、当該公文書が所掌として提出されたとしても、当該公文書の非公開決定の取消しを求める訴えの利益は消滅するものではない #行政事件訴訟法

小田急高架訴訟 事業の実施により騒音、振動等による健康または生活環境に著しい被害を直接受けるおそれのある者は、事業認可取消訴訟の原適を有する #行政事件訴訟法

総合設計許可においては、建築物の倒壊等にて直接的な被害が予想される範囲の建築物の居住者、及び日照を阻害される周辺建築物の居住者には、原適がある #行政事件訴訟法

開発許可の取消しを求める利益については、開発行為に関する公示が完了すれば訴えの利益は消滅する #行政事件訴訟法

訴えの利益は、期間の経過、処分の効果の完了、原告の死亡、代替的措置、新たな事情の発生などにより処分の効果が失われた場合には、消滅するのが原則だが、処分の効果が失われた後でも、処分の取消しにより回復すべき法律上の利益を有する者について、訴えの利益を認めている #行政事件訴訟法

裁決の取消しの訴えと、処分の取消しの訴えは、関連請求の関係にあり、併合して訴えを提起することができる #行政事件訴訟法