【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0025 　まあ『オーナー』、つまり経営者である事に変わりはない。 　将軍が口火を切る。 「やあやあ、よくぞ我が要請に応えてくれたの、ムセツの」 「【夢切】な」 　途端、宙空で、 【夢切】 と云うロゴが太々と表示される。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0024 　『電子城』の城主にして『電子幕府』の初代将軍ーー実際はこのeスポーツ『電子時代』のオーナー。 　名を流谷煬帝と云う。まあ『電子時代』に身分制度は無いので、『将軍』もロールプレイに過ぎないが。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0023 　がしかし、『電子城』では後世に残された幾ばくかの資料と想像を元に構築された様だ。 　その『電子城』の天守閣に、今夢切は胡座をかいて座している。 　夢切の目の前に居るのはーー。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0022 と云う認識の概念はあった模様） 　その為【江戸城】がモチーフとされたようだ。 　江戸城の天守閣も、明和9年2月29日（1772年4月1日）に、江戸で発生した大火災のため焼き落ち、その後復興・復元はなされなかった。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0021 第二章 　そこは『電子城』。 　『電子城』は【三幕幕府】時代のうち、『鎌倉城』、『室町城』と云う具体的な城の資料は特に現存されず（鎌倉幕府には鎌倉の『本拠地』、室町幕府には三代将軍足利義満によって設立された『花の御所』 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0020 　端役と化してしまったプレイヤーの刀を弾き飛ばした夢切は、高笑いをしながらその場を歩み去っていった。その空間に飲まれた他の参加プレイヤー達は、誰も夢切の後を追う事が出来なかった。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0019 　全ては仕方の無い事だ。あの瞬間、【夢切】は場の空気を支配し、その場のプレイヤーを魅了してしまったのだ。【主役】夢切に対し、他のプレイヤーが【脇役】をロールプレイしてしまったに過ぎない。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0018 　しかも【夢切】と名乗り、ロールプレヤーとして最高のアピールを魅せつけて、だ。他の参加プレイヤー達が浮足立つのも仕方が無い。思わず【夢切】に挑戦し、結果やられ役として自ら脇役を演じてしまう。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0017 　その分賞金の率は他のeスポーツと比較してそれほど多く無く【賞金稼ぎ】を目的と目されていたムセツは【電子時代】には参加して来ないだろうと参加プレイヤーは高を括っていた。 　ところが、ムセツが【電子時代】に参入して来た。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0015 　何よりムセツのパフォーマンスは踊る様に華麗で観る者を魅了した。 　強く華麗で稼ぐ。 　それだけに憧れるファンも多かったが多くのプレイヤーはライバル心を掻き立てられパフォーマーとしてのムセツのアンチの立場の者が殆んどだった。 #詩 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0016 　新たに新設されたeスポーツ【電子時代】は、オープンワールドで展開され、他のeスポーツと比べ『ロールプレイ』をアピールポイントとし、報酬も参加者に分配される率が多かった。 　 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0014 　話は変わり夢切こと【ムセツ】に戻る。 　ムセツはeスポーツ界の常連トップランカーにして賞金荒らしだった。 　参加するeスポーツでは、常に好成績を残し、大会が開催されると、賞金を荒稼ぎしていた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0013 　eスポーツの【バトル】に値する【武術・武道大会】を筆頭に、【工芸品品評会】など、現実にも存在する大会が開催されている。その優勝賞金は、やはり運営コストとして割り当てられていた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0012 　視聴者は参加者の人気投票を行っている。人気ランカーには運営側から報酬が出る。報酬は、運営コストとして割り当てられている。 　他にも様々な【試合】がある。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0011 　参加趣旨が【立身出世】や【報酬(あるいは俸禄)】ではなく、【演じる】事であったからなのだろう。 　勿論、その気になれば他のeスポーツ同様、稼ぐ事も可能だった。 　例えば【人気ランキング】。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0010 　残り四分の一が【電子時代】の運営コスト・メンテンナンスに充てられていた 　身分は自由なので全参加者が【武士】にもなる事が可能であったが、参加者のロールプレイは結構ばらけていた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0009 　『電子時代』は月額有料配信され、その売上の半分が『電子時代』の参加者に分配されていた。それとは別に売上の四分の一が電子マネーとして【電子銀行】に流通マネーとしてプール・運用された。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0008 『電子の上に世界が築かれた時代』 と云う意味だった。 　『電子時代』には他の封建時代とは異なり身分の差は特に無く【武士】も【農民】も【職人】も【商人】もなりたい者がなれそれぞれが自由にロールプレイ・シミュレートしていた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0007 　『刀と和服と髷』 その三つが世界の基本コンセプトとして象徴されていた。 　この仮想【和】世界は、鎌倉、室町、江戸に築かれた【三幕府】の時代に対し、【電子時代】と呼ばれる様になっていた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0006 第一章 　そこはネットワークで構築されたオンラインゲーム世界。かつて『eスポーツ』と呼ばれたオープンワールド世界の一つだ。 　その世界のコンセプトは『和』。まるで日本の『三幕府』の武家時代をシミュレートした様な世界観だ。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0005 　ムセツ、何時でも刀を抜ける姿勢を保ったまま、 「諸君！　儂、吾輩、まあどうでもいいや。俺はここでは『ムセツ』ではないぞ。ここでの俺の名はーー」 満面の笑みを浮かべ、 「『夢切』だ！」 と呵々大笑した。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0004 　ムセツの刀は電光石火で端役の刀を弾き飛ばす。 　周囲の雰囲気が途端に固まった。 　抜刀したムセツが、ゆっくりと刀を鞘に収める。空気は緊張感で氷ついたままだ。 　ムセツが息を吐く。やっと固まった空気が緩んた。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0003 「ムセツ、覚悟しろ！」 と、誰かが叫ぶ。 (フム、端役か) 　ムセツが内心ほくそ笑む。 　端役、脇に差した刀を抜き、ムセツに襲い掛かる。 　ーー刹那。 　ムセツが居合抜刀する。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0002 　内心うそぶきニタリと笑みを浮かべる。 (しかし、俺ーー儂、或いは吾輩もすっかり著名人になったものよ。くはは) 　ムセツと呼ばれた漢が自虐的、或いは自慢げに高笑いを上げる。 　ーーその時であった。 #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切】←1話から通読可 0001 前口上 「ムセツだ」 「ありゃムセツだ」 「ムセツが乗り込んで来たぞ」 　周囲がざわめき立つ。 　ーー『ムセツ』と呼ばれた漢が周囲を睨め回す。 (まあ、仕方無いな。見た目は和服を着流しただけだからな) #詩 #小説 #140字小説

【#電子時代の夢切 】 これは【時代小説】か。 或いは【サイバーパンク】か。 新奇なる時代区分 『電子時代』 で、ムセツこと【夢切】が快刀乱麻の活劇を興す。 そのキーワードは 『ロールプレイ』 タイトルハッシュタグをクリックすると途中からでも一から閲覧可能です。 #詩 #小説 #140字小説

【#即興連載小説集】 を始めました。 『#未定食』 『#ベレーさん』 『#幻魔の皇帝』 『#Cyberbreakthrough 』 『#CAP学園』 『#愛しのケロちゃん』 『#無能猫化身の解決屋』 『#結女実ふたたび』 『#都地の逆襲』 『#電子時代の夢切』 の十本です。 #詩 #小説